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ジャッキー・チェンと勝負する・追撃戦(15)

前作の「レイルロード・タイガー」からは一転して、明るく楽しくお気楽な、いかにもジャッキー映画らしいのが今回の作品。

2016年の「スキップ・トレース」 原題は「SKIPTRACE」(中文題は「絶地逃亡」) 日本では2017年の9月に公開。原題は1語なのに、なぜか邦題は2語。

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「マタドール」と呼ばれる、正体不明の麻薬組織の黒幕を追う香港警察のベニー刑事(ジャッキー)は、捜査の渦中で相棒を失った。相棒の娘サマンサ(ファン・ビンビン)を育てながら執念の捜査を続けるうち、九年の月日が流れる。だが捜査の行き過ぎから停職処分を受けてしまう。

そのころ、成長したサマンサは、マタドールの容疑者とみられる実業家ウォン(ウィンストン・チャオ)のカジノに潜入。そこでウォンからペテン師のコナー(ジョニー・ノックスヴィル)の行方を追えと命令され、ベニーに依頼。そのコナーはロシア・マフィアに拉致されてシベリアに連れ去られていた。シベリアに飛んだベニーはコナーを救出するが、そこへマタドールの子分が襲ってくる。どうやらコナーは知らぬうちにマタドールの手がかりを手にしていたらしい。一石二鳥とばかり、ベニーはコナーを香港へ連れ戻そうとするが……

はたして二人は香港へ無事に帰り、マタドールを倒せるのか?

ということで、熱血刑事のジャッキーとペテン師のノックスヴィルのコンビもの。パターンとしては大ヒットした「ラッシュアワー」とほぼ同じだと思えば間違いない。

ただ、スケールはデカい。シベリアでパスポートをなくした二人は、飛行機を使えず、陸路で香港をめざして、モンゴルから中国を縦断して香港へ向かうのだ。いや陸路でも国境はあると思うが……

相棒役に「ジャッカス」などのハリウッド人気スターであるジョニー・ノックスヴィル、監督に「ダイ・ハード2」「クリフハンガー」のレニー・ハーリンの名があることからハリウッド色が強い印象があった。

舞台のスケールの大きさ、アクションも大仕掛けなことも、ハリウッド映画的イメージを強めている。アメリカ映画だよといっても、たぶん信じてもらえるだろう。

私もそう思っていた。実際に映画を観るまでは。

が、じつは製作面ではかなり中国映画色の強い作品。要するにおカネの大部分は中国マネーなのだ。クレジットではアメリカ、中国、香港の合作

そして、映画そのものも、とくにアクションシーンでは、香港色がかなり強い。

冒頭のド派手なぶっ壊しアクションをはじめ、おもだったアクションシーンの根幹がカンフーアクションだからだ。これ、ジャッキーがもっとも輝くスタイルだ。

前回「レイルロード・タイガー」で感じた不満、アクションがガンファイト中心でジャッキーらしくなかったことを、みごとに解消している。イヴ・トーレス演じる女ファイターをはじめとしたロシアマフィアも、ちゃんとカンフーにつきあっている。

結果として、まるで「ポリス・ストーリー」シリーズを見ているような気になった。

ぶっ壊し、カンフー、それにコメディータッチ。これぞジャッキー映画。

もちろん、レニー・ハーリン監督の演出はハリウッド式。あわせて、モンゴルや中国の風景は、いかにも「海外向け」 エキゾチックかつ風光明媚な風景が次々と登場するあたりは、やっぱりハリウッド的だ。

ひょっとしたらこれが、ジャッキーの模索してきた、香港ムービーとハリウッドスタイルの融合なのかもしれない。一定の成功は収めているのではなかろうか。作品そのものは大成功とはいえないまでも。

ちなみに、香港色を強めるためか、往年の香港映画の大物が顔見世をしているのが楽しい。冒頭に出てくるエリック・ツァン、バスの乗客役でカメオ出演のリチャード・ン。ともに強烈なその風貌で人気を得た香港明星(スター)だが、ずいぶんとぜいたくな使い方をしているじゃないか……と思った時点で、ジャッキーの仕掛けにハマっていたんだね(笑)

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