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神田ぶらり(9)川のない橋

神田駅から銀座方面へ中央通りを南下すると、「今川橋」という交差点があります。

ところがそこには、橋はおろか、川もない。

むかし、「橋のない川」っていうのはありましたが、こちらは「川のない橋」です。

もちろん、かつては川があったのです。

今川橋交差点から少し先へ行くと、こんなものがあります。

これによると、ここにあった川は、竜閑川といって、天然の川ではなく、江戸城外堀の日本橋川と隅田川を結ぶ人工の掘割でした。通称を「神田八丁堀」とも呼んだとか。

江戸の町では水運の要路だったこの竜閑川も、その後は無用の長物となり、天然の川でなかったせいで淀み悪臭を放ったそうです。

そのせいで、昭和25年には埋め立てられ、竜閑川は姿を消しました。とはいえ、わずか半世紀ちょっと前まではそこに川があったわけで、橋の名前も含めて、あちこちにその痕跡が残っているわけです。

ちなみに、往時の今川橋の姿が下の絵。

この絵は、メトロ三越前駅の地下通路に展示されている絵巻物「熙代勝覧」の一部分。文化2年(1805年)の日本橋の賑わいを描いた大作ですが、その最初の部分が、当時の今川橋の風景です。ここから左側に日本橋大通りが伸びています。絵の上方が西。

この絵の箇所の現在の姿が、下の写真。

左が日本橋、右が神田方面。相変わらず人出が多いのは同じですが、橋も川も全然ないでしょ。

正面の狭い路地が、竜閑川の跡地です。この先に日本橋川があり、そこまで一直線に伸びているのです。知らないと、とても川の跡には見えませんよね。

ところで、この橋のたもとで売っていたことから名前がついたのが「今川焼き」だそうです。今は全然売ってませんが(笑)

つづきはこちら→ 神田ぶらり(15)川のない橋

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