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「この人も一人の人間なんだ」と思うだけでカスハラは減る?──最新研究が示した、とてもシンプルな方法

🎥 1分動画でささっと見たい方はこちら!

https://youtube.com/shorts/2re4EsgIias


「店員さん」ではなく「一人の人」として見てもらう

スーパーや飲食店、ホテルなどで働く人の多くが、暴言や理不尽な要求、いわゆるカスタマーハラスメント(カスハラ)を経験しています😢

これまでの研究では、

  • ストレス対処法

  • アンガーマネジメント

  • マインドフルネス

など、「従業員がどう耐えるか」に焦点を当てた対策が中心でした。

しかし今回紹介する研究は、発想がまったく違います✨

「そもそも、お客さんが店員さんを"一人の人間"として認識すれば、カスハラそのものが減るのでは?」

という視点から検証した研究です。


「個別化的つながり(Individuating Connections)」とは?😊

研究で提案された方法はとてもシンプルです。

例えば店員さんの名札に

  • 「私の趣味について聞いてください🎮」

  • 「好きなスポーツを聞いてください⚽」

  • 「旅行の話を聞いてください✈️」

と書いておきます。

するとお客さんは

「趣味って何ですか?」

と自然に話しかけるきっかけができます。

たったこれだけ。

でも、この短いやり取りによって、

「店員」ではなく「趣味を持った一人の人」

として認識されやすくなるのです。


なぜ効果があるの?🧠

私たちはサービスを受けるとき、

  • レジの人

  • 店員さん

  • ホテルスタッフ

という「役割」だけを見てしまいがちです。

心理学ではこれを客体化(Objectification)と呼びます。

つまり、

「仕事をするための人」

として認識し、

その人自身の

  • 気持ち

  • 考え

  • 個性

が見えにくくなる状態です。

その結果、

「多少きつく言ってもいい」

「失礼な態度でも構わない」

という心理が生まれやすくなります。


研究では4つの実験を実施📚

今回の論文では、異なる場面で4つの研究が行われました。

① スーパーでの実地実験🛒

実際のスーパーで店員さんが

「趣味について聞いてください」

などと書かれたバッジを着用しました。

ここでは、

特に会話するよう指示はありません。

お客さんが気付けば質問する。

気付かなければそのまま。

非常に自然な環境で検証しています。

それでも、店員さんはカスハラが少なくなったと報告しました。


② 自動車販売の実験🚗

ここでは少し条件が違います。

ホワイトボードに

「好きなこと」

などを書き、

最初の4分間はその話題について話す時間を設けました。

つまり、

偶然に任せるのではなく、

意図的に「人となり」を知る時間を作っています。


③ ホテルでのオンライン実験🏨

この研究では、

従業員役の人が

自分からバッジの内容を話す

よう指示されました。

つまり、お客さんが気付くのを待つのではなく、

店員側から人となりを伝える形です。


④ レストランでのオンライン実験🍽️

こちらでは、

お互いにバッジの内容へ軽く触れてから、

本題の注文やサービスへ進みました。

最初に少しだけ「人」として会話してから、本来の業務に入る構成です。


研究全体から見えてきたこと✨

4つの研究をまとめると、

「話しかけるきっかけ」を用意するだけでも効果はありました。

一方で、

さらに効果が高かったのは、

  • 店員さんから一言添える

  • 少しだけ雑談する時間を作る

など、

お互いが短時間でも人として関わる場面を作ったケースでした。

つまり、

「バッジを付けるだけ」よりも、「バッジをきっかけに一言会話する」方が、人間らしさを感じてもらいやすく、カスハラの抑制効果も期待できる

ということです。


なぜカスハラが減るの?💡

研究では、

店員さんを

「ちゃんと感情や考えを持った人間」

と認識すること(Humanization:人間化)が、

カスハラを減らすカギだと考えられています。

つまり、

「好きな食べ物は?」

「旅行が好きなんですね」

そんな数十秒の会話だけでも、

相手を単なるサービス提供者ではなく、

一人の人間として認識しやすくなるのです。


💭ここからは私の考察

この研究が一貫して扱っているのは、

「顧客―従業員」という力関係が非対称な場面です。

つまり、

  • お客さんの方が立場が強い

  • 一回限りのやり取りが多い

  • 取引が目的

という関係性が前提になっています。

論文でも今後の研究課題として、

  • 患者さん―医療者

  • 市民―行政窓口

  • プラットフォーム利用者―ワーカー

など、他の非対称な関係への応用可能性が示されています。

一方で、同僚同士のような比較的対等な関係については、この論文で直接検証されたわけではありません。

とはいえ、私はこの考え方は職場の人間関係にも十分応用できそうだと感じました😊

この研究の本質は、

「役割」ではなく「その人自身」を見ることだからです。

例えば医療現場なら、

  • 「外科医」

  • 「医事課の人」

  • 「検査技師」

  • 「薬剤師」

という役割だけで相手を見るのではなく、

その人なりの考え方や価値観、仕事への思いを少し知るだけで、

「機能」ではなく一人の人として認識しやすくなるのではないでしょうか。

特に、

  • 異なる診療科

  • 異職種

  • 他部署

のように普段ほとんど接点がない相手ほど、

知らないうちに「役割」だけで見てしまっていることは少なくありません。

例えば、

医事課から見た外科医、

あるいは外科医から見た医事課。

お互いに「仕事をしてくれる人」という認識だけになってしまえば、この論文でいう客体化に近い状態が起こっていても不思議ではありません。

もちろん違いもあります。

同僚関係は、顧客とのような一回限りの出会いではなく、多くは継続的な関係です。

時間が経てば自然に人物像が見えてくることも多いため、今回の介入が持つ効果は顧客対応ほど大きくない可能性もあります。

一方で、普段まったく交流のない部署や専門職同士では、相手を「役割」や「機能」としてしか認識していない状況も十分あり得ます。

だからこそ、

ほんの少し雑談する。

趣味を知る。

休日の過ごし方を知る。

そんな小さな「人となり」が見える機会は、職場全体のコミュニケーションをより良くするヒントになるのかもしれません✨


まとめ🌱

今回の研究が教えてくれたのは、

人を人として見ることは、特別なことではないということです。

名札に一言添える。

趣味について少し話す。

「最近こんなことにハマっています」と伝える。

そんなほんの数十秒のやり取りでも、

相手を見る目は変わります。

カスハラ対策というと、制度やマニュアルを思い浮かべがちですが、

その前にできることとして、

「人となりが少し見える仕掛け」

は、とても効果的な第一歩なのかもしれません😊


📖参考文献📚

  • Trinh, E. N., & Cunningham, J. L. (2026). Humanizing the frontlines: Individuating connections reduce customer mistreatment. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 196, 104510.

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