連載: 不幸ブログと現実のキミ⑪
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第十一話
散りかけた桜と若葉が混ざる頃には薬物を絶ち、
私は大学三年に進級した実感と新しいステージに胸を躍らせていた。
時々、陽菜との会話を思い返し
「まずは自分自身を理解するのが大切」という言葉は新たな道しるべとなった。
私は自問自答しながら過去の自分を振り返り、失ったもの、そして手に入れたいものを考えた。
大学生活の中での友情の有り難みや希望のゼミに入れた学びの喜びを再確認すると、私の気持ちに少しずつ歩みをもたらした。
由奈たちとは別々のゼミになり、取っている授業も違う。就活やインターンなどで以前のような付き合い方をしなくなった。
私が大学のキャンパスを歩いていると、陽菜や栗子、由奈と偶然出会った。
「真百合!」彼女たちが笑顔で手を振り私を迎えてくれ、やっと心の底からに温かい感情が広がる。
過去の痛みを抱えながらも、彼女たちとの絆があることに気づいた。
私は失敗しちゃういけない。
「真百合、元気になった?」
由奈が優しく声をかける。私は少し驚いたが素直に答えた。
「うん、少しずつね。
みんなといるとなんだかホッとする」
陽菜も微笑みながら私にハグし
「それが大事だよ。私たち、ずっと一緒だから」
私は励まされ、自分も他の人たちのために何かできることがあるのではないかと考え始めた。
午後、真百合は自分のブログを更新することに決めた。これまでのことを振り返り、陽菜や栗子、由奈への感謝の気持ちを綴った。
「私が傷つけた人たちに心から謝りたいと思う。
そして、これからは自分の心の声に耳を傾け周りの人たちも大切にしていきたい」
ブログを投稿した後、気分が軽くなった。
誰の人生もパクってない、私の人生を綴っている。
自分の誤ちを受け入れ、将来に向かって一歩踏み出す決意を書いた。
大学のカフェで友人たちと過ごして、ふと気づいた。周りの人たちの笑顔や会話がどれほど重要かを改めて感じる。
「大丈夫。
薬物に頼らず、自分の力で幸せを見つけていける」
付き合いがあったYouTuberたちからも動画の出演を打診されるなど、新たな道を踏み出す準備ができていた。
私は周囲の温かい支えをもらいながら、
でも、まだ解決されていない問題があった。
それは浅岡との関係だった。
大学から帰宅すると浅岡が私の部屋で寝ていた。
彼の存在が腐った果実のように重くのしかかり、
正味一年は彼と同棲していたが、少しずつ彼の荷物は部屋から減っていき、大学以外で会うなどなかった。
浅岡を起こすと、変わらない甘い声で私を抱き寄せたが、私を見る目にどこか陰があった。
「最近、どうしてるの?」
少し沈黙した後
「ちょっと厄介なことになってるんだ」
浅岡は仲間たちと一緒に薬物を売買する計画に関わってしまったのを話した。
私の血の気が引いていく。
「やめたほうがいいよ。もっと良い道を見つけられるはずだよ」浅岡に強く言ったが、
すぐに彼は冷笑を浮かべた。
「何を言ってんの?俺と真百合は一緒だろ?」
浅岡の手が私のスカートの裾を這う感触は、蛇が這い上がってくるように感じ、彼の髪や肌には私の知っている甘い香りはなく、悪臭が染みついていた。
「真百合、イカないの?」
彼からの強弱は私の身体に響くどころか、逆に私を遠ざける。小説には「心とカラダは裏腹」とあったが、私の場合は人と違うようだ。
ゴールデンウィークには髪を切り、ブリーチして金髪にし、薬物を私の中から排除した。
半袖で過ごす人が増える時期、私は学食で友人たちと過ごしていると突然警察が現れた。
「どうした?」「なに?」あちこちがざわめき、私の心臓を刺す痛みがあった。
暫くすると警官たちは、浅岡を含む数名の学生を連行していき大騒ぎとなる。
「真百合!」
浅岡が振り返り、私に助けを求めるように叫んだ。
同時に誰かが私の手首を掴んで野次馬から引っ張り出そうとする。力の先には栗子がいて、そのまま足は栗子へ従った。
「真百合は関係ないんだから」
栗子は私の肩を抱き「もう関係ない」耳元で囁く。
遠くでパトカーのサイレンがするが、栗子の肩で泣いている私がいた。
