登山で花粉症は悪化する?春山を快適に歩くための事前準備・当日・下山後ケア
春の登山を計画するたびに、心のどこかでブレーキがかかる。
理由は「花粉」です。
冬の澄んだ空気のなかで登山の魅力に目覚め、
家から多摩の丘陵
高尾山、陣馬山、大岳山の稜線を眺める時間が何より好きになりました。
ところが春になり、南風が吹いた日に標高500mを超える山が黄砂と花粉で霞んで見えなっているのです。
そんな光景を目にして、不安が一気に膨らみました。
ひとみちは重度の花粉症持ち。
抗アレルギー薬を飲んでいてもくしゃみが止まらない体質です。
「杉林を1日歩いたら、どうなってしまうのか?」
同じように悩むハイカーさんも多いのではないでしょうか。
この記事では、どうしても春の山を諦めきれないひとみちが山に行くために調べ尽くした情報を整理します。
登山は花粉症を悪化させるのか
花粉が少ない山や時間帯はあるのか
登山前・登山中・下山後にできる具体的な花粉対策
花粉症だからといって、春山を諦める必要はあるのか。
答えを一緒に探していきましょう。
最後に春の登山で一番効果があったアイテムを紹介していますので、ご覧ください。
登山は花粉症を悪化させるのか?山と花粉の基礎知識
■ 標高が上がれば花粉は減る?
「山に行けば空気がきれい」というイメージがあります。
しかし、現実はそう単純ではありません。
スギやヒノキの人工林は
標高300m〜800m帯に広く分布しています。
関東近郊の低山では、むしろ市街地より花粉濃度が高くなることも。特に南風が強い日は、平地で飛散した花粉が山へ運ばれることに。
冬にくっきり見えていた山並みが霞む。
これは花粉や黄砂が視界を遮っている証拠でもあるのです。
■ 都心からアクセス抜群の多摩エリアの状況
東京都心からアクセスのしやすさで人気の多摩エリア。
状況を調べてみました。
・奥多摩町:町の約94%が山林・うち49%が人工林
・檜原村:町の約93%が山林・うち約66%が人工林
東京都の最奥の地は、杉や檜の人工林が占める割合が多く花粉の影響が大きいエリアです。
奥多摩も武蔵五日市方面は、
定期的な間伐や枝打ちで花粉を飛散する雄花量の抑制に取り組んでいます。
また、杉や檜などの針葉樹だけに頼らない広葉樹化を検討。
花粉飛散の影響の大きい針葉樹の割合を減らそうと対策を行っているそうです。
新宿から電車で1時間40分ほどの利便性から、多くのハイカーで賑わうエリア。しかし、花粉の多く飛散する地域でもあるため、お出かけの際は対策が必要です。
■ 運動は花粉症を悪化させる?
花粉アレルギーの人が気になるのは
「山に行ったら花粉症は悪化するのか」という疑問です。
登山はただのんびり歩く散歩ではなく、スポーツ。
呼吸数が増えるので、鼻や口から吸い込む空気量が増加し、
結果として体内に入る花粉量も増える可能性があります。
さらに、以下が刺激となり、鼻水やくしゃみが強くなるケースもあるので注意が必要です。
発汗による体温上昇
粘膜の血流増加
乾燥した風
ただし、すべての人が悪化するわけではなく、
症状の強さは「飛散量」「個人の感受性」「対策の有無」に左右されます。
先日、抗アレルギー薬の処方に病院を受診したひとみち。
医師からは「なるべく花粉を吸い込まないように対策して行ってください」とアドバイスを受けました。
大量に花粉を吸い込むと症状が悪化する可能性が高いとのこと。
やはり登山には十分な対策が必要のようです。
登山前にできる花粉対策|準備で8割決まる
花粉症ハイカーにとって、準備は最重要フェーズ。
■ ① 花粉が少ない山を選ぶ
花粉を吸い込まないためには、花粉を飛散する杉や檜の少ない山を選ぶのはどうだろう。
比較的、花粉が少ないとされる山の条件があります。
森林限界を超える標高1000m以上の山域
スギ人工林が少ない離島エリア
海風の吹く沿岸の山
完全にゼロにはなりませんが、杉林が密集する終始低山を歩くよりリスクは下がることが期待できます。
関東近郊では、群馬県で標高の高い草津エリアが避粉地として有名です。
標高1500mを超える山々が連なっています。
2026年の花粉飛散量は西日本で例年並み。
東日本〜北日本では例年より多いとのことなので、避粉地とはいえ対策はしていった方が良いかもしれません。
■ ② 天候と時間帯を読む
花粉の飛散が多くなる天候があります。
晴天で気温が高い日
風が強く空気が乾燥する日
雨の翌日
逆に、比較的飛散量が少ない天候もあります。
雨の日
早朝
無風に近い日
花粉は、昼と日没後に飛散量が増える傾向にあります。
登山計画時には、早朝の出発が肝です。
また念のため気象庁の花粉情報や民間の飛散予測サイトを確認してから出かけましょう。
参照:ウェザーニュース、日本気象協会
■ ③ 服装とギアの選択
登山での花粉対策の基本は「付着させない」ことです。
表面がつるつるしたウェア
帽子で髪への付着を防ぐ
花粉対策用マスク(高機能フィルタータイプ)
花粉防止メガネ
春登山の必須ギアとして紹介されることも増えています。
最も花粉が付着しやすい素材はウールで、凹凸の多いフリースも要注意です。
アウターにはツルツルとしたナイロン、ポリエステル素材を選ぶと良さそうです。
登山中の花粉対策|鼻水が止まらない人へ
山で鼻水が止まらない原因は、次の3つの要素が重なっている可能性があるそうです。
花粉刺激
冷気刺激
運動性鼻炎
ただでさえ登頂までの急登で標高が上がり気温が下がると鼻水が出やすいのは、ハイカーあるあるではないでしょうか。
ここに花粉の影響が加わるため、春の登山は対策必須です。
■ ① 極力サングラスやマスクは外さない
登山中は呼吸が苦しくなるためマスクを外したくなりますが、花粉の飛散ピーク時は着用を継続した方が良さそうです。
また、直接目の中に花粉が入るのを防ぐため、側面もガードできるスポーツ用サングラスもいいでしょう。
最近のマスクは、スポーツ向けの通気性とフィルター性能を両立したモデルも増えています。
■ ② 鼻うがい用スプレーを携帯
携帯用の生理食塩水スプレーを活用する方法もあります。
山頂休憩時などに鼻腔内の花粉を洗い流すだけで、症状が軽減する可能性があります。
ひとみちは鼻うがいで溺れかけた経験があるので使用しませんが、物理的に鼻腔内の花粉を追い出すにはぴったりです。
私のように鼻うがいが苦手な人は、鼻をかむティッシュとゴミ袋持参で挑みましょう。
参照:小林製薬
■ ③ 薬の服用タイミング
花粉症薬の抗ヒスタミン薬は「症状が出てから」よりも「出る前」に服用するほうが効果的なのは有名な話。
本格的に花粉が飛びはじめる前に服用を開始することが大切。
もちろん登山前夜や当日朝、医師の指示通り服用することが基本です。
目の痒みや鼻水がひどい人は、点眼薬や点鼻薬を持参するといいでしょう。
眠気が出るタイプは登山には不向きです。
処方薬の選択は主治医に相談してください。
下山後のケアで悪化を防ぐ
登山後に症状が一気に悪化する人もいるようです。
理由は衣類や髪に付着した花粉を家の中に持ち込んで、吸い込んでしまうためです。
帰宅後は、次の流れで悪化を防ぎましょう。
玄関前で衣類をはたく
すぐにシャワーを浴びる
鼻うがいをする
部屋の換気は短時間にする
洗濯は他の衣類と分けると安心感がありますね。
特にアウターのフード内やザック、帽子、登山靴など外気に触れている箇所に花粉が溜まるため、家に入る前にはらっておくといいでしょう。
花粉症でも春山に行く価値はあるのか
樹種が変われば飛散量も変わるため、山の環境が必ずしも悪というわけではありません。
春の山には、次のような季節限定の魅力があります。
新緑
山桜
雪解けの沢音
これらの景色は春にしか見ることができません。
花粉対策を徹底して、少しでも症状をコントロールしながら登山を楽しむことは可能です。
試して効果のあった花粉対策
ひとみちが愛用しているアイテムは、スポーツ用のフェイスカバーです。
主にUVカットを目的に使用するアイテムですが、多少花粉ガードもできるとあったので使ってみたところ大正解!
4月上旬、檜花粉が非常に多いとされる日に着用してみました。
特に良かった点は次の通り。
長時間装着でも耳が痛くならない
登りでも息がしやすい
接触冷感による涼しさ
顔の汗を吸収・速乾
首の日焼けもガードできる
商品が届いたとき、鼻と口元にかけてあいている通気口が大きくて
「これで花粉がガードできるだろうか…」と不安になりました。

試してみなけりゃわからないと、青梅の三室山で装着。
まず、ひんやりして気持ちいい!
ツルツルとした素材のため、肌に触れていても嫌な感じはありません。
いつもなら、登りで一気に汗をかいているのに
汗を拭くこともないと思ったら、耳にかけている箇所が汗を吸水してくれていました。

美容の仕事もしているので、日焼けは厳禁。
これなら安心して山に行ける!
男性にもおすすめです。
まとめ|登山と花粉は両立できる
登山で花粉症が悪化する可能性はあります。
しかし、複数の対策を組み合わせれば、リスクは下がることが期待できます。
山選び
天候判断
事前の薬
登山中のマスクとケア
下山後の徹底洗浄
花粉症だから春山を諦める。
その選択も尊重されるべきですが、対策を重ねて挑戦する道もあります。
冬の澄んだ景色に感動した気持ちを、春もつなげたい。
春の山へ踏み出すかどうかは、自分の体と相談しながら決めていきましょう。
記事を書いた翌日、奥多摩の名所「高水三山」へ登りに行きました。
強風、晴天のコンディションでの花粉対策がどうなったのかレビューしていますので、ご覧ください。
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