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ECMO⑧|予定外の着信


翌、9月8日。


日曜日で休日のため、この日も午前中はゆっくり過ごし、息子との面会は夕方にかけて行くことにしていた。


しかしながら、まもなく11時を迎えようかというところで突然、私の携帯が鳴った...


「病院」からであった。


目を見開き、心臓が止まりかける私。

昨日の朝にも病院からの着信はあったが、それは“手術後の経過報告” のためであり、あくまで予定されていたものだ。

だが、今日は特に予定されてはいない…


(え... なんで病院から電話?)
(何かあったってことなのか...)
(それとも、まさか...)

通話ボタンを押すまでの数秒間、私の頭の中ではあらゆることがよぎった。

息子の入院中、病院からの着信ほど心臓に悪いものはなかったように思う。


そして、意を決して、通話ボタンを押す…

相手は、手術前後に面談をした外科医であった。


「お父さん、おはようございます」

最悪の事態もよぎる中で、予想外に覇気があるというか、比較的トーンの高い声であった。


(緊急事態というわけではなさそうだな...)

と勝手に安堵する私。


「ECMOの離脱ですが、“今日の昼過ぎ” にトライしようと思います」

元々の離脱予定は「月曜日」
それを、“1日前倒し” するということだった。


先述の通り、ECMOは乗っているだけで身体を蝕んでいくものであり、離脱可能な数値に達しているのであれば、極力早い段階で離脱した方が良い。

実際、左足に感染症が出始めたり、心肺の回復以前に合併症や感染症悪化の懸念があった。

そんな中、自発的な心臓の動きや、肺に関する数値がかなり改善されてきており、息子の身体の負担や合併症、そして感染症を考えると、“明日まで待つ方がリスク”ということになったようだ。


一通りの説明を受け、状況を理解した私…

しかしながら、

(まだ、早い気がするんだよな…)

と、実は少し引っかかっていた。


何か明確な理由があるわけではないが、漠然と “息子の肺はまだ回復していない” と、素人ながらに感じていたのである。


だが、私は医療従事者ではないし、医学的な知識もない。

数値的に回復している証明があり、肺だけでなくECMOはその他の危険もあり、息子の身体も少しずつその危険な状況になりつつあるのも事実。


「数値的にはかなり良好ですし、この状況だとおそらく離脱は出来るかと思います」

医療に絶対はないにせよ、外科医も離脱成功に前向きな認識だということはわかった。

そんな言葉もあり、最終的には私も落ち着いた上で、信頼する医療チームが最善を尽くし導き出した “今日離脱” という結論に納得した。


ただ、昼過ぎに行いたいということだったが、同意書の記入も必要なため、私たちの到着を待ってから離脱の準備を進めるということになり、目安の到着時間を伝え、一旦電話は終了した。


そして、横で少し聞いていた妻にも改めて共有し、急いで病院へ向かう準備を始める…



つづく


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