USBノイズという名の亡霊〜PCオーディオのジレンマ:USB iPurifier Pro
ぼくはPCからしか音楽を聴かない。音源はQobuzかAppleMusic、手持ちの音楽ファイル。
それをDAC内蔵のアンプ、TEAC AI-303に直で繋いで音を出している。ケーブルだけは少しこだわって、オヤイデのものを奮発した。このシステムで、すごく満足している。
何より、安定しているし。
以前はマランツのストリーマー付きのオールインワンアンプ、マランツのm-CR612を使っていたのだが、ストリーミング、特にAmazonMusicの音切れが酷く、売り払ってしまった。使い方がなんか悪かったんだろうが、そんなこともあってストリーマーへの猜疑心は未だ拭えず。
そもそもストリーマーが今大流行なのは、PCから発生するノイズと無縁に音源再生できるからだそうだ。
でも、ぼくは手持ちの音源とシームレスにストリーミングを楽しみたいし、そういうことが出来るストリーマーを買う余裕も勇気もないのである。
また、今の時点でストリーマーを買うのは些か勇み足なのでは、とも思うのだ。もっと安く、もっと良いものが出るかも、と思ってしまう。
どんな媒体を見てもPCはノイズの塊、悪の権化、USBポートはゴミ溜めである、くらいの勢いで貶されている。
そこで、ぼくのUSBノイズという名の目に見えない亡霊、祟りとの戦いは始まったのである。
以下、そのノイズの原因をAIに列挙させてみた。
⚡ 電気的ノイズの発生源
PCの電源供給(SMPS)
スイッチング電源の高周波ノイズがUSBラインに乗ることがあります。USBポートの電源品質
特にフロントパネルのUSB端子はノイズが多く、リアパネルや専用カードの方が安定する傾向があります。グラフィックカードやCPUファンの電磁波
高負荷時に発生するEMI(電磁干渉)がオーディオ信号に影響することがあります。PC内部のグランドループ
複数の接地経路があると、ループ状に電流が流れノイズの原因になります。
🔌 USB伝送に起因するノイズ
USBケーブルの品質・シールド不足
安価なケーブルでは外部ノイズを遮断できず、信号劣化やジッターが発生します。USBハブの使用
バスパワー供給型のハブは電源ノイズが乗りやすく、DACとの相性問題も起こりやすいです。USBプロトコルのジッター(タイミング揺らぎ)
クロック精度が低いと、DAC側での再生タイミングにズレが生じ、音質劣化につながります。
🎧 DAC・オーディオ機器側の要因
DACの電源設計
USBバスパワー駆動のDACはPC由来のノイズを拾いやすく、外部電源型の方が安定します。DACのグランド設計
PCとDAC間でグランドループが形成されると、ハムノイズが発生することがあります。アナログ回路のシールド不足
DAC内部のアナログ部が外部ノイズに晒されると、出力音にノイズが混入します。
🧪 その他の環境要因
Wi-FiやBluetoothの干渉
高周波帯域がUSB信号と干渉し、ノイズの原因になることがあります。照明器具や家電製品のノイズ
特に蛍光灯やインバーター式家電は電磁ノイズを発生させやすいです。接続機器の静電気放電(ESD)
USB接続時の静電気がDACやPCの回路に悪影響を与えることがあります。
だそうだ。目眩がする。家電とか言い出したらもう無理じゃん、という話である。
しかし、これらを少しずつでも潰していかないと祟りは払えないのである。
因みにAIによれば、祟りを払えば以下のような恩恵が受けられるそうである。
音の背景が静かになる:無音部分の黒さが増し、音の輪郭が際立つ。
定位が明瞭になる:左右の音像がより正確に配置され、空間表現が豊かに。
高域の伸びと低域の締まり:音のバランスが整い、聴き疲れしにくくなる。
音楽の情報量が増える:細かなニュアンスや残響が聴き取れるようになる。
これは、単に「ノイズが消えた」だけでなく、「音楽の本来の姿が現れる」ことを意味します。
本当だろうか。
まず、出来そうなことから。
・USBポートの電源品質→ハブは使わず、リアパネル直刺しで、同系列のポートには何も挿さないようにした。
・USBケーブルの品質・シールド不足→オヤイデのケーブルで「そこらのケーブル」よりはマシな状態かと。
・Wi-FiやBluetoothの干渉→昔使ってたルーターを引っ張り出してきて中継器として設置。LAN接続にしてPCのWi-Fi、Bluetoothをオフに。
ポートの変更は別に音質の変化は見られず。でも安定しているのかもしれない。ケーブルは幾分、音がしっかりしたのかもしれない。輪郭がはっきり見えるというか。Wi-Fi、Bluetoothのオフは別に変化が分からない。
次に、Audirvānaの導入。以下、ホームページから転載。
「通常、コンピューター上のオーディオ再生は、一連の独立したタスクで実行されます。 受信されてデコーディングされた信号は、さまざまなアプリからのサウンドを組み合わせるオーディオ「ミキサー」を通過します。 このミキサーは、「最小公分母」の法則に沿って、オーディオサンプルの解像度を変更し、追加的な遅延を回避する低電力のアルゴリズムを使用しています。これにより品質劣化のほかに圧縮アーティファクトが加えるものとなります。
Audirvānaは、可能な限り最短の経路でオーディオデバイスにデータを変更せずに送信します(ビットパーフェクト)。そのために、内部のオーディオミキサーを迂回してデバイスに直接かつ排他的にアクセスするので、他のアプリケーションからのサウンドイベントや、音楽のオーディオフォーマットへの不要な変更を避けることができます。」
何やら難しい説明である。しかし、USBノイズではないが、PCはノイズの塊、というところを避けてくれそうである。
これは結果として大成功。もう全然音が違う。Qobuz音源をアプリでそのまま聴くのと、Audirvāna通すのとでは全然違うのだ。特に定位の明瞭化で顕著。チェスキーレーベルとかの少数マイク録音音源ならブラインドでどちらがAudirvāna音源であるかを当てる自信がある。
さて、ほかのUSB関連の問題は下流でUSBじゃなくしたら良いんじゃない?という名案を思い付いたので、DCCを引っ張り出してきて試してみたのである。
音は良かったのである。ちゃんと鳴らすのが難しいな、と思っていたノラ・ジョーンズのファーストとかも理想通りの音が出た。しかし、クリッピングノイズだらけである。まあ、安物だし色々あるのだろう。もっと良いDCCを、という考えも一瞬よぎったがそれでまたこんなトラブルに見舞われたら目も当てられないのであきらめた。
そこで、こんどは上流に目を向けてみることにした。折よくこんな製品が出ていたのである。ifiのUSB iPurifier Pro。
何でもこれは、
①ノイキャンイヤフォンのようにUSBノイズをキャンセルする。
②給電由来のノイズを防ぐ絶縁
③グランドループ由来のノイズを消す④10mbpsの高速通信
⑤セルフパワー使用可能でUSB電源補強が可能。
と、いうものである。個人的には、高品質でUSBに電源供給ができるのは大きいのでは、と思う。あとはもう、分からん。
もし自分のシステムがクリーンなら、図書室でノイキャンイヤフォン使う様なものだろう。それに、クリーンになったとしても、自分の耳が感知しなければ意味がない。とにかく電器店のポイントも溜まっていたことだし導入してみることにした。そしてこれで何も起こらなければこれ以上PCの祟りを恐れないということも自分に言い聞かせた。
さて、導入にあたって、以前noteにも紹介したリファレンス音源を使った。
結論から言うと、スピーカー、アンプの性能は限界まで引き出せたのではないか、というところ。あと、Audirvanaを通さないQobuzの音が劇的に良くなった(Audirvanaを超すということではない)。
もう一つ、これは凄く抽象的で申し訳ないのだが、音が「立体的」になった。その時主役の音がグッと前に出てくる。
以下、AIの示唆した音の変化も検証してみよう。
・背景が静かになる、は分からなかった。恐らくこれはぼくの感性と耳鳴りのせいだろう。Qobuzの生の音源では分かった気がする。
・定位は明らかによくなった。左右の分離、センターの定位ともに良好。
・高域は、シンガーのブレス音、歯擦音源、リップノイズ(どれもぼくの好物)がよく聞こえるようになり、低音の芯が比べものにならない程出るようになった。この辺り、スピーカーが得意とする部分を伸ばしたのでは、と感じる。ここが最大の変化だった。意外。
・情報量に関しては、ここでスピーカーの限界を見た。クラシックなど、情報量の多いソースは頑張ってるけどこれ以上は無理っす!って言ってる感じが大いにした。Polk es20はやはりクラシックには向いていない、ということがよく分かった。
他ジャンルではよくある「聴こえてなかった音が聴こえる」っていうやつ、ありました。
そんな訳で、ぼくのUSBノイズという名の亡霊との戦いは幕を閉じた。Qobuzを聴く時、いちいちAudirvanaを開かないようになるかもしれない。でも、クラシックではAudirvanaの助けを借りるかな。
それにしても、Audirvanaはいい仕事してくれてるんだなあと感心することしきり。
もうこれ以上はなにもしない。AIは「電源が…」とかいうけど知らん。こんなの、クソみたいな電源でもスピーカーやアンプが良くなったらそりゃ音、良くなるよ。キリがない。あとはもう、大元の機械の問題で、そこの沼にはハマっている余裕はないのだ。
