人からはじまる仕事― 第4話:1人の声は100人の声 ―
「1人の声は100人の声」
これは、現場で多くの方と関わる中で、
私がとても大切にしてきた言葉です。
顧客満足度調査やアンケート。
私たちはどうしても、
結果を“数”で見てしまいます。
満足度は何%か。
評価は何点か。
もちろん、それは大切な指標です。
でも私は、
本当に見るべきものは、
その“数”の中にある1人の声なのではないかと思っています。
そしてこの考え方は、
顧客満足度だけではなく、
日々の店舗運営においても同じだと思うのです。
例えば、初めて来店されたお客様から、
「お店が分からなくて少し迷ってしまった」
そんな声をいただいたとします。
すると私たちはつい、
「分かりづらくてすみません」
で終わらせてしまう。
でも、もしここで“ハッ!”となれたらどうでしょうか。
HPやSNSの案内が分かりづらくて、
本当は来ようと思っていたのに、
たどり着けずに帰ってしまった人が、
実は後ろに99人いるかもしれない。
あるいは、
「この商品、いつからあったんですか?」
そんな一言。
何年も前から置いてある商品で、
自分たちは「当然知られている」と思っていた。
でも実際には、
長年通ってくださっている常連さんですら気づいていなかった。
ということは、
まだこの商品の存在を知らない人が、
後ろに99人いるかもしれない。
お客様からの何気ない一言は、
実は“たくさんの人の声”を代表していることがあります。
「チラシにあった商品はどこですか?」
そう聞かれたときも同じです。
「こちらです」と案内して終わることは簡単です。
でももし、そのお客様が声をかけずに帰っていたらどうでしょうか。
実際には、
「場所が分からなかったから、もういいや」
そう思って帰ってしまった人もいるかもしれない。
お客様の言葉に“ハッ!”となれるか。
そこが、とても大切なのだと思います。
伝えているつもり。
分かってもらえているつもり。
でも実際には、
伝わっていないことは想像以上に多い。
そしてお客様は、
そのことを“声にして知らせてくれている”。
実際、自分自身のことを考えてみても、
お店で分からないことがあったとき、
気になることがあったとき、
そのすべてをお店の人に伝えているかと言われれば、
ほとんどの人は「言わない」のではないでしょうか。
聞かずに帰る。
なんとなく諦める。
そんな経験、誰にでもあると思います。
だからこそ、
わざわざ伝えてくださった1人の声を、
もっと大切に見る必要がある。
「1人の声は100人の声」
それは、
“その後ろにいる、まだ声になっていない人たちの存在を想像する”
ということなのだと思います。
人を起点に考えるとは、
こういうことなのかもしれません。
現場では、こうしたテーマについてお話しする機会も増えてきました。
このnoteで書いていることは、企業の現場でのコンサルティングや研修の中でもお伝えしている内容です。
人起点マーケティング、1/1の接客、人財育成、組織づくりなど、現場に合わせたサポートをしています。
「こんなこと相談してもいいのかな?」ということでも大丈夫です。
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