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占星術師の私が、なぜセックスのことを書こうと思ったか

リリスを書くなら、身体を沈黙させたままでは足りなかった

ブラックムーンリリス(リリス)について書きながら、
ずっと、ひとつ引っかかっていたことがあった。

色気が出る人と出ない人の違い。
抑えすぎたときに起こる歪み。
隠したいのに漏れてしまうもの。
欲や羞恥が、魅力の奥でにじんでしまうこと。

そこまでは書ける。
実際、それはもう書いてきた。

でも、その先にある
身体を通ってしまう感情については、
言葉が急に慎重になる。

それは単なる遠慮ではなくて、
わたしの中に、ある種のためらいがあったから。


正直に言えば、書くのはわたしもこわい

正直に言えば、
このことを書くのは、わたしにも少しこわい。

セックスについて言葉にした瞬間、
それまで積み上げてきた知性や静けさより先に、
題材だけで読まれてしまうかもしれない。
浅く受け取られるかもしれない。
あるいは、わたし自身の中にある
まだ整えきれていない身体の記憶まで、
書くことでふれてしまうかもしれない。

そのこわさが、
まったくないふりはできへん。


「象徴」のことばが、身体の前で立ち止まるとき

占星術のことばは、
象徴で人を読む。
出来事そのものを断定するよりも、
その人がどこで深く反応しやすいか
どこで心がほどけ、どこで執着し、どこで揺れやすいかを映してくる。

そやのに、
恋愛を読むときだけ
身体を通った反応を脇に置いてしまうのは、
ほんまは少し不自然。

なぜならホロスコープは、
「何が起きるか」だけを読むものじゃなく、
何がその人をひらかせるのかを読むものでもあるから。

やさしさにひらく人もいる。
理解にひらく人もいる。
言葉より先に、沈黙や気配に反応する人もいる。
そして中には、
身体を通ったことでしか見えてこない深まり方をする人もいる。

その違いは、
ただの経験談として片づけられるものではなくて、
星を見ていると、たしかにその人の反応の癖としてにじんでくる。

とくにブラックムーンリリスは、
上品に整えられた魅力だけを語る配置じゃない。

欲。羞恥。禁忌。
見られたくないのに、見抜いてほしい気持ち。
触れられたくないのに、
触れられることでほどけてしまう矛盾。

そういう、
理性だけでは整えきれない場所に、
リリスは静かに触れてくる。


それは「行為」の描写ではなく、「反応の構造」の話

だからリリスを書いていると、
どうしてもぶつかるねん。
恋をきれいな感情だけでは読めない、ということに。

人は、
頭だけで誰かに囚われるわけじゃない。
相性のよさだけで離れられなくなるわけでもない。

触れられた、という事実。
ほどけてしまった、という体感。
恥ずかしいのに拒めなかったこと。
拒めなかったどころか、
その奥で、わずかにひらいてしまったこと。

そういうものを通った恋は、
理性の整理だけでは終わらない。

そして占星術は、
そういう“終わらなさ”を読むための言葉でもある。

たとえば、
なぜその人は安心するとひらくのか。
なぜその人は少し危うい相手に強く反応するのか。
なぜその人は見抜かれることでほどけるのか。
なぜその人は快感といっしょに執着を結びつけやすいのか。

それは行為の描写ではなく、
反応の構造の話やねん。

ホロスコープは、
セックスそのものを下世話に暴くためのものではない。
でも、
どこで羞恥と快感が結びつきやすいか。
どこで「だめ」と思っていたものが「ほんまは欲しかった」に変わるのか。
どこで身体の記憶が、心の判断を追い越してしまうのか。

そういう深い反応の癖は、
星を見ていると、たしかに人それぞれ違う輪郭を持ってるねん。


あなたの「ざわつき」を、無理に消さなくていい

この場所について書くことは、
わたしにとっても、
たぶん読む人にとっても、
ある種の「怖さ」を伴うもの。

きれいに整えられた世界でいたい人や、
性をただの出来事として切り離しておきたい人にとっては、
この言葉は少し不躾で、
落ち着かないものに映るかもしれへん。

でも、そのざわつきや、
見たくなさや、
どこかで引き返したくなる感じもまた、
リリスが触れるときに起こる反応のひとつ。

わたしは、
誰かを傷つけたいわけじゃない。
ただ、自分の中にある
沈黙させられてきた場所が、
誰かに触れられることでしか
輪郭を持てないこともあると知っている。

だから、
もしあなたが今、
この文章を読みながら少し怖くなったり、
うまく言えないざわめきを覚えたりしているなら、
それはあなたの中の何かが、
星の響きにふれかけている合図かもしれへん。

その怖さを、
すぐにきれいにしなくていい。
その拒否感を、
無理に前向きに変えなくてもいい。

ただ、
それでも書こうとするとき、
わたしのリリスが触れてくる。

わたしのリリスは、
ことばや声、伝えることの場所にあり、
月とも深く重なっている。

だからなのか、
沈黙させてきたものを言葉にしようとするとき、
それはいつも、感情や身体の奥まで一緒に揺らしてくる。

きれいに整えた言葉の奥で、
まだ名前を持たない反応が動く。
ほんまは黙っていたかった場所、
うまく説明せずに済ませたかった感情、
身体を通ったことでしか輪郭を持てなかった記憶に、
ことばを与えようとした瞬間、
そこは静かにざわめきはじめる。

わたしにとってリリスは、
ただ危うい欲の象徴ではない。
言わずにいようとしたことに、
それでも触れてくるもの。

ただ、
その奥にまだ言葉になっていない
あなた自身の輪郭があるのかもしれない、
ということだけ、
ここではそっと置いておくね。


星の精度を、落としたくなかった

だから、
リリスを書くなら、
身体を沈黙させたままでは足りなかった。

わたしが書こうとしているのは、
過激さではない。
刺激でもない。
占星術を口実に扇情したいわけでもない。

むしろ逆で、
星が映しているものの精度を、落としたくなかった。

恋の奥には、身体がある。
身体の奥には、まだ言葉になっていない欲がある。
その欲のさらに奥に、
自分でもうまく認めていない反応の癖がある。

ブラックムーンリリスは、
たぶんその場所を、
いちばん静かに、いちばん残酷に、
そしてときどき、いちばん正直に照らしてしまう。

占星術師の私が
セックスのことを書こうと思ったのは、
境界を壊したいからじゃない。

星を読む者として、
人がほんとうに深く揺れる場所を、きれいごとだけで済ませたくなかったから。

その怖さを抱えたままでいい。
その先にある、
まだ言葉にならなかったあなたの輪郭について、
この先、
静かに話を始めてみるね。

あなたも、あなたの中にあるリリスにふれたくなったら、
その扉に、そっと手をかけにきてください。
いつでも、静かにお待ちしています。

——ほしのりりす



次回予告

次は、
この熱が“身体の関係”の中で
どう深まり、どう絡まり、ほどけにくくなっていくのか
――リリスとセックスの“はまり方の構造”をほどいてみるね。
(近日公開)

あわせて読んでほしいnote

あなたの内なるリリスへ、さらに深く触れたいなら。
「ブラックムーンリリス」について書いたnoteも、そっと置いておきます。

12星座ごとの入口を軽く見たい方へ。
あなたの星座に眠るリリスの気配も、そっとほどいています。

読んでくれて、ありがとう。
あなたの中のリリスが、少しずつ言葉を持ちはじめますように。


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ほしのりりす🌙🌑感じるよるの占星術 読み終えて、なにかが残ってしまったなら── その余韻を、そっと返してもらえると、うれしいです。 わたしはまた、ひらいて書ける気がします。