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《創作BL 1week》夜の喫茶店で【3日目】

扉の鈴が鳴り、三宅さんが入ってきた。
昨日より少し早い時間だ。

「こんばんは」

「こんばんは。いらっしゃいませ」

席に着いた三宅さんは、ほんのわずかに呼吸を落としたように見えた。
昨日とは違うけれど、今日もどこか疲れている。

「今日も、お仕事…大変だったんですか?」

「まあね。でも、朔くんの顔見たらだいぶ回復した」

僕の…顔?
この店や珈琲じゃなくて?
そんなことで喜んでしまう自分に、少し驚く。

だけど——。

「朔くん、最近ちょっと無理してない?」

「え…」

思わず顔を上げる。

「昨日、少し表情が固かった気がして。僕のせいだったら嫌だなって」

気づかれたくないところほど、気づかれてしまう。

「無理なんて、してないですよ」

そう言った瞬間、視線が泳いだ。
本当は少ししている。
三宅さんが来ると、普段より言葉を選ぶし、動作も丁寧になる。
それが伝わってしまったのかもしれない。

「……そっか。気になってたから、安心した」

カップを持つ指が、ほっと緩む。
その瞬間、胸の奥で何かがざわついた。

どうして、そんな優しい言い方するんだろう。

嬉しくて。
困って。
それでも、もっと聞きたくなる。

「三宅さんこそ……昨日、大変だったんじゃないんですか?」

「まあね。ちょっと空気が重くてさ。でも、朔くんと話すと軽くなるよ」

何気ない一言なのに、身体の芯がぐらりと揺れる。

「……僕で、いいんですか?」

「うん。朔くんがいい」

まっすぐで、特別な意味なんてないようで、
だからこそ余計に胸が熱くなる。

「……ありがとうございます」

隠しきれずに、声が少し上ずった。
三宅さんは気づいたのか気づかないのか、静かに微笑んだだけだった。

帰り際。
コートを羽織りながら、ふとこちらを見る。

「無理しないでね。……朔くんが疲れてたら、僕ちょっと嫌だから」

その言葉は、扉が閉まっても耳に残り続けた。

——どうして、そんなふうに言うんですか。

昨日よりもはっきりとした熱が胸の奥に灯っている。

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