史上最強の平幕
今年も大相撲が始まった。
まえに「史上最強の関脇」、つづいて 「史上最強の小結」を書いた後、当然ながら次には平幕力士を取り上げようと思っていたのだが、これがあんがいむずかしい。
なにしろ、「平幕力士」だと、「史上最強」のイメージと矛盾しそうだからねえ。そりゃそうか。
いろいろ考えてみたが、平幕在位時だけの勝率とか記録がないし……考え込んでいても仕方がないので、前回までと同様に、まずは平幕(つまり前頭)での在位場所数を基準にすることにした。長く平幕を勤めている力士ならば「平幕力士」のイメージを保ちつつも、やや「史上最強」のイメージに近い名力士が並ぶのではないかと思ったのだ。うん、この線ならばいけそうだ。
調べてみたら予想通り、いや予想以上の顔触れとなった。

長く幕内を勤めていたのならば当然のことなのだが、よくも各時代の人気力士が揃ったもんだ。この中から「史上最強」を選ぶことに、何の異論もないだろう。
さて、あとは実績を加味してランク付けをするのだが、困ったことに実績はみなさん大したものなのだ。
番付最高位は、隆三杉(最高位・小結)以外は全員関脇、幕内通算勝率も全員4割4分から4割9分の間に並んでいる。差をつけるなら、かなり強引につけねばなるまい。
そこで、まずは幕内最高優勝を見てみる。平幕優勝は、平幕力士しかできないからね。この顔ぶれのうち、旭天鵬、高見山、水戸泉の3人には、幕内優勝がある。都合のいいことに全員平幕優勝だ。これは非常にポイント高いよ。
次いで三賞獲得数。三賞は三役力士でも獲得できるが、やはり活躍のバロメーターなので、重視せねばなるまい。この部門では、高見山、安美錦、麒麟児が通算11回の受賞で並んでいる。
最後に平幕力士たる証し、金星獲得数。こればかりは平幕在位時でないとスコア出来ない記録だ。この部門では栃乃洋、高見山が通算12個、巨砲が10個で、二ケタ獲得を成し遂げているこの3人がダントツだ。
こう見ると、結果は明白だろう。
すべての部門で顔を出しているのは、高見山だけなのだ。ちなみに三役での在位場所数を含めた幕内通算在位場所数でも97場所はこのメンバー中で第1位だし、幕内通算勝率も4割6分9厘で、このメンバーの中で第3位。
じつは高見山は「史上最強の小結」でも名があがったので、しょうしょうカブるが、まあ仕方ない。現時点での「史上最強の平幕」は高見山に決定しよう。
ただし、平幕通算在位場所数で1位の旭天鵬は現役バリバリ。幕内通算在位数の部門でも、来場所にもトップの高見山に並ぶ。三賞や金星獲得数がやや少ないのだが、これからまだまだ増えるかもしれない。それになんといっても、40歳代での勝ち越しという金字塔も打ち立てている。三賞獲得数部門でトップに並んでいる、同じく現役の安美錦ともども、今後「史上最強」に躍り出る可能性は充分ある。ぜひとも頑張っていただきたいものだ。
(在位記録は2015年1月場所現在。その他の記録は2014年11月場所まで)
