短歌(連作) 名刀展
酷暑の中、名古屋の徳川美術館へ「時をかける名刀展」を観にいった。
「時をかける名刀展」を観に行けり徳川美術館 秋の立つころ
薄暗き展示ルームのLED照明に泛ぶあまたの名刀
目の前に姿よき太刀一振が白布に抱かれ輝いてをり
青黒く澄みし水面のごとく冴ゆ池田正宗の地鉄に見入る
後の世に斯く号せられしこの刀は池田備中所有せしとか
佩表の茎に切りし金象嵌 光徳極めし「正宗磨上」
反り浅く板目沸えつき地景いる小沸えよくつき湾れと互の目
禍の器なれども名匠は魂こめし鉄の美に
世が世なら目にすることは能わずと幸せに思い館をあとにす
夏盛り徳川園の池端の木陰にすずしきそよ風を知る
