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《創作BL 1week》夜の喫茶店で【6日目】

店内の照明を少し落とすと、カウンターに並ぶカップの影がゆらりと伸びる。
今日も三宅さんは、いつものように扉を静かに開けて入ってきた。

「こんばんは」

「こんばんは。いらっしゃいませ」

席につく三宅さんは、やっぱり少し疲れているように見える。
声をかけると、微笑みながら軽く首を振った。

「……大丈夫。今日は、ほんのちょっと仕事が詰まってただけ」

けれど、カウンター越しに見える手元の動きや肩の緊張から、疲れは隠せていない。
珈琲を淹れながら、自然と手がまり、視線がそちらに向かう。
呼吸や指先の動き、小さなため息——そうした細やかな仕草が、胸をぎゅっと締めつける。

「心配させちゃった?」

「そりゃ、しますよ……」

静かに時間が流れる。
言葉は少なくても、互いの距離は確かに近づいていることがわかる。

カウンター越しに、三宅さんの手がほんの少し自分の方向に伸びた。
触られる…!と咄嗟に目を瞑った瞬間、目の前のカップがすっと持ち上げられ、自分の手元から離れていく。思わず小さく息を呑む。

「ごめん。ちょっと行儀わるかったね」

「あ…いえ、大丈夫です」

熱い。
変に期待した自分が恥ずかしい…

そんな気持ちをよそに三宅さんはいつも通り珈琲を口に運び、その様子を見つめながら静かに決まった気持ちを、確かに意識した。

しばらくして、店内の時計が閉店を告げる頃。
立ち上がった三宅さんとカウンター越しに軽く目が合うが、微笑むだけで、言葉は交わさない。

その背中を見送り、珈琲の香りと夜の影が混ざる店内に残るのは、静かに近づいた距離の温もりだけ。

言葉にできない感情が、ゆっくり胸に溶け込む——

明日もきっと、同じようにここで会える。
そんな気持ちが、ふんわりと心を満たした。

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