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ベネズエラの事態をどう見るか

 2026年1月3日早朝(02:00頃)。米軍は150機以上の空軍機を動員して、首都カラカスを襲撃、抵抗する守備隊などを殺害し、マドウロ大統領夫妻を拘束して、米国に連れ去った。国際法違反より、私が関心を持ったのは、1月3日、米国がベネズエラの石油輸出を禁止したこと(export embargo)である。その意味は、ベネズエラ石油の中国への輸出の停止である。
 この禁輸措置でベネズエラは石油生産を停止せざるを得なくなっており、また石油輸出に依存しているベネズエラが、米国に抵抗できなくなるのも時間の問題ではないかと考える。もう一つの意味は、中国はベネズエラに数十億ドルを貸し付けており、その返済を名目に、ベネズエラ石油を大半を実質輸入しているが、その輸入がこの禁輸措置で完全に止まることになる。
   US oil refines win, Chinese rivals lose in Trump's Venezuela strike, REUTERS 2026/01/05
   Venezuela moves to cut oil output due to US export embargo, REUTERS 2026/01/05
 中国は、イランやロシアのように、米国が経済制裁を加える国々の原油を輸入することで、米国による制裁の抜け穴を提供してきた。また安く輸入することで漁夫の利を得て来た。同じことがベネズエラの原油についても言える。しかしその輸入がこれで止まってしまった。つまり、トランプにすれば、ベネズエラ強襲は、訪中を控えて、交渉カードを1枚持ったことになるのではないか。
    他方でもし強襲しなければ、石油の大半を中国に輸出していたベネズエラは、親中度を高めたに間違いない。このようにみると、ベネズエラ強襲は、米国の世界戦略を公然と妨害して、安い原油という漁夫の利を得ようとする中国へのけん制だったのではないか。というのが私の解釈である。
 中国、マドウロ氏の解放を要求 ベネズエラ石油の大半を輸入 北京共同2026/01/04


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福光 寛  中国経済思想摘記 main page: https://note.mu/hiroshifukumitsu  マガジン数は20。「マガジン」に入り「もっと見る」をクリック。mail : fukumitu アットマークseijo.ac.jp