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妊娠⑫|手術の目安


7月22日。

この日は2回目の “医療チームとの面談” であった。


すでに「31週」を迎えており、妻の身体の負担も段々と大きくなってきたものの、母子共に特に異常もなく、相変わらず息子は元気いっぱいだった。


2回目の今回は、新生児科の別の医師が担当。
(この医師は後述する「染色体異常」の検査でも担当することとなる)


診察が始まり、早速エコーで確認していくが、やはり懸念は “胎児が小さいこと” であった。

「完全大血管転位症」の手術は、“開胸して大動脈と肺動脈をスイッチする大手術” であるため、身体への負担は相当なものとなる。

だが、それを施す相手は “新生児”
耐性の面から考えても、やはり身体の大きさ(体重)は、あるに越したことはない。


この日(31週時点)の推定体重は「1,314g」

平均は「約1,600g」であり、発育曲線内に入るか否か、本当に際どいラインである。


しかしながら今回、それ以上に懸念されたのが、“体重が減退している” ということだった。

実は、前週は「1,338g」であり、誤差はあれど完全に鈍化しているのは間違いなかった。


正直、この鈍化には私たちもショックを受けた。

先述の通り、妻は全前置胎盤につき、28週を超えている今、“いつ出血してもおかしくない状況”

少しでも増えていてほしい中、まさか減っているとは思いもしなかった。


そんな中、改めて医師からは、手術の最低ラインとして、

「34週 2,000g」

という目安を提示された。


体重は、これまでの症例を見ても「1,500g」での手術実績はあるようで、手術自体は可能なようだが、やはりその分リスクは高くなるとのこと。


ただ、体重に意識が行きがちだが、それ以上に本来大事なのは「週数」だという。

個人差はあれど、“肺機能” が成熟し、人工呼吸器をつけず自力で呼吸出来るようになるのが「34週」であり、その他の身体機能の成熟を考えても、最低限そこを超えることが、絶対条件になってくるということだった。


しかしながら、エコーの最後に、

「でも多分、この子は推定体重より大きいと思うんだよね…」

と医師が呟く…


これには、ちゃんとした理由があるようで、

全前置胎盤で、子宮口を覆うように下に胎盤があるから、赤ちゃんも縦に真っすぐきれいな体勢がとれない

そのため、頭の形が平均的な胎児と比べて横幅が出ず少し面長になる(出産後に矯正が必要なレベルではない)

推定体重の計算は「頭の横幅」×「お腹周り」×「大腿骨の長さ」のため、横幅がない子は、推定体重が低く出るが、実際生まれたら大きい場合がほとんど

ということであり、実際現場で見てきた中でも、全前置胎盤の胎児は、特にこのケースが多いようだった。

息子の “頭が小さい” というのは正直、素人目にはわからなかったが、医師からも「小顔ちゃんだね」と言われるほど、ハッキリとしているようで、

「発育曲線内もギリギリだけど、計算式の関係も少なからずあると思うから、過度な心配はせずにもう少し経過を見ていきましょう」

という言葉をかけてもらった。


そして最後に、改めて図解を用いて症状の確認と、生後から手術までの対応方法などを説明してもらい、2回目の面談は終了した。

※正しくは「完全大血管転位症」  ×転移 〇転位


体重の鈍化が見受けられたものの、手術の目安も明確になり、また “推定体重よりおそらく大きい” という見解もあったことで、面談後は少しばかり前向きな気持ちになれた。


そして、病院を出る頃には、

「しかし… 小顔となると、完全に “母親似” だなぁ(笑)」

と、和やかな雰囲気で帰路につく私たちであった。



つづく



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