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便利だけど、なんか違う… ネット通販に飽きた私が、商店街で「本当に欲しかったもの」に出会った話│不便さ#3

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「ポチッ」とすれば、翌日には届く。
欲しいものが、ワンクリックで手に入る時代。

ネット通販は本当に便利だ。
けれどある日、ふと思った——

「いつから“買い物”が、
ただの“受け取り作業”になってしまったんだろう」
と。

そんな思いに背中を押され
久しぶりに地元の商店街へ出かけた。

目的は、ふきんと小さな植木鉢。
どちらもネットなら10秒で見つかる。

でも今日は、時間がかかっても

「人に聞く」
「探す」
「迷う」

ことを味わおうと決めていた。

平日の午後。
シャッターの閉まった店も目立つ中で
小さな金物屋さんがまだ開いていた。

扉を開けると、
店主らしきご年配の男性が
「いらっしゃい」と静かに笑った。

「ふきんってありますか?」
「ああ、ありますよ。
昔ながらのだけど、よく水を吸うやつ」

手渡されたのは、
素朴な晒し木綿のふきん。

「これはね、うちでも50年扱ってるんですよ。
丈夫でね、洗ってもヘタらない」

その声に、ただの商品説明ではない
“信頼”がこもっていた。

植木鉢は、2軒目の花屋で見つかった。
レジ横で売られていた素焼きの鉢は
形がいびつで、どこか温かみがあった。

レジの女性が「それ、窯の火加減で形が
ひとつひとつ違うんです。私はこのゆがみが好きで」
と笑う。

買い物を終えて帰る道すがら
私は何度も袋の中をのぞいた。

どちらも、ただの道具のはずなのに不思議と
「誰かから受け取った贈り物」
のように感じられた。

ネット通販のスピードや手軽さには
確かに助けられている。

でも、対面の買い物には“物語”がある

商品だけでなく
人の言葉や表情

その土地の空気までも一緒に連れて帰ってこれるのだ。

不便さの中に
失われかけていた“買い物の本来の楽しさ”があった。

次にふきんを使うたび
私はきっとあの金物屋の静かな笑顔を思い出すだろう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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