「【神楽坂、スカートは紅し】を読んでみた」の巻
オガワヒカリさんの「神楽坂、スカートは紅し」という小説を読んでみました。
いわゆる”おすすめ”っていうんですかね。そういうのに度々表示されていて気にはなっていたんですよね。
結局、紫吹はるさんのこの以下の記事が決め手で読んでみようかなとなったわけです。
いきなりですが、誤解を恐れずに言うと、最初、この「神楽坂、スカートは紅し」の表紙画像から、割と楽しげな恋愛小説なのかな、と思っていたんですが、読んでみると、これが意外に、、楽しげだったんですね。
もちろん、主人公が色々と抱えているということからすると、単純に楽し気といってしまうのもどうかとも思うんですが、それらが神楽坂という場所とその登場人物たちのやさしさによって、一つの救いと希望の物語になっているのが、私はとてもいいなあと思いました。
最近では、いろんな意味でメンタル的な部分を題材にした小説が増えているような気がしてるんですが、それはやはり明らかにそこに問題意識を持った人が増えているということなんだろうな、と思っているわけです。
そのような人がどのように考え、どのように感じているかがリアリティをもって描かれる機会が増えていると感じているんですね。
ともすれば暗く重々しい話になりがちなテーマですよね。
しかしこの「神楽坂、スカートは紅し」は、冒頭こそショッキングなエピソードで始まりますが、物語は”恐る恐る”ながらも静かにやんわりと進んできます。
なんというか、”そっとしておいてくれる”ということを主人公と一緒に追体験しているうちに、知らないうちに主人公とともに癒されてしまっているというような、なんだか不思議な体験になるんですね。
いや、冒頭で読者も少なからずショックを受けるので、この優しい空気が実に心地いいんですね。読者もこのショックから少しずつ回復、再生していく体験をすることになるわけです。
その空気の中で、主人公も徐々に自分自身とその強さを取り戻していきます。
一言で”優しさ”といっても、そう単純なものではありませんが、やはり自分の居場所があって”自分は自分でいていいんだ”と思えるなら、人はきっと”再生”できると思わせてくれるんですね。
このあたりは、色んな悩みを抱えている人の救いやヒント、気づきになるのでは、と思ってしまいました。
冒頭で、結構重い話なのかな、と少し身構えましたが、明るい日常が割と淡々と描かれていくので、楽しく読み進めることができます。
色彩豊かな描写が多いですが、中でもスカートの”紅”は主人公が生きる強さを取り戻し自分自身でいることを象徴しているようで、爽やかな感動がありました。
恋愛小説ということで、その要素はもちろんあるわけですが、恋愛という意味ではまだ”これから”という感じなので、その先のエピソードも気になりますね。
というわけで、またもや勝手な解釈で感想を書いてみましたが、あくまで個人的に感じたことなので、作者の意図とは違う可能性がありますのでご承知くださいませ。
オガワヒカリさん、勝手な感想を失礼しました。とても素敵な作品だと思いました。ありがとうございました。
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