暴落時に備えるべき信用取引のリスク管理
トランプ政権の関税政策でアップダウンの激しい相場が続いていますね。
わずかな期間に暴落も暴騰も乗り越えて密度の濃い経験ができたのではないかと思っていますが、一方で退場や追証などリスク許容度を超えてしまった事例も少なからず耳にするようになりました。
自己責任と切り捨てられてしまえばそれまでですが、信用取引のリスク管理には暴落時にはリスクが拡大しやすい構造的側面があるように思ったので思考をまとめておきます。
1つ目はリバランスの問題ですね。
レバレッジ型の商品は内部で先物取引を組み合わせて指定のレバレッジになるように日々リバランスされていて、それが逓減の原因になったりもするのですがその代わりに相場がどこまで下がっても資産はゼロにはなりません。
一方で信用取引は相場の上下によってレバレッジが変動し、それが限界を超えると追証や強制決済が発生してしまいます。
詳しくは以前まとめた『信用取引とレバレッジETFの違い』についてをご覧ください。
結論をまとめると、信用取引では相場が下がるほどレバレッジが上昇する特性があり、相場の急落時にはそれが際限なく上昇して致命的な結果に繋がり得るということです。
2つ目はリスク回避度(リスクアペタイト)の変動による影響です。
自分はyoutubeで投資系の解説動画をよく見るんですが、以前現代ポートフォリオ理論の解説で紹介したトーヤの長期投資・歴史解説チャンネルで、制作主のトーヤさんが不況時に株式のリスクが高まるメカニズムを状態選好理論を元にわかりやすく解説してくれています。
↓よろしければぜひ参考にご覧ください。
内容を簡単に要約すると、経済が好況期と不況期ではリスクに対する感応性が変化し、不況期にはよりリスクが高くなりやすいということです。
これは平常時には見落としがちな重要な知見だと思います。その一例として、先日の暴落を分析してみますね。
先日の暴落は近年なかなか見ないレベルの下落幅でしたが、ChatGPTでその発生確率を試算してみました。
NASDAQは2/19の最高値から4/7の暴落の底まで、33営業日で22,222ドルから16,542ドルまで25.6%下落しています。
仮にNASDAQの過去20年間の年平均リターンを13.5%、リスクを18.4%で計算すると、その発生確率は計算上は0.002%、およそ5万回に1回との結果になりました。
このごくわずかな確率の事象が今回たまたま起こっただけなのかというと、それを鵜呑みにするのはなかなか危険ではないかと思います。
歴史に残る大暴落は、通常の相場から推定される発生頻度よりもはるかに頻繁に起こっていることが知られています。いわゆるファット・テールと呼ばれるものですね。
世界が恐怖に怯えている時には、より手厚いリスク管理が求められます。そこまで含めてのリスク管理を普段から心掛けたいものですね。
そういったところも加味して、自分は信用取引のレバレッジは最大でも1.5倍程度までに抑えておいた方がいいのではないかと思っています。
いかがでしたでしょうか?信用取引をはじめとするレバレッジ商品はうまく扱えればメリットも大きいものですが、どれだけ良いツールも使い方を誤ればその反動は自身に向けて降りかかってきます。
いざという時の対応も含めてリスク管理を徹底し、油断なく相場に臨んでいきたいものですね。
