史上最強の年間最多勝 2017
もうじき、今年納めの九州場所がはじまります。
そんな年末ともなると、ちょっと気になってきたのが、今年の年間最多勝の行方です。
前にも書きましたが、2007年から2015年までの9年間連続で白鵬が年間最多勝を独占していたこともあって、年間最多勝はあまり世間の関心を集めませんでした(その前は2002年から2006年まで朝青龍が5連覇だったし)
しかし、昨年は稀勢の里が初の年間最多勝に輝き、おまけに史上初の「優勝なしで最多勝」を記録したことで、少々関心を集めましたね。
その勢いをかって初場所後に横綱昇進をはたした稀勢の里が、今年も年間最多勝の座を占めるのか、あるいは白鵬が巻き返して通算10度目(史上最多)の栄冠に輝くのか、2017年の年間最多勝争いは白熱……すると思ったんですがねえ。
ではまず、この秋場所までの最多勝争いをまとめてみましょう。
まずは、秋場所前までの状況を。

はい、本命と思われた稀勢の里、白鵬の両横綱が休場などもあって、星が伸びず、大関獲りで絶好調だった高安が首位に立ってますね(43勝)
そうはいっても、2位はさすがに強い白鵬。休場がありながらも、42勝と1勝差で高安に迫っています。
次いで躍進する新鋭・御嶽海が、37勝で3位につけています。
以下僅差で日馬富士、稀勢の里の両横綱らが続いていました。
と、こんな状況で迎えた秋場所でしたが、ご存知のように4横綱のうち3人が休場したのをはじめ、多数の休場者が出るなど波乱の場所となりました。
1位だった高安、2位の白鵬も、ともに休場してほとんど上積みなし。
その結果、年間最多勝争いも大きく状況が変化しました。
秋場所後の状況はこうです。

1人横綱の意地を見せた日馬富士が首位にたちました。とはいえ、勝ち星は11勝だけ。ここまで5場所のトータルが47勝です。平均すると、1場所10勝に届いていません。ロースコアですね。
2位には2勝差で御嶽海、3位はそれでも高安の44勝。白鵬は42勝で足踏みで、9勝を挙げてトータル43勝とした貴景勝に抜かれて5位。
稀勢の里も全休が響いて5位から18位へ後退し、2年連続の年間最多勝は難しくなりました。
トップに立っているのが横綱なので、そうそう大逆転は起きにくいと思いますので、年間最多勝が視野に入るのは5勝差くらいまででしょうか。だとすれば白鵬までが圏内ということに。
もちろん、数字の上では、トップとは15勝差の32勝を挙げている栃ノ心と勢にも可能性はあります。ですが、上にいる24力士が全員ゼロ勝に終わらなければならないので、超強力なインフルエンザでも流行らない限りは望みなしでしょう。
当然ながら、15勝以上の差がついている、つまり31勝に満たない表の下のほうの4力士は、もはやノーチャンス(石浦は九州場所は十両転落なので、そもそも資格なしですが)
ただ、日馬富士は体調が思わしくないとも情報もあります。どうなるのか、予断を許しません。
ところでトップの日馬富士の勝ち星合計は、ここまで47勝。
前回ご紹介したように、これまでの年間最多勝の最少スコアは1992年の貴花田(のちの横綱・貴乃花)の60勝です。
つまり、九州場所で日馬富士が13勝以上をあげられなければ、このスコアを下回る計算になります。
2位の御嶽海が全勝しても、やっと貴花田の記録に並ぶだけ。
そう、2017年(平成29年)の年間最多勝争いは、史上最少のロースコアになることが、ほぼ間違いない情勢なのです。
ここはひとつ、日馬富士に頑張ってもらって、なんとか最少記録を脱していただきたいものです。
最後に、表の一番下をご覧ください。
横綱・鶴竜はここまでわずかに18勝。休場が多いですからね。
順位ではすぐ上の隠岐の海との差が、12勝もあります。
つまり、このままいくと、6場所すべて幕内に在籍した力士のうち、年間最多勝争いでは最下位ということになります。
横綱が最下位。
じつをいうと、休場しても番付が落ちない横綱の特権があるので、年間勝ち星が少ない横綱は、そうめずらしくありません。年間最多勝レースで横綱が最下位になったことも過去にはありました。
これも横綱の特権であり、試練でもあります。関脇以下でこの成績だったら、十両に転落してますからね。
とはいえ、不名誉なことは間違いありません。
ここは鶴竜には奮起してもらい、なんとか最下位脱出を狙っていただきたいですね。
ということで年間最多勝争いからも目が離せない大相撲九州場所は、今度の日曜日(11月12日)からです。
【今回のタイトルが誇大な表現であったことをお詫びします。正しくは「史上最弱の年間最多勝」でしょうかね】
参照→ 史上最強の年間最多勝
大相撲/丸いジャングル 目次
【2017/11/09 追記】 奮起を促したとたんに、鶴竜の休場が発表されました。残念ですが、じっくり完璧に治さないと、今度という今度は正念場ですからね。再起を待っています。ということで、今年の年間最下位は横綱・鶴竜で決定です。
【2017/11/15 追記】 ご存知のように、予想もしなかった事態で、首位だった日馬富士が連敗→休場。1勝も上積みしないままの休場で、初の年間最多勝獲得はほぼ消滅しました。ま、それどころじゃないでしょうが。
【2017/11/26 追記】 九州場所終了。いろいろあった場所でしたが、横綱・白鵬が14勝1敗の優勝でしめくくって、なんとか恰好はつきました。この横綱の精神的なタフさには感服します。混戦気味だった年間最多勝争いでしたが、こちらも優勝した白鵬が逆転で栄冠に輝きました。10度目の年間最多勝獲得です。とはいえ、下記の表のように、その勝ち星は56勝。1場所平均が10勝に届かず、もちろん史上最低のスコアになりました。そして、年間最多勝上位に、御嶽海、貴景勝、北勝富士といった若手が進出してきたのは興味深いですね。来年が楽しみです。その前に「16日目」がもっとタイヘンでしょうが。

