NISAの銘柄選び|4指数を整理してみた
読了時間:約3分|対象:NISAで何を買うか迷っている人・数字で比べたい人
はじめに
「NISAを始めよう」と思ってアプリを開いたはいいけど、銘柄の多さに圧倒されて閉じた。
そういう経験、ありませんか。
情報は溢れているんですが、諸説あってまとまりません。「オルカンが最強」「いやFANG+だ」「半導体はSOXでしょ」という感じです。
なので、4つの指数を並べて比べてみることにしました。
この記事では、私がどんな軸で比較したかを書きます。
自分の基準を持つためのヒントとして読んでもらえたらと思います。
NISAを1分でおさらい
金融庁公式サイトによると、NISAとは投資の利益が非課税になる国の制度です。
普通に株を買うと利益の約20%が税金でとられます。NISA口座ならそれが0円になります。
NISAには2種類の枠があります(2026年6月時点)。
$$
\def\arraystretch{1.5}\begin{array}{|l|l|l|}\hline\text{枠}&\text{年間上限}&\text{特徴}\cr\hline\text{つみたて投資枠}&\text{120万円}&\text{金融庁が定める基準(低手数料・長期・分散)を満たす投資信託のみ対象}\cr\hline\text{成長投資枠}&\text{240万円}&\text{株・ETFなど幅広い商品に投資できる}\cr\hline\textbf{合計}&\textbf{360万円}&\text{両枠を同時に使える(生涯上限1,800万円)}\cr\hline\end{array}
$$
「何を買うか」が本当の問題です。この記事はそこを整理します。
そもそも4指数って何が違うの?
まず、4つの指数を簡単に紹介します。
オルカン(全世界株式インデックス)
MSCI公式サイトによると、正式名称は「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」です。
「世界中の株を、少しずつ全部買う」指数です。一言でいうと、こんなイメージです。
「世界中のお店を、全部ちょっとずつ応援してるイメージ。
アメリカのお店も、日本のお店も、インドのお店も全部ね。
一つのお店が潰れても、他のお店が頑張ってくれる」
約2,800〜3,000社以上(※構成銘柄数は時期によって変動)が対象です。
分散の広さで言えば、この4つの中で最大ですね。
S&P500
S&P公式サイトによると、正式名称は「S&P 500 Index(スタンダード・アンド・プアーズ500)」です。
「アメリカの大企業500社を買う」指数。
オルカンとの違いは、投資先がアメリカに絞られること。
つまりアメリカ経済への集中投資になります。
アップル・マイクロソフト・アマゾン・エヌビディアなど、世界規模で稼いでいる企業が並んでいます。
オルカンのアメリカ比率は60〜65%程度です(※要確認・時期により変動)。そのためS&P500との相関は高くなります。
FANG+
NYSE公式サイトによると、正式名称は「NYSE FANG+ Index(ニューヨーク証券取引所 ファングプラスインデックス)」です。
テック系の有名企業10社に絞って投資する指数。FANG+という名前は、Facebook(Meta)・Amazon・Netflix・Googleの頭文字から来ています。
現在はこの4社に加えて、アップル・マイクロソフト・エヌビディアなども含まれます。合計10社(※構成は定期的に見直し)で構成されています。
10社しかないので、S&P500やオルカンよりはるかに集中しています。
1社の業績が大きく株価に影響するリスクがある分、上昇時の伸びも大きい構造です。
SOX(フィラデルフィア半導体株指数)
Nasdaq公式サイトによると、正式名称は「PHLX Semiconductor Sector Index(SOX)」です。
半導体に関わる企業に絞って投資する指数です。半導体とは、スマホ・パソコン・AI・車など、あらゆるデジタル機器に入っている電子部品。
エヌビディア・TSMC・インテルなど30社程度(※構成は変動)が含まれます。
AI・データセンター需要の拡大とともに注目されています。
ただし半導体産業は景気サイクルや地政学リスク(特に米中関係)の影響を受けやすいセクターです。
4指数を一言でまとめると

$$
\def\arraystretch{1.5}
\begin{array}{|l|l|l|}
\hline
\text{指数} & \text{対象} & \text{分散の広さ} \cr \hline
\text{オルカン} & \text{世界中の株 約3,000社} & \text{最も広い} \cr \hline
\text{S and P 500} & \text{アメリカ大企業 500社} & \text{広い(米国集中)} \cr \hline
\text{FANG+} & \text{テック有名企業 10社} & \text{狭い(集中)} \cr \hline
\text{SOX} & \text{半導体企業 約30社} & \text{最も狭い(セクター集中)} \cr \hline
\end{array}
$$
左に行くほど広く分散、右に行くほど集中投資という軸で見ると整理しやすいです。
4指数を眺めてみた最初の印象として、こんなことを感じました。
オルカンは「広く薄く」の構造で、一つの国や企業が崩れても他がカバーしてくれる感じがします。
S&P500はアメリカへの集中が見えてきて、成長への期待と集中リスクがセットだと分かります。
FANG+はテック10社への割り切りが潔い。
ただしテックの波をそのまま受ける形です。
SOXは半導体というさらに絞り込んだテーマで、4つの中では最もピンポイントな選択です。
「どれが正しいか」より「どれが自分に合うか」という問いになる。それが比較のスタート地点でした。
リスクとリターンを整理すると
投資の世界では「リターンが高ければいい」とはなりません。
「リスクを取った分だけリターンがあるか」が本質的な問いだと思ってます。
次の3つの指標で見ていきます。
リターン(年率平均リターン)
単純に「何%増えたか」の平均です。
ただし、過去のリターンは将来を保証しません。過去データはあくまで参考値です。
集中度が高い指数(FANG+・SOX)は好調期のリターンが大きい。
低調期の下落も大きい傾向があります(※一般的な傾向として。実際のデータは要確認)。
ボラティリティ(価格の振れ幅)
価格がどれだけ上下に動くか、その揺れの大きさです。
ボラティリティが大きい=ある日に10%上がったり、別の日に10%下がったりしやすいということ。
分散が広いほどボラティリティは下がる傾向があります。
最大下落率(ドローダウン)
「最も高かった時点から、最も安くなった時点まで、何%下がったか」です。
2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック、2022年の金利上昇局面など、過去には大きな下落がありました。
「自分がこれだけ含み損になっても売らずに持ち続けられるか」を事前に考えておくための指標です。
シャープレシオ(効率性の指標)
特に重要なのが、シャープレシオです。
シャープレシオ → 「リスク1単位あたり、どれだけのリターンを得られたか」を示す指標です。
「リターンが大きければいい」ではなく「同じリスクを取ったときに、どれだけ稼げたか」を測ります。つまり効率を見る指標です。
計算式(難しくないです)
シャープレシオ = (ポートフォリオのリターン − 無リスク金利) ÷ ボラティリティ
無リスク金利というのは「ほぼリスクゼロで得られる利率」のこと。
日本だと国債の利回りがよく使われます。
「リスクを取らなくても得られる分を引いた、純粋なリスク分のリターン」を計算するためです。
かんたんな例え
同じ年収500万円でも、毎日深夜まで残業して稼いだ人と、定時に帰って稼いだ人では「効率」が違います。
シャープレシオは投資版の「時給」に近いイメージです。
同じリターンでも、より少ないリスク(振れ幅)でたどり着いた方がスコアが高くなります。
リターンの大きさだけでなく、「どれだけ消耗して稼いだか」まで見る指標です。
数値の目安
一般的には次のように解釈されます(※一般的な目安。計算条件によって変動します):
$$
\def\arraystretch{1.5}\begin{array}{|l|l|}\hline\text{シャープレシオ}&\text{評価の目安}\cr\hline\text{1.0以上}&\text{良好とされることが多い}\cr\hline\text{2.0以上}&\text{非常に高効率}\cr\hline\text{0以下}&\text{無リスク資産を下回っている}\cr\hline\end{array}
$$
集中型指数(FANG+・SOX)はリターンが高いこともあります。
一方でボラティリティも大きいため、シャープレシオが必ずしも高くなるとは限りません。
「リターンだけ見てFANG+最強」という話が、シャープレシオで見ると違う景色になることがあります。
そういう視点のおもしろさだと思ってます。
リスク許容度で考える選び方
ここが本題です。どの指数が「正解」かは、あなたの状況によって違います。
自分のリスク許容度を考えるための自問ワークをやってみてください。
答えに正解はないので、気軽に考えてみるだけで大丈夫です。
自問ワーク3つ
Q1:含み損が30%になっても売らずに持ち続けられますか?
「100万円が70万円になった画面を見ながら、冷静でいられるか」を想像してください。
「無理」なら、ボラティリティが低い広い分散の指数の方が自分に合っています。
Q2:投資期間は何年ですか?
短期(5年以内)なら、下落したときに回復を待てない可能性があります。期間が短いほど、安定性重視の選択が合ってると感じてます。
長期(20年以上・NISAの積立枠など)なら、短期の振れ幅よりも長期の成長トレンドが重要です。
Q3:この投資以外に生活費の余裕はありますか?
生活費ギリギリの資金を投資に回していると、暴落時に「必要になったから売る」が起きやすい。
精神的な余裕も、リスク許容度に影響します。
各指数に向いているのはどんな人か
投資にできるだけ時間をかけたくない人、特定の地域・セクターに賭けたくない人には、オルカンが向いていると思います。
アメリカ経済の長期成長を信じていて、米国大企業の成長に乗りたいならS&P500。
オルカンより少し集中しても構わない、という人にも合っています。
テクノロジー業界の成長に強い確信がある人には、FANG+が選択肢に入ります。
大きな下落があっても長期で持ち続けられることが前提ですけどね。ボラティリティが高くても精神的に平静でいられるか、先に自問してみてください。
SOXはAI・半導体産業に強いテーマ性を感じていて、セクター固有のリスク(景気サイクル・地政学)を理解している人向けです。
コアはオルカン/S&P500にして、サテライトとして検討するのがしっくりくる気がしてます。
「正解を探す」のをやめたとき、選択がしやすくなった
4指数を並べて整理してみてたどり着いた、一つの考え方です。
「自分がどれを選んでも、長期で積み立てを続けられる選択が正解」
データが示すのは過去の傾向です。将来は誰にもわかりません。
リターンを最大化したいのか、夜ぐっすり眠れることを優先するのか。どちらも正しい判断ですよ。
大事なのは、「なぜこれを選んだか」を自分の言葉で説明できることです。それがあれば、暴落が来ても根拠を持って持ち続けられます。
まとめ
今回書いたこと:
4指数の違いは「分散の広さ」で見ると整理しやすい
リターンだけでなく、リスク効率(シャープレシオ)で見る視点が重要
正解の指数はない。自分のリスク許容度と投資期間で判断する
指標を理解したうえで、自分の言葉で選べることがゴール
用語まとめ
$$
\def\arraystretch{1.5}\begin{array}{|l|l|}\hline\text{用語}&\text{意味}\cr\hline\text{インデックス(指数)}&\text{特定のルールで選ばれた株のまとまり。その平均的な動きを数値化したもの}\cr\hline\text{ボラティリティ}&\text{価格の揺れ幅。大きいほどリスクが高い}\cr\hline\text{ドローダウン}&\text{高値から安値までの最大下落率}\cr\hline\text{シャープレシオ}&\text{リスク1単位あたりのリターン。高いほど効率的}\cr\hline\text{分散投資}&\text{複数の資産に分けて投資すること。1つが下落しても全体へのダメージを減らす}\cr\hline\end{array}
$$
この記事が参考になったら、スキやフォローいただけるととても嬉しいです。
他の記事
honeymelloをフォロー
note: @honeymellonote
参考書籍
※本リンクはAmazonアソシエイトのリンクです。
インデックス投資・NISA関連
個人投資家の実体験(インデックス投資とは異なる手法ですが参考になります)

