【第2章】 誕生①|警告出血
8月22日。
後に「運命の1日」となるこの日―――。
時刻は6時を過ぎた辺りだろうか…
「…!」
妻の大きな “吸気音” で、私は目を覚ます…
ベッドに妻の姿はなく、先ほどの吸気音はトイレからだった。
それがわかった私はすぐに悟る…
(遂に「警告出血」が来たか…)
私は身体を起こし、ベッドに腰を掛け、妻の戻りを緊張しながら待つ。
そして、妻は戻り、項垂れながら言った。
「やっちまった… 入院確定だ…」
全前置胎盤の懸念である “出血” … そして、その1回目である「警告出血」であった。
この日は元々「2回目の自己貯血」の日。
だが、“警告出血があった時点で、管理入院は確定” と言われていたため、すぐに病院へ電話をしたところ、
「即来るように!」
指示され、急いでタクシーを呼んだ。
「28週以降」はいつ出血してもおかしくない状況であったものの、まさかこのタイミングで来るとは思いもしなかった。
というのも、実はこの日から、私の両親は父の実家のある “北海道” に向かうことになっており、1週間ほど帰らない予定だったのだ。
(私の祖母が、春先に重篤な状態から奇跡的に回復し、長い入院生活を経て、この翌日退院予定だった)
また、この日は “平日の木曜日” 。
皆それぞれに仕事があり、急には来られないことはわかっていたが、念のため、両家の家族にも連絡をした。
そんな中、移動中に1つ思い出したことがある…
それは「マタニティフォト」が明日「8月23日」だということ。
本来は、8月9日に予定していたものの、先述の通り、“私がコロナに感染” していたため 、8月23日にリスケしていた。
警告出血が出てしまった今、管理入院は確定しているため、今回の妊娠でのマタニティフォトはあきらめざるを得なくなってしまったのだ。
「いやぁ… マジでごめん…」
改めて、妻に謝る私…
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいであった。
しかしながら妻は、
「まぁ起こったことはしょうがない!」
「これはもうこの子が大きくなった時の話のネタにしよう!(笑)」
とポジティブに捉えてくれた。
そんな中、病院に到着。
時刻はまもなく、7時になろうかというところであった。
すぐに処置室にて検査を開始し、私は前回 “緊急外来” の時と同じ待合室で待つことに。
その間、両家の家族とも連絡を取り、皆で心配しながら結果を待つこと1時間…
検査が終わり、処置室へ呼ばれた。
この時間、まだ主治医は出勤しておらず、産科の別の医師が診察及び処置をしてくれたようで、結論から言うと、
胎児に問題はなく緊急性もないが、予定通り「MFICU」に管理入院
予定日まで経過を見ていくが、状況次第で前倒しで出産する可能性はあり
とのことであり、予定通り入院はするが、 “今日どうこうするという可能性は低い” という見解だった。
前倒しの入院になることは、あまり嬉しいことではないが、ハイリスク妊婦である以上、母子共に万全を期すためならやむを得ない。
念のため、主治医が出勤してから再度検査を行うとのことだったが、現時点での緊急性はないとのことで、入院手続きを済ませてから、帰宅するよう案内された。
ただ、MFICU入院に際し、いくつか足りないものもあったため、それらを揃え、また夕方の面会時間に戻ると妻に伝え、私は病院を後にした。
そして、9時30分頃に自宅に到着。
すぐに洗濯機を回し、荷造りを始めつつ、改めて両家の家族にも報告をした。
またその間に、予約していた「マタニティフォト」の運営会社へも連絡。
前日キャンセルにも関わらず、快く受け入れてくれた。
また、それだけでなく “出産へのエール” も送ってくれ、本当にありがたかった。
しかし、のんびりと準備を進めている中、突然LINEが鳴り、充電ステーションに置かれたスマホに目をやると、妻のアイコンが映し出されていた…
そして、スマホを手に取り、画面を覗き込むとそこには、
「速報」
の2文字が書かれていた…
いいなと思ったら応援しよう!
拝読いただきありがとうございます!
いただいたチップは、発信の活動費にさせていただきます🙇♂️