植物図鑑①~グラキリス~
私が出会った最初の塊根植物
塊根植物との最初の出会いは、パキポディウム・グラキリスでした。
といっても、最初から植物として出会ったわけではありません。
当時、観葉植物が好きな職場の後輩が
グラキリスに夢中になっていました。
「これ、かわいくないですか?」
そう言って見せてくれた写真には、
ぷっくりと膨らんだ幹に、
ちょこんと枝を伸ばした不思議な植物が写っていました。
この後輩は以前、ベンジャミン・バロックを愛していて、
私もそのくるくるとした葉の愛らしさに、
「かわいいよね!」
と一緒に盛り上がっていたことがあります。

しかし今度はグラキリスです。
正直、そのときの私は塊根植物にまったく詳しくありませんでした。
「えっ、かわいい??? どっちかというと、キモくない?」
それが第一印象でした。
ところが、その後輩があまりにもグラキリス愛を語るものだから、
私はつい毛糸で編んでプレゼントしてしまったのです。
※下の写真は私が実際に編んだものではありません(笑)

丸い胴体に、小さな枝。
毛糸で再現してみると、これがなかなか愛らしい。
作りながら何度も写真を見るうちに、
最初は後輩のために作っていたはずなのに、
気がつくと私自身がグラキリスのことを調べ始めていました。
どんな環境で育つのだろう。
なぜこんな形をしているのだろう。
個体ごとに全然違う顔をしているのはなぜだろう。
調べれば調べるほど、その魅力に引き込まれていきました。
気づけば園芸店に行くたびに塊根植物コーナーをのぞくようになり、
SNSではおすすめ欄にグラキリスが並び始める。
完全に沼の入り口に立っていたのです。
グラキリスが愛される理由
パキポディウム・グラキリスは、マダガスカル原産の塊根植物です。
塊根植物の中でも特に人気が高く、
「キング・オブ・コーデックス」
と呼ばれることもあります。
魅力は何といってもそのフォルム。
ぷっくり膨らんだ幹。
細く伸びる枝。
季節によって変化する葉。
どこか人間味があって、一株ごとに表情が違います。
同じグラキリスなのに、
「この子はちょっとふっくらしている」
「この子は脚が長い」
「この子は貫禄がある」
など、まるで犬や猫を見るような感覚になってくるから不思議です。
初心者が育てるとしたら
育てやすさ:★★★☆☆
基本的には日当たりと風通しを好みます。
春から秋はしっかり成長するので、
土が乾いたらたっぷり水を与えます。
一方で冬は休眠するため、水やりをかなり控えます。
塊根植物全般に言えることですが、
「かわいいから」
と毎日水をあげたくなる気持ちをぐっと我慢するのが大切だそうです。
価格の目安
実生苗なら5,000円前後から。
大きく育った株や形の良い株は
数万円から十万円以上になることもあります。
高い!
それでも欲しくなってしまうほど、魅力的な植物です。
植物なのに、なぜこんなに気になるのだろう
塊根植物を見ていると、つい考えてしまいます。
暑さや乾燥に耐えながら、少しずつ水を蓄え、
何年もかけて今の形になったのだろうな、と。
派手な花を咲かせるわけでもない。
すぐに大きくなるわけでもない。
それでも堂々としている。
だから私はグラキリスが好きなのかもしれません。
後輩へのプレゼントとして編んだ小さな毛糸のグラキリス。
あれがなかったら、私は塊根植物の世界を知らないままだったでしょう。
人との出会いが人生を変えるように、
植物との出会いもまた人生を少し豊かにしてくれる。
そんなことを、グラキリスは教えてくれた気がしています。
グラキリス沼の恐ろしいところ
それにしても、この価格は本当に厳しい。
件の後輩は、その後さらに塊根植物に愛を注ぐご主人と、
新しい鉢の購入をめぐって大喧嘩をしたそうです。
しかも武器はクッション。
クッションを投げ合う夫婦喧嘩なんて、
なんだかかわいいと思ってしまいました。
もちろん本人たちは大真面目なので、この感想は内緒です。
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