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【訪問看護】別表7の対象疾患まとめ|医療保険への切り替えルールと算定の注意点

この記事はどんな人向けか、どう役立つか

本記事は、訪問看護ステーションの管理者や中堅スタッフを対象に、「別表7」が医療保険適用に与える制度上の意味を明確に解説することを目的としています。
厚生労働省の通知・法令等に基づき、別表7の定義、対象疾病、運用上の特例、注意点を体系的に整理しています。
実務上の判断や運用の根拠確認に活用できます。




別表7の位置づけと制度的根拠

別表7とは、「厚生労働大臣が定める疾病等(訪問看護療養費)」として、医療保険において訪問看護の利用に関する特例を認めるための疾病群を定めた一覧です。
根拠法令は、健康保険法施行規則、国民健康保険法施行規則等に基づく「療養費の取扱いに係る通知」に記載されています。


別表7に該当することでの保険適用の変化

通常、要介護認定を受けた利用者には「介護保険」が優先適用されますが、以下の条件に該当すると、医療保険での訪問看護が可能となります。

  • 利用者が別表7に該当する疾病を有していること

  • 主治医が訪問看護の必要性を認めて指示していること

これにより、以下の医療保険上の特例が適用されます。


医療保険における特例的な取扱い(別表7該当時)

別表7に該当する場合、以下のような拡張的な取扱いが認められています(令和5年介護給付費実態調査・厚生労働省通知等に基づく)。

  1. 要介護(要支援)認定を受けていても医療保険での訪問看護が可能

  2. 原則週3日までの訪問制限を超え、週4日以上の訪問が可能

  3. 1日に複数回の訪問が可能(必要性がある場合に限る)

  4. 複数の訪問看護ステーション(最大3か所)による訪問が可能

  5. 退院日当日からの訪問看護の算定が可能

  6. 入院中の外泊時における訪問看護(1日2回まで)の算定が可能

  7. 2名以上の看護職員による同時訪問に対する加算の算定が可能


別表7に定められている疾病一覧(2024年時点)

  1. 末期の悪性腫瘍

  2. 多発性硬化症

  3. 重症筋無力症

  4. スモン

  5. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

  6. 脊髄小脳変性症

  7. ハンチントン病

  8. 進行性筋ジストロフィー症

  9. パーキンソン病関連疾患(うち一定の重症度を満たすもの)

  10. 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)

  11. プリオン病

  12. 亜急性硬化性全脳炎

  13. ライソゾーム病

  14. 副腎白質ジストロフィー

  15. 脊髄性筋萎縮症

  16. 球脊髄性筋萎縮症

  17. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)

  18. 後天性免疫不全症候群(AIDS)

  19. 頸髄損傷

  20. 人工呼吸器を使用している状態


特定疾病(介護保険)との違い・重複

「特定疾病(介護保険第2号被保険者)」と「別表7(医療保険)」には一部重複があります。
たとえば以下の疾病は、両方に該当します。

  • 筋萎縮性側索硬化症

  • パーキンソン病(一定重症度)

  • 脊髄小脳変性症

  • 末期がん

重要なのは、要介護認定を受けていても「別表7該当疾患」であれば医療保険での訪問看護が認められるという点です。
この点を誤解すると誤った保険請求につながるため、制度上の適用優先順位を正確に理解しておく必要があります。


実務運用上の確認ポイント

  • 訪問看護開始前に、利用者の診断書や主治医意見書を確認し、別表7該当疾患の有無を明確にする

  • 電子カルテ等に該当疾病の記録を残す

  • 医療保険算定対象とする際は、主治医による訪問看護指示書を確実に取得する

  • 訪問回数・時間が特例の範囲内であるかを記録し、加算の算定根拠を保持する

  • 退院日訪問・外泊中訪問など、制度に基づいた算定を行う際は、該当状態を確認のうえ実施する


別表8との違い

別表7が「疾病」に着目しているのに対し、別表8は「状態(特別な管理が必要な状態)」に基づく特例の対象者を定義しています。
別表8該当者もまた、週4日以上・1日複数回・複数名訪問等の医療保険による訪問看護が可能になります。詳細は別記事を参照。


まとめ(要点整理)

  • 別表7は、訪問看護における医療保険適用の特例を認める疾病リストである

  • 要介護者であっても別表7に該当すれば医療保険での訪問看護が可能

  • 該当時には、週4日以上の訪問、1日複数回、複数ステーション利用などが可能

  • 特定疾病との重複があり、介護保険との保険優先判断が必要

  • 実務上は、該当疾病の確認と、主治医の訪問看護指示書の取得が必須

  • 適切な記録・算定管理により、監査対応も見越した運営が必要


Q1: 訪問看護の費用にはどのような保険が適用されますか?

A1: 訪問看護の費用には、主に「介護保険」と「医療保険」が適用されます。通常、訪問回数や時間が決められており、それを超えると利用者さんが全額自己負担となります。
しかし、「重症度が高い利用者」で「ある一定の条件」を満たす場合**は、定められた回数や時間を超えても保険適用内で訪問看護を受けることができます。この「一定の条件」が、「特定疾病」、「別表7の疾病」、「別表8の状態」として定められています。

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Q2: 「特定疾病(16特定疾病)」とは何ですか?どのような目的がありますか?

A2: 「特定疾病」65歳以上に多く見られる病気ですが、65歳未満でも発症が認められ、加齢と関連が深い16の病気を指します。 主な目的は、40歳以上65歳未満の「介護保険 第2号被保険者」介護保険の適用を受けられるようにすることです。

【特定疾病の一覧(例)】

• がん【がん末期】

• 関節リウマチ

• 筋萎縮性側索硬化症

• 初老期における認知症

• パーキンソン病関連疾患

• 脳血管疾患

• 慢性閉塞性肺疾患

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Q3: 「別表7の疾病(厚生労働大臣の定める疾病等)」とは何ですか?どのような特例がありますか?

A3: 「別表7」は、厚生労働大臣が定める「疾病」の一覧です。この別表7に該当する疾病の利用者さんは、通常介護保険が優先される場合でも、医療保険が適用となります。これは、より医療ニーズが高い利用者さんとして扱われるためです。

【別表7の疾病一覧(一部抜粋)】

• 末期の悪性腫瘍

• 多発性硬化症

• 重症筋無力症

• 筋萎縮性側索硬化症

• 脊髄小脳変性症

• パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病のうち特定の重症度のものに限る)

• 人工呼吸器を使用している状態

【別表7に該当する際の特例(メリット)】

• 要介護(予防)認定者でも医療保険での訪問看護となる。

• 通常は週3日までの医療保険の訪問が、週4日以上の訪問も可能になる。

• 最多で3か所の訪問看護ステーションが訪問看護を行える。

• 主治医が必要と認め指示すれば、1日に複数回の訪問が可能になる。

• 複数名で訪問看護を提供した場合に加算を算定できる。

• 医療機関からの外泊時の訪問看護も保険適用になる。

• 退院日当日に訪問看護に入ることができる。

【注意点】

• 「難病=医療保険適用」という先入観に注意が必要です。
特定疾患医療受給者証や特定医療費受給者証を持っていても、必ずしも医療保険適用となるわけではありません。
介護保険を持っている利用者さんで訪問看護サービスが医療保険適用となるのは、あくまで「別表7疾病に該当する」利用者さんが対象となります。

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Q4: 「別表8の状態」とは何ですか?どのような特例がありますか?

A4: 「別表8」は、厚生労働大臣が定める「状態等」が記載されています。別表7が「疾病」であるのに対し、別表8は特定の「状態」に焦点を当てており、「特別な管理が必要」な利用者さんと見なされます。

【別表8の状態一覧(例)】

• 在宅麻薬等注射指導管理、在宅腫瘍化学療法注射指導管理など、特定の在宅指導管理を受けている状態。

• 気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態。

• 人工肛門または人工膀胱を設置している状態。

• 真皮を超える褥瘡(じょくそう:床ずれ)の状態。

• 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者。

【別表8に該当する際の特例(メリット)】

• 1日複数回の訪問看護が利用可能。

• 1週間に4回以上の訪問看護が利用可能。

• 複数名の看護師によるケアの提供が利用可能。

• 必要に応じて通常より長時間の訪問看護が利用可能。

• 入院中の外泊時にも訪問看護を2回まで利用可能。

• 退院日当日に訪問看護の利用可能。

• 2か所以上の訪問看護事業所からサービスの提供を受けることが可能。

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Q5: 医療保険と介護保険のどちらが優先されますか?

A5: 訪問看護では、原則として介護保険が優先されます。
しかし、利用者さんが別表7の疾病に該当する場合は、介護保険の要介護認定を受けていても医療保険が適用となります。 また、特定疾病に該当する第2号被保険者(40歳以上65歳未満)の場合、通常は介護保険が適用されますが、その疾病が別表7にも該当する場合は医療保険が適用されます。

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Q6: 特定疾病と別表7の疾病には重複がありますか?

A6: はい、特定疾病と別表7の疾病には、一部重複しているものがあります。そのため、どちらの保険が適用されるのか混同しやすいので、しっかり確認することが大切です。 例えば、「がん【がん末期】」は特定疾病の一つですが、「末期の悪性腫瘍」として別表7にも記載されています。

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Q7: これらの複雑な情報を管理するために、何か役立つツールはありますか?

A7: これらの複雑な疾病名や状態、特例、加算などをすべて覚えるのは大変です。訪問看護専用電子カルテ『iBow』のようなシステムを活用すると、別表7や別表8に該当するかを簡単に確認でき、それに伴う加算なども自動で計算されるため、業務の効率化と正確性向上に役立ちます。システムだけでは解決できない制度や加算に関する相談は、専門のカスタマーサポートに問い合わせることも可能です。


参考資料

  • 中央法規『訪問看護実務相談 2024年版』

  • 健康保険法施行規則

  • 厚生労働省「訪問看護療養費に関する取扱い通知」

  • 訪問看護療養費算定に関するQ&A(厚労省・都道府県連絡会)

  • 令和5年度介護給付費実態調査


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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