見出し画像

ECMO⑫|つながっている


気持ちの整理がつかないまま、外科医の話は続く…


基本的には今後も、ECMOで心肺の回復を図りつつ、改めて離脱日を決めていく流れなのは変わらないという。

だが、息子にとっては “2度目の装着” 。
今まで以上に、長期装着によるリスクは高くなる。


また、装着期間にも限度があり、息子の身体の状態からして、最長で “今週末まで” だという。

そして、それまでの間に “肺の回復” と、あとは新生児であるため根本的な “身体の成長” を期待していくという流れであった。


そうして、説明は終了。

また、この後に息子との面会が出来るようにしてくれるとのことで、準備が整い次第連絡を貰うことになった。


説明室を後にし、そのまま私の母が待つカフェへ戻っていく私たち…

ICUは2階にあり、カフェは同じ棟の1階。
夫婦で言葉も交わすこともなく、悶々としながらエスカレーターを下る…

ただ立っていれば良いだけの数十秒が、異様に長く感じた。


そして、私の母の元へ着き、改めて状況を報告する…


「厳しい状況」

という言葉が、私たちを闇に包む。
離脱に対して比較的楽観していた分、奈落の底に突き落とされた感覚であった。

さらに、“原因がわからない” ということがさらに私たちを苦しめる。

もはや、“目には見えない何か” によって、そうさせられてるのではないかとさえ思ってしまった。


私の母を前に、私も妻も気丈に振舞うが、やはりどこか “心ここにあらず” だったのは間違いない。

この時もきっと、3人で沢山言葉を交わしていたはずだが、今振り返っても何を話したのか全く記憶にない。

それだけ、ショックが大きかったのだ。


そんな中、そこから30分ほど経過した頃、面会の準備が整ったと連絡が…

面会は2人までのため、私の母には申し訳ないと思いながらも、荷物を預け再び夫婦でICUへ向かった。


そして、いざ息子の元へ。

昨日までの見た目とほとんど変化はなかったが、身体やタオルには血が付着していた。

本当に、息子も “命懸け” で離脱に臨んでいたのがわかる…


「凰理、お父さんとお母さんんだよ~」
「離脱トライよく頑張ったね!」

と改めて闘った息子に声をかける私たち。


その後も、

「お母さんたちの『記念日』だから張り切っちゃったのかな?」
「ゆっくり深呼吸して落ち着いてね」

と妻が微笑みながら声をかけ、


「凰理のペースで大丈夫だからね」
「お父さんもお母さんもずっとついてるからね」

と私も頭を撫でながら声をかけていく…


正直、私たちのショックは尋常ではなかった。

しかしながら、息子の前では親になるのか、どんな姿であっても笑みがこぼれ、息子と触れ合うことで、やはり私たちがエネルギーを貰うのだ。


「厳しい状況」であるのは変わらない。


だが、家族として、心から、魂から “つながっている” と改めて感じ、

「息子なら、乗り越えられる」

と信じる心が戻っていく。


そして最後に、再び外科医も様子を見に来て、

「この後の検査や各数値の推移を見て、明朝に医療チームで協議しますので、その結果をまた明日の面会時にご報告します」

と告げられ、15分の面会も終わりを迎えた。



つづく



いいなと思ったら応援しよう!

Kosei|鳳凰Daddy 拝読いただきありがとうございます! いただいたチップは、発信の活動費にさせていただきます🙇‍♂️

この記事が参加している募集