#23 死産 グリーフケア カウンセリング
グリーフとは
喪失に関係するさまざま思いと現実に対応しようとする思い、この共存する二つの間で揺れ動き、不安定な状態となると同時に、身体上にも不愉快な反応・違和感を経験すること。グリーフの時期には「自分とは何か」「死とは…」「死者とは…」など実存への問いかけをも行っている。
グリーフケアとは
グリーフを経験している人に、さりげなく寄り添い、援助すること。
グリーフカウンセリング
仕事に復帰して1か月ほど経っても、通勤電車に乗っては、富士ちゃんは電車でよく動いたな、と思い出しては泣き、赤ちゃん用品の広告で泣き、眠る前に泣き、とにかくよく泣いていた。さらに弱っているせいか、仕事のほんの少しのストレスにも振り回され、疲れ果ててしまっていた。「助けて!」と叫びだしたかった。でも、今でさえここに本当の胸の内を綴っているが、その当時は悲しみについて振り返るたびに息が止まりそうで、表現することができなかった。
救いを求めて、「死産 悲しい」「死産 立ち直る」とかそんなワードで検索していて、聖路加国際大学 天使の保護者ルカの会のグリーフカウンセリングにたどり着いた。カウンセリングは受けたことがなかったので、意味があるのか?万が一さらに傷つく結果になったら?など考えてしまい、申込むまで時間がかかったが、なぜだか日常に耐えられなくなった瞬間に(意味不明だと思うが、そんな日が多かった)申込みをした。カウンセリングの日程はスムーズに進み、申込みの翌週にカウンセリングに行くことになった。
先に結論から言うと、カウンセリングは受けてよかったと思う。
なぜなら、相手はプロだと思うと恥ずかしがることなく何も気遣うことなく、わんわん泣きながら思いっきり嘆くことができたからだ。自分の元来オープンな性格もカウンセリング効果を高めたと思う。
カウンセリングの流れ(50分)
カウンセラーは50-60代の女性。優しそうな雰囲気を持ちながらはっきりとお話してくださる方だった。
はじめに、大学の研究機関なので、研究にカウンセリング内容が活用されること個人情報の取り扱いなどを丁寧に説明された。
カウンセリングが始まると、まず家族構成など私を取り巻く状況をヒアリングされる。
次に妊娠までの経緯(不妊治療や流産)を聞いてもらい、それから核心の死産の理由や今の仕事を含め上手く行かない自分の状況を聞いてもらった。
そのときの状況を分析的に書くのは難しいのだが、私が今でも印象に残っている(心に効いた)内容を記録しておきたい。
1.臍帯巻絡という稀な死産理由に一緒に心を痛めてくれたこと。
ここでかなり心を開けた、強く共感されたと感じ、心理的安全性を得たのだと思う。
2.胎動がなくなったことに気づけなかった自分を、「悪くない」とはっきり否定してくれたこと
当時、胎動がなくなったことに気づけなかった自分を責め、誰にも言えずにいた。そのことを打ち明けて、妊娠20週半ばごろに胎動を判断するのは難しいときっぱり否定してもらった。今でも責める気持ちがないと言えば嘘になるが、第三者にそう言ってもらえたことで、少し自分を許せたと思う。
3.不妊治療について、妊娠を希望して妊娠できない女性は生理が来るたびに子どもを失ったような悲しみを感じている。と言われたこと。
じわじわと傷ついて、疲弊させられていた名もない悲しみが明確になった。生理が来ただけ、悲しくないと強がっていた過去の自分に「悲しかったんだね」と言ってあげられた。
4.最後は少しテクニック的な話だが、この当時どん底のメンタルで何も上手く行かないと思っていたのだが、そういう思考にとらわれた時必ずもう一人の自分を登場させて「本当にそうなのか?」と問いかけてみると良いとアドバイスを受けたこと。
自分を客観視する思考法は前から知っていた気がするが、冷静さを欠いていた時期だったのでこの思考法が今こそ必要だと再認識出来てよかった。
最初に書いた通り、これを言ったらどう思われるかな?とか気にせず思いっきり泣きながら話せたことが良かったし、上の4つの気づきもえたので私はカウンセリングを受けてよかった。
最後に、カウンセリングの結果としては、今後投薬などの治療をするために医療的なケアは必要ないのではないか?とカウンセラーに問われ、「自分もそう思う」と答えてカウンセリングを終えた。
