ECMO⑤|ハイブリッド型
ICUでの初日の面会を終え、自宅へ戻る車内。
改めて息子の生命力の強さを垣間見た私たちは、比較的ポジティブな精神状態だった。
そんな中、妻が、
「そうえば、血液型『B型』って書いてあったよ(笑)」
と私に告げる。
どうやら、息子に繋がれている “輸血パック” に、血液型が書いてあったそうで、「B」とはっきり印字されていたとのことだった。
「え、マジ!?」
と、興奮気味に返答をする私。
なぜなら、私自身が「B型」だからである(笑)
妻は「O型」なので、息子は「B」か「O」の2択。
正直どちらでも構わないのだが、やはり親として “自分の要素を受け継いでいる” ということが嬉しく感じてしまう。
「いや~、超嬉しい(笑)」
と、運転しながらニヤニヤが止まらない。
さらに言えば、私の親兄弟は、皆「A型」と「AB型」で、「B型」は私しかいなかったということもあり、新たな仲間が増えたような感覚だった。
私たち夫婦の世代的に、“血液型よりも育った環境で性格は決まる” と思っているものの、こういった些細なことでも楽しめるのも、息子の存在、そして新しい命の誕生があってこそ。
(性格は俺に似ないで、素直で強いお母さんに似てくれ…笑)
と内心思いながら、息子の将来を夫婦で楽しく想像していたが、血液型自体、“生後まもなくは正確に判断出来ない” とも言われるため、明日改めて医療チームに聞くことにした。
そんな中、無事家に到着し、すぐに家族にも息子の状況を報告。
義母からは
「安心しました。とても嬉しいです♪ 感謝👏」
と返信をくれたが、やり取りの最後には、
「良い女を何度も泣かしやがって… 何度も涙したよ」
「って、凰理に言っておいて😝」
と、何とも義母らしいエールが来た。(笑)
常々義母は、
「私は、おばあちゃんじゃなくて『友達』!」
と言っていたが、如何にも義母らしい孫との関わり方である。
その斬新な発想をする妻の家系と、そこそこ個性の強い私の家系との “ハイブリッド型” で育っていく息子が、どんな価値観を持った大人になるのか本当に楽しみだった。
そして、一夜明けて9月7日。
この日は土曜日ということもあり、午前中は夫婦でゆっくり過ごしていたが、
「今日は何時に面会に行くの?」
と、私の母から連絡が入った。
どうやら、私の両親も終日休みだったようで、病院への送迎をすると言い、さらに夕食にも誘ってくれたのだ。
ここ数日のバタバタで、疲労も結構溜まっていたので、私たち的にも本当にありがたく、
「喜んで!!!」
と即刻返事をし、夕方から一緒に病院へ向かうことに。
今回のお誘いもそうだが、妊娠期間の激動の日々からずっと、私たちがあらゆるイレギュラーに向き合うことが出来ていたのも、こうした家族のサポートがあったからに他ならない。
物理的・精神的問わず、本当に全ての面において助かっていた。
最終的に息子は旅立ってしまったが、家族のおかげで、私たちは悔いなく全てを息子に捧げることが出来た。
そして、僅かな時間と言えど、この愛に溢れた家族の元で人生を歩んだことは、息子の魂にとっても「家族の愛」や「優しさ」を感じることが出来、大いに意味のあることだったのではないかと私は思っている。
いいなと思ったら応援しよう!
拝読いただきありがとうございます!
いただいたチップは、発信の活動費にさせていただきます🙇♂️