史上最強の小結
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「史上最強の関脇」を前に書いたので、じゃあ同じ三役力士の小結はどうだってんで、調べてみました。ちなみに関脇と小結は給料同額だそうです。
まずは、関脇最強の証しとした在位記録を小結でも調べてみたんですが、考えてみたら小結では意外とハードな記録ですね、これ。関脇は上が大関なわけで、そう簡単には昇進できない。勝ち越しを続けただけではダメで、大勝ちしなければ上には上がれない仕組みですから、だらだらと「万年大関候補」になっていれば記録は作れるんです。ねえ、豪栄道さん(笑)
ところが、小結は勝ち越したら、まあ番付運にもよりますが、関脇昇進するのがふつう。かといって負け越したら、すぐに平幕陥落。つまり非常に不安定な地位なわけです。そのうえ平幕上位で勝ち越した場合、小結を飛び越えて関脇昇進というケースもあるので、ある意味、狙って就ける地位ではないですね。
で、その小結在位記録ですが、調べてみるとこうなってます。
まずは連続在位記録。前述したように、綱渡り的な番付運が必要とされる記録です。記録は連続5場所。ちなみに関脇の連続在位は豪栄道の14場所。やはり、小結連続在位のほうが難しいようですね。
栄えあるレコードホルダーは、3力士。
麒麟児(のち大麒麟/昭和44年1月場所から9月場所)、土佐ノ海(平成11年11月場所から翌年5月場所)、琴光喜(平成16年5月場所から翌年1月場所)。
さて、彼らは、運がいいのか悪いのか? 麒麟児はこの5場所のあと関脇に昇進して今度は6場所連続関脇に在位し、そのまま大関昇進。琴光喜ものちに大関昇進を果たしましたが、両者とも横綱昇進は成らず。土佐ノ海は大関にも上がれずじまい。どうも、やや微妙な印象ですね。
では小結通算在位記録はというと……
19場所在位の高見山がこの部門のチャンピオン。次いで15場所の安芸乃島、14場所の出羽錦が3傑。うーん、皆そろいもそろって関脇どまり。もうひとつビッグネームに欠ける感じがしますなあ。
高見山は連続在位も4場所の記録があり、連続記録を持つ土佐ノ海はこの3者に続く通算13場所在位。高見山、土佐ノ海、麒麟児あたりが、史上最強の小結ってことになるんでしょうか。
この3人の誰かが、小結在位中に優勝でもしていれば、すんなり最強小結に認定できるんですが、残念ながらそうはいきません(高見山の優勝は平幕優勝)それというのも、小結での優勝って、じつは平幕優勝以上のレアケースなのです。優勝制度施行以来、たったの8回。平幕優勝だって28回もあるのに。
で、歴史に名を残す小結優勝者は以下の面々。ついでに言えば、小結在位時に二度優勝した力士は、いまだかつておりません。
昭和6年5月場所 武藏山(10勝1敗)
昭和7年3月場所 沖ツ海(9勝1敗)
昭和19年1月場所 佐賀ノ花(13勝2敗)
昭和32年5月場所 安念山(13勝2敗)
昭和49年11月場所 魁傑(12勝3敗)
平成4年9月場所 貴花田(のち貴乃花/14勝1敗)
平成5年3月場所 若花田(のち若乃花/14勝1敗)
平成12年5月場所 魁皇(14勝1敗)
じつをいうと、小結での優勝は、不吉だという印象がありました。歴代小結優勝者を見ると、たとえば横綱に昇進しながらも怪我でその後の優勝がなく「悲劇の横綱」となった武蔵山、優勝の翌年に大関を目前にしながらフグ中毒で死去してしまった沖ツ海の二人は、現役人生で不幸だったといえましょう。さらに、引退後は二所ノ関親方となり大横綱・大鵬を育てたものの、自らの死後に後継者争いでいろいろ揉めてしまった佐賀ノ花と、これも親方になってから横綱・双羽黒(北尾)を育てながらドカンと裏切られた安念山の二人は、引退後の人生に波乱あり。どうも小結優勝後の相撲人生、あまり幸福ではなかった感じがします。
でもこの「小結での優勝は不吉」ジンクスも、引退後に相撲協会理事長にまでのぼりつめた魁傑に続き、華々しき人気者の若貴兄弟、そして貴乃花が平成の大横綱・貴乃花となり、名大関・魁皇も名を連ねていることで払拭された感がありますね。
それにしても、レアな小結優勝者のリストに若貴が兄弟で、そして彼らと同期入門の魁皇までもが登場しているのは、目をひきますね。おなじく同期だった横綱・曙も含め、このときの同期生・1988年3月場所デビュー組がいかにすごかったかの、一つの証左でしょう。
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