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人間の「視力」の限界は?理論的に求めてみる。

 2025年は視力3.0を実現できるか?をテーマに研究活動をしています。

 測り方は簡単。ネットでダウンロードできる3m視力表を印刷して壁に貼り、2.0のランドルト環が3m離れた位置からみえたら、2.0です。指定の3メートルより少し離れた位置からランドルト環が見たら、そのランドルト環が指す数値より、少し視力が良いということです。

 視力の計測値は計測表までの測定距離と比例しますので、3m視力表をもちいて、4.5m離れたところから2.0のランドルト環が見えたら、視力3.0ということ。視力2.5なら、3.75mですね。

視力の限界値は?


 さて、視力の限界値はどのくらいなのでしょうか?前回投稿でも述べましたが、これまで視力3.0といった高い視力の報告があります。しかし、あくまで野生動物を発見した距離や、戦時中のプロパガンダなどの影響があり、正確性には疑問があります。

 科学者としては、ここははっきりさせておきたいところ。

 さて「標準眼科学」(医学書院)によると、網膜にある「視細胞」のサイズが最小分解能になる、としています。視細胞のサイズはおおむね1.0-1.5マイクロメートルとされています。(マイクロメートルとは、ミリメートルの1000分の1のサイズ)

 そこから計算すると視力の限界値は3.24−4.76だろうとのこと。ただしそのくらい視力が良い人の事例がない上に、「固視微動」という目が振動しながらものを見るという性質のために、視力の限界はいまいちよくわからないのです。
*固視微動に関しては近くnoteに書きます。

視力の理論限界値を計算

 さて、私も視力検査表のサイズと「視細胞」のサイズとを比較して、人間の視力の限界値について計算してみました。

 視力検査検査機でシェアの大きな、NIDEK社のHP(https://www.nidek.co.jp/eyestories/vol-5%E3%80%80%E8%A6%96%E5%8A%9B1-0%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%AB%EF%BC%9F/)を参考に、本noteでもランドルト環のサイズを検討してみました。

 ランドルト環のすきまと目の中心がつくる角度のことを「視角」といいます。 視角は、1°の60分の1である1’(1分)で表されます。

NIDEK社のHPより

 検査距離5mを基準とした視力値1.0のランドルト環のすきまは1’=1.454 mm、大きさは5’=7.272 mmとなり、 他の視力のすきまは、上の式を変えて求めることができます。(これはISO規格のサイズですね。JIS規格だとスキマは1.5mmです。)

 すなわち、視力「2.0」の視標のすきま 1’÷2.0=0.5’→約0.727 mmです。これは私も余裕でみえます。   
(ランドルト環の大きさは、5分1分角の原理を用いてすきまを5倍し、約3.635mmとなる。)         

 私が必要としている視力「3.0」の視標のすきま 1’÷3.0=0.33’→約0.485 mmです。    
(ランドルト環の大きさは、5分1分角の原理を用いてすきまを5倍し、約2.423mmとなる。)

 ランドルト環の隙間はだいぶ小さくなり、1ミリメートルの半分もありませんが、それでも現代の印刷技術からすれば、余裕で形成できサイズですね。

 ただし、これは5m視力表です。もしこれが3m視力表だったら、隙間のサイズは0.485 mmの5分の3、つまり0.291mmになります。
 2m視力表だったら、0.194mmですね。

視細胞のサイズと比較

 次に重要なのは目の中の網膜に映るサイズです。限界値は何で決まるかというと、網膜にある「視細胞」のサイズだからです。ランドルト環の小さい隙間は、目で見た時、目の中の網膜に像が映るわけですが、そこで隙間のサイズを見分けられるほど視細胞が小さくなかったら、見分けることは原理的にできません。

 前述のように、視細胞のサイズは1.0-1.5マイクロメートルとされています(実際の文献どこかにないかな…?)。

 5m視力表の視力3.0ランドルト環が目の中に投影されると、角膜と水晶体を通った光は網膜で結像されます。
 ランドルト環のすきまは黒い部分2か所が1°の角度で目に入射してくるので、目の中でも同じく1°となるように結像していると考えられます。
 そして、眼球内の節点(見ている像の上下左右が交差するところ)から網膜までの距離は約17mmとされています。「網膜─デジタルカメラとは違う構造と機能」日生誌 Vol. 67,No. 3 2005 P102
 図にすると、以下のようになります。

視力3.0のランドルト環指標が網膜に投影されるサイズ
「何歳からでも目が良くなる方法」出版記念講演会資料より

 つまり、5m先のランドルト環のすきま0.485mmは、目の中では17mmの距離を通過するうちに0.001649mmとなり、これは1.649マイクロメートルです。
 つまり、視細胞のサイズ1.0-1.5ミクロンメートルより、大きいのです!つまり、人間の網膜で見分けることが可能!ということですね。

結論;人間の目で視力3.0が見えてもおかしくない

 こうやって文献をあたり自分で計算すると、見えそうだ、と思うことができますね。

 実際にモノを見るときにはもっといろいろな条件が重なってきます。明るさとか、光の当たり方、指標のぎらつきやサイズのズレなど、環境要因のほか、人間の体調もかかわってきます。つかれなど脳のパフォーマンスや、血流、眼球が震える固視微動、見えるか見えないかといった気持ちの問題も無視できません。

 今回自分できちんとデータを用いて視力の限界を算出したことで、「これはいけそうだ!」という気持ちになりますし、「今3.0見えないのはなぜだ?」と新たに疑問が生じてきます。
 次回投稿は、その疑問を解消する投稿にしたいと思います。
こうご期待!

 私のように、視力3.0が見えるかも、という気持ちになった方はスキしてくださいますと嬉しいです。↓

追記 2025年夏、視力は3.0を超え、秋には視力4.3となりました。他の記事をぜひご参照ください!

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