オリンピック4連覇 12年間の栄光

伊調馨が、レスリング女子フリースタイル58キロ級で、オリンピック4連覇を達成した

スゴイ、スゴすぎる。

白鵬が8連覇だ、ジャイアンツがV9だといっても、オリンピックとはケタが違う。

なにしろオリンピックは4年に1度しか開かれないのだ。

だから、オリンピック4連覇というのは、少なくとも12年間の歳月を掛けなければ達成できない大記録なのだ(その前の段階の、代表に選ばれるかどうかから数えると、もっとだ)

干支で一回り。生まれた子供が小学校卒業。それくらい大変な時間がかかるのだ。その間、ずっとその種目で世界のトップにいなければならないのだから、その困難さは想像を絶するものがある。

今回の快挙で「女子選手では初めて」と強調されているが、じゃあ男子ではどれくらいいたかというと、じつはたったの4人しかいない

初めてこの大記録を達成したのは、ノルウェーのパウル・エルブストローム。セーリング競技(ヨット)で、1948年のロンドン大会でファイアフライ級を制し、ついで1952年のヘルシンキ、1956年のメルボルン、1960年のローマでも金メダルを獲得した(ただしクラスがフィン級に変更になっている)

私がオリンピック好きの子供のころに覚えたのが、陸上・円盤投げのアル・オーター(アメリカ) 1964年の東京オリンピックで3連覇を成し遂げたので「おお、すげえ」と覚えたのだが、その4年後の1968年メキシコでも優勝して堂々4連覇を達成した。当時は「史上初」とか言われていたように思うが。

次いで記憶にも新しいのが、アメリカのスーパースター、カール・ルイス。100メートル、200メートル、400メートルリレーなどスプリントの英雄の印象が強いが、4連覇達成は意外にも走り幅跳びだけ。1984年のロサンゼルス大会から1988年のソウル、1992年のバルセロナ、そして1996年のアトランタと王座を守り抜いた。

今回のリオデジャネイロ大会でもう一人、競泳のマイケル・フェルプスが200メートル個人メドレーで4連覇を達成した。2004年のアテネ、2008年の北京、2012年のロンドンに続いての快挙。

ただフェルプスの4連覇は、さほど話題になっていない。

というのは言うまでもなく、彼はリオ大会までで合計23個もの金メダルを獲っている猛者なのだからだ。むしろ4連覇くらいは当然に見えるのかも(400メートル・メドレーリレーや800メートルリレーでも4連覇しているし) オリンピック史上、個人で金メダル獲得数が二ケタに達しているのは彼だけなので、彼こそが金メダル王なのは間違いない。

以上、これまでに4連覇を達成したのはたったの4人。これが3連覇になると、ぐっと数は増える。レスリングのカレリンとか、柔道の野村忠宏とかが記憶に残るが、今大会では陸上の短距離王ボルトが100メートルと200メートルで達成している。記録を達成するのに所要8年間と12年間、この4年の差はアスリートにとって大きいのだろう。

それにしても、オリンピック4連覇がいかに困難なミッションであるかは、長い歴史の中で伊調を含めて、たったの5人しか達成できていないこと、そして伊調と並ぶ女子レスリング53キロ級の「絶対女王」吉田沙保里が、今朝の決勝戦で敗れて4連覇を目前で逸したことからもわかるだろう。いやほんと、吉田の敗戦は、それはそれで衝撃的事件だけど。

さて、ここで気になるのは今後、史上空前、前人未到の個人競技のオリンピック5連覇が成るかどうかだ。とりあえず、次回の2020年東京大会に、フェルプスと伊調が出場するのか、そして金メダルを獲れるのか。どちらもいずれ劣らぬモンスターだけに、可能性は十分あるような気がするよね。

ああ、いまから2020年が楽しみだ

そして、伊調と吉田のどっちが強いかも、やっぱり気になるなあ。これ、いまこそ実現してもらいたいものだ。

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