海外eSIMのギガ、動画やゲームで使い切る?ホテルWi-Fi+「自宅VPN」という使い分け
海外出張や旅行で、まず用意するものの一つが海外eSIM。
現地に着いた瞬間から通信できて、地図、メール、チャット、Web検索などに使えるので、とても便利です。
でも、ホテルに戻ってからも全部eSIMで通信する必要があるでしょうか。
動画を見始めたり、ゲームを起動したらアップデートが始まったりすると、
「これもeSIMのギガで通信する?」
と少し気になります。
ホテルにはWi-Fiがある。
だったら、
外ではeSIM。ホテルではWi-Fi+自宅VPN。
そんな使い分けもできます。
eSIMは「外」、大容量通信は「ホテル」と分ける
海外でスマホやPCを使っていると、意外と大きな通信が発生します。
動画のストリーミング
ゲーム本体や大型アップデート
写真・動画のクラウド同期
OSやアプリのアップデート
大容量ファイルのダウンロード
地図やメールを見る程度なら気にならなくても、動画やゲームでは数GB単位の通信になることもあります。
もちろん、海外eSIMにも大容量・無制限をうたうプランがあります。
一方で、滞在日数や利用量によっては、より容量の大きなプランを選ぶほど料金も気になってきます。
そこで、ホテルに戻ったらWi-Fiへ切り替える。
移動中の通信はeSIM、データ量の大きな通信はホテルWi-Fi。
これだけでも、海外で必要になるモバイルデータ量を抑えやすくなります。
「でもホテルWi-Fiをそのまま使うのはちょっと……」
ここで気になるのが、ホテルWi-Fiです。
ホテルWi-FiのセキュリティやWeb認証(Captive Portal)、VPNとの組み合わせについては、別の記事で詳しくまとめています。
「部屋にWi-Fiパスワードが書いてあるから安心」は本当?出張先のホテルでVPNが必要な理由と、接続トラブルをなくす方法
今回はそこを繰り返しません。
ポイントは、
ホテルWi-Fiを大容量通信の回線として利用し、その上にVPNを張る
という使い方ができることです。
そして、ここでもう一つ選択肢があります。
VPNの出口を「日本の自宅」にする
一般的なVPNなら、
ホテルWi-Fi → VPNサーバー → Internet
という経路になります。
一方、自宅VPNなら、
ホテルWi-Fi → VPN → 日本の自宅 → Internet
という経路にできます。
つまりホテルWi-Fiは通信回線として利用しながら、その先の通信を日本の自宅まで戻す。
最終的にインターネットへ出る場所を、普段使っている日本の自宅回線にできるわけです。
これなら、eSIMのデータ容量を大きく消費せずに動画やゲームなどの大容量通信をしながら、日本の自宅回線をインターネットの出口として利用できます。
動画なら、もう一つメリットがある
海外へ行くと、動画配信サービスの利用環境も変わることがあります。
普段日本で契約しているサービスでも、海外では利用できるコンテンツが変わったり、サービスそのものが利用できなかったりする場合があります。
だからといって、短期の海外出張や旅行のためだけに、現地向けの動画サービスを新しく契約するのも考えものです。
また、為替によっては海外サービスの月額料金が、円換算すると割高に感じられることもあります。
すでに日本で動画配信サービスを契約しているなら、
海外へ行くたびに通信環境もサブスクも全部「海外用」に買い直す必要があるのか?
と考えてみる余地があります。
自宅VPNなら、海外からの通信を日本へ戻し、普段使っている自宅ISPの回線からInternetへ出すことができます。
一般的な「日本のVPNサーバー」を利用するのとは、ここが違います。
ただし、自宅回線を経由すれば日本で契約している動画配信サービスが必ず利用できる、という意味ではありません。
サービスによって利用可能地域、配信コンテンツ、VPN利用などに関する条件は異なります。各サービスの利用規約に従って利用する必要があります。
ゲームも「ギガを使う通信」の一つ
ゲームも同じです。
実際のプレイ通信そのものはそれほど大容量でなくても、ゲーム本体のダウンロードやアップデートでは大きな通信が発生することがあります。
ホテルへ戻ってゲームを起動した瞬間、
「アップデート 1GB」
となったら、eSIMでそのままダウンロードするかは迷うところです。
ホテルWi-Fiへ切り替えれば、こうした大容量通信をモバイルデータから逃がせます。
さらに自宅VPNを組み合わせれば、通信の出口を日本の自宅回線にできます。
海外から日本のゲームを利用する場合には、「日本のVPNサーバー」と「日本の自宅回線」の違いもあります。
この点については別の記事で詳しくまとめています。
海外から日本のゲームにつながらない。「日本のVPN」でも解決しないときの“自宅回線経由”という方法
※ゲームの海外利用やVPN利用の可否はサービスごとに異なります。また、自宅経由では通信経路が長くなるため、遅延に敏感なFPSや対戦格闘ゲームなどには適さない場合があります。
外ではeSIM。ホテルではWi-Fi+自宅VPN
こう考えると、eSIMと自宅VPNは競合するものではありません。
むしろ役割が違います。
外出中
eSIM
→ 地図
→ メール・チャット
→ Web検索
→ 移動中の通信
ホテル
ホテルWi-Fi+自宅VPN
→ 動画
→ ゲーム・大型アップデート
→ クラウド同期
→ 大容量ダウンロード
→ 日本の自宅回線からInternetへ
海外だからといって、すべての通信をeSIMだけに頼る必要はありません。
必要なところだけモバイル通信を使い、大容量通信はホテルWi-Fiへ。
そしてホテルWi-Fiを使うときは、必要に応じてVPNで日本の自宅へ戻す。
この使い分けなら、eSIMのデータ容量を抑えながら、自宅回線も海外から活用できます。
「自宅VPN」を用意するには?
ここまで読んで、
「じゃあ、日本の自宅回線を海外から使えるようにするにはどうすればいい?」
と思った方へ。
一般的な自宅VPNでは、ポート開放やDDNS、ルーターやVPNサーバーの設定などが必要になることがあります。
さらにIPv4 over IPv6やCGNATなど、自宅側で自由にポート開放できない回線もあります。
HomeGrid VPNでは、こうした環境でもポート開放を前提とせず、日本の自宅回線を海外から使うための環境を用意できます。
実際に出発前に何を準備すればいいのかは、こちらの記事にまとめました。
[海外出張前にやっておきたい。日本の「自宅回線」を約10分で持ち歩く準備]
海外で通信するために、大容量のeSIMプランへ全部詰め込む。
海外で動画を見るために、新しいサブスクを増やす。
それだけが選択肢ではありません。
外ではeSIM。ホテルではWi-Fi+自宅VPN。
動画やゲームなどデータ量の大きな通信はホテルWi-Fiを活用し、その先を普段使っている日本の自宅回線へ戻す。
海外での通信費やデータ容量が気になるなら、こんな使い分けも選択肢になります。
