営業は「売る」の先へ。事業を動かす「SaaS営業」のリアルと未来
こんにちは!カミナシ営業責任者の富澤です!
今回は「事業における営業職の価値」についての記事です。
僕自身、大手やメガベンチャーの出身なので、以前は営業職といえば「売上を作る専門職」と捉えていました。しかしながら、カミナシで市場の黎明期の営業を経験して、営業職こそ「事業の未来を切り拓く最前線の仕事」であると解釈が大きく変わりました。
いつも採用面談など社外の方にそういった営業の実態を伝えようとするのですが、うまく伝えられていない感覚があったので、今回記事にしました。ぜひ、以下のような方に届いてほしいです。
事業責任者への最短ルートを模索している方
スタートアップで挑戦したい方
営業職として価値をさらに高めたい方
カミナシが向き合っているデスクレス産業のIT化はまだまだ黎明期であり、この領域で営業職がどのように事業を動かし、自身の価値を高めていけるのか。その実態を多くの方に知っていただけると嬉しいです!
市場開拓の黎明期における「営業」の役割とは
まず、事業フェーズによる営業の役割の違いについて、ここでは「どの時間軸のアウトカムに対して活動しているか」という切り口で整理してみます。
以下表をご覧ください。「売る」は、足元の事業計画を達成するために売上を作る役割、「伸びしろを作る」は、6ヶ月〜3年先の成長余地を生み出す役割です。具体的には、新しい顧客層の開拓、新たなニーズの発掘、プロダクト改善へのフィードバックなどの活動のことを指します。

「売る」はどのフェーズでも共通で営業の最重要ミッションです。一方で「伸びしろを作る」は事業フェーズや市場の成熟度によって重要度が違います。特に、営業組織の立ち上げや市場の黎明期の初期フェーズにおいては、「まだ勝ち筋が十分に出来上がっていない」ので営業が仮説検証をリードしていく必要があります。
仮説検証は、SaaS事業であればプロダクトチームやマーケティングチームが行っていくイメージがあるかもしれません。しかし、仮説検証は営業なしには成り立ちません。ここに黎明期の営業が「売る」という役割だけに閉じずに、「事業を動かす」存在にならなくてはいけない理由があります。
SaaS事業の中心にいる「営業」の価値
では、「営業」はどのように事業を動かすのでしょうか?
営業は顧客のニーズや情報を集めて、事業計画に対して「達成」するために活用していくわけですが、それだけだと営業組織の中でしかPDCAが回りません。貴重な顧客の情報を営業組織だけに閉じるのは「もったいない」です。
「営業が事業を動かす」とは?
初期の仮説だけでそのまま事業が進むということはまずありません。仮説→実行→修正→仮説→実行・・といった具合に何度も仮説検証を繰り返していく必要があります。その点において、営業の実行結果や、営業が得た顧客の情報というのは、以下の2つの観点で多くの部署から「喉から手が出るほど」欲しい情報になります。
(1)「仮説の検証結果」としての価値
営業が活動する前に、プロダクトチームや事業責任者が「◯◯という市場の顧客に、◯◯という課題があり、◯◯という価値が刺さる」という仮説が存在する
その仮説に基づき実行する中で、「答え合わせ」をするのが営業の仕事。「仮説通りこの業界には◯◯という価値が刺さるので更に投資を踏み込みましょう」「仮説とは違い、▲▲というニーズの方が大きそうなので方針を変えましょう」のように物事を前に進める。
(2)「仮説を作る材料」としての価値
仮に仮説が違った場合や、予想外の思わぬ成果が出た場合、営業は誰よりも既存の戦略や方針に対して現場の最前線で「ズレ」を感じることができる。
現場の「ズレ」を吸い上げ、戦略や方針にフィードバックしていく。その結果、新たな仮説を立てて事業を軌道修正していくが、この手綱を握るのが営業の仕事。

営業が最も価値を発揮する領域
事業を動かす上で、プロダクト開発も顧客情報を収集します。顧客に会いに行き、プロダクトを利用してもらいます。情報はあるはずです。そのうえで、営業が発揮できる価値とは何でしょうか?
それは、「顧客の意思決定」の解像度です。プロダクト開発の段階での仮説は「◯◯の市場の◯◯という会社」という粒度であることが多く、ややマクロ寄りです。事業をスケールするためにはむしろその視点が重要なのでこれを否定するものではありませんが、ここで抜けがちな観点があります。それは、B2B事業においても、製品を購買してくれるのは「人」である、ということです。
ラストワンマイルである「顧客の意思決定」からの逆算
前提として、市場開拓型の営業は顧客にとって「まだ自社で試したことのない新しい方法」であることがほとんどです。過去にやったことがあったり、既存の利用サービスからの切り替え、ではなく、顧客にとってもリスクの伴うチャレンジであり、勇気が必要な選択になります。
新しいサービス、新しいチャレンジに対して、「人」がどのように関心を持ち、「社内のステークホルダー」を巻き込んで導入に至るのか。その中でどういう壁があり、どう乗り越えたのか。中には反対する人もいますし、既存のルールに杓子定規に当てはめてNGになることもたくさんあります。
営業はこれに真っ向から向き合う仕事なので、「人」の性質の深い理解をもとに、「企業の中でどのように意思決定が行われるのか」の解像度を高く持つことになります。そしてこれこそが、事業を動かす重要な情報です。
逆にここをなくして作った仮説は空虚なものになりがちです。例えば以下のようなパターン。
A部署はすぐにでも導入したいが、予算を管理しているB部署にとっては手間が増えるので導入したくない
ターゲットの「会社」のリードはたくさん取れるけど、意思決定を進めるC部署ではなく、D部署のリードばかりでなかなか案件が進まない
ラストワンマイルの「誰が」「どのように意思決定を進めるのか」の情報こそが重要であり、ここの解像度が荒いとどれだけ合理的で伸びそうなプロダクトや戦略でも、結果につながらない。ここに営業の介在価値があります。
実際にカミナシでは、プロダクトマネージャーやマーケティング部から営業に対して頻繁にインタビューや相談が入ります。実際に、事業の方向性の示唆になることも多く存在します。

しかしながら、このような「事業を動かす」営業は世の中の一般的な営業とはやや乖離があると思います。僕自身も成熟事業でやり方が決まっていた環境で働いていた人間なので、その時の僕に伝えても「???」だと思います。
ただ、今の「デスクレス産業向けの業務改善SaaS」は間違いなく事業を動かすことができる営業を必要とします。次にその理由を紹介させてください。
なぜデスクレス産業向けのSaaS営業は、「事業を動かす」ことを求められるのか?
ここでは、デスクレス産業の営業ならではの3つの特徴に関連付けて、その理由を考えてみます。
特徴1:市場開拓型であり、正解がわかっていない
デスクレスSaaSの営業は紙やエクセルなど何十年も変わらなかったアナログな方法を脱却しIT化を促していくという営業。まだ市場が十分にできていない黎明期。
そのため、経営陣やプロダクト開発も仮説ベースで動いていて、正解がわかっていない。顧客の情報が最も多く集まるのは経営でもプロダクト開発でもなく営業であり、営業は顧客解像度の高い専門家である。
特徴2:業界ごとに事業開発が必要で、多くのリーダー人材を要する
業界ごとに業務プロセスや導入部門が異なるので、1つのプロダクトでも提案の手法やメッセージングを最適化していく必要がある。
そのため、誰かが中央集権的に決めて推進する方法は相性が悪く、チームを細分化して仮説検証していく必要がある。その細分化されたセグメントごとに顧客解像度を高めていくのは営業の役割であり、それをリードできる人材を多く要する。
特徴3:マルチプロダクト化していく戦略を取っている
顧客は特定領域の部分的なIT化を望んでいるわけではなく、業務プロセス全体をIT化し、効率化することを望んでいる。
そのため、デスクレスSaaS事業はマルチプロダクト戦略を取り始めている会社が多く、事業が多構造化している。プロダクト毎に、売り方の科学、顧客の声のフィードバック、戦略の軌道修正をしていく必要があり、営業プレイヤーでありながら特定プロダクトの代表者として、戦略やオペレーション作りを主体的に進めていくことが求められる。
そして、このように営業プレイヤーでいるうちから事業を動かす役割を先行して経験できることは、キャリア戦略を考えたときに強みになります。次はこの点を考えてみたいと思います。
「SaaS営業」はキャリアを飛躍させる
もし営業プレイヤーの先にマネージャーや事業責任者を目指すのであれば、プレイヤー時代の経験は強みになります。なぜなら、事業責任者の戦略策定には、現場レベルの理解が必要不可欠だからです。
事業責任者の仕事のイメージは反復横跳びです。具体レベルと抽象レベルを縦横無尽に行き来することが必要になってきます。

そのため、プレイヤー時代に得たこと、たとえば市場やプロダクトのリード経験、社内連携のコツ、顧客心理を掴むヒアリング、売り切ることで得た洞察ーーこれらはすべて、キャリアの武器になります。
僕自身、実はカミナシに来てから営業プレイヤーの経験を納得のいくまで出来ていなかったので、昨年のうち半分は自分で案件を持って営業をしていました。今は営業責任者のロールに集中しているのですが、この時の経験が活きて、前よりも自信を持って組織をリードすることができています。
「カミナシ営業」の今と未来
最後に、「カミナシ営業」に特化して、最新の状態とこれからやろうとしていることに触れさせてください。
カミナシは今、変革期を迎えています。代表の諸岡さんの記事に詳しいのですが、今はマルチプロダクト化を進めている真っ最中で、この半年でプロダクトが1つから4つへと増えました。
これにより、開拓できる市場が一気に増えています。立ち上げフェーズが乱立しておりなかなかにカオスですが、市場の最前線で未来を切り開いていくことが、今こそ営業に求められていると日々感じています。

2020年の事業立ち上げ期からカミナシにいて、今が一番面白いと自信を持って言えます。
そして、ここから更に事業を仕込んでいきます。向こう3年間で組織を3倍にします。もし、今この船に乗り込んで頂いたら、事業のキーマンとして活躍できる経験と機会をご提供できます。事業責任者や新規プロダクト企画などのキャリアを目指す方にとって、将来経験するであろう重要なプロセスを今すぐに経験できる絶好の機会だと思います。
この記事に少しでも心が動いたら、まずはカジュアルにお話させてください。ここには書ききれなかった、もうちょっと泥臭いリアルなお話ができると思います。
そして本記事が、これからキャリアを飛躍させたいと模索している多くの方に届くことを願っています!最後まで読んでいただきありがとうございましたmm
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