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オルカン急落。「売却ボタン」を押す前に、私がスマホを置いた理由。

投資信託のチャートが急角度で右下を向くとき、私たちの心には「理論」ではなく「生存本能」が語りかけてきます。「今すぐ逃げろ、これ以上失うな」と。  

先日、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で見られた大きな調整。

この「底」が見えない景色を前に、私は一歩も動きませんでした。  
巷には投資の理屈を説く本が溢れています。しかし、実際に自分の資産が削られていく恐怖の中で、どう心を保つかを書いた「実体験」の記録は、驚くほど少ないものです。  

今回、私がこの下げを無傷で乗り越えられた理由を、自身の失敗経験と「設計」の観点から書き残します。

1. 「何もしない」という最強の行動
急落時、最も難しいのは「何もしないこと」です。
人は不安になると、情報を集め、SNSを眺め、専門家の予測を探し始めます。 しかし、不安な時に探す情報は、さらに不安を増幅させるものばかりです。  
私がやったことは、ごくシンプルです。  
• 証券口座を閉じる  
• アプリからログアウトする  
• スマホを置いて、別のことをする  
「判断を明日に先延ばしする」。 たったこれだけで、一番悪いタイミングでの売却を回避できます。 今日のあなたの仕事は、相場を予測することではなく、「何もしないこと」なのです。  

2. 「意志」ではなく「設計」で耐える
暴落に耐えられるかどうかは、精神力の強さではありません。 「売らなくていい仕組み」を作っているかどうかです。  
• 投資額の適正化: 半分になっても生活に影響がない範囲で運用する。  
• ルールの事前決定: 暴落時にどう動くか(あるいは動かないか)を、平時の冷静な時に決めておく。  
• 確認頻度の制限: 月1回など、見る回数を物理的に減らす。  
「バケツの穴」を塞ぐように、感情が漏れ出す場所をあらかじめ塞いでおく。 この「機械的な戦略」こそが、荒れ相場での最大の防御になります。  

3. 恐怖は「人間の仕様」だと割り切る
人は利益の喜びより、損失の痛みを強く感じるようにできています。 これは「プロスペクト理論」と呼ばれる人間の基本的な仕組みです。  
不安になるのは、あなたが弱いからではなく、人間として正常に反応している証拠です。 「自分は今、人間として正しく怖がっているな」と客観視できれば、感情に振り回されて売却ボタンを押すミスは防げます。  

最後に
チャートは再び上を向きました。
あの時、恐怖に負けて手放していたら、今の回復の果実を得ることはできませんでした。  
投資で一番大切なのは、知識を増やすことではなく、「間違った行動をしないこと」です。  
これからも、どんな嵐が来ようとも、自分で決めたルールという「ストッパー」を握りしめて、淡々と走り続けていこうと思います。

【お知らせ】
この体験をもとに、暴落時の判断ミスを防ぐためのエッセンスをまとめた本を執筆しました。
もし、今の相場に少しでも不安を感じているなら、ぜひ一度立ち止まって読んでみてください。

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『そのクリックで資産は減る - 売却ボタンを押す前に読む本 -
著者:暴落ストッパー


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