オリジナル漫画「scope」原作-11
【以臓篇】VS人身売買企業(赫)第7話
クヌード 「 ほう、ファントム(=浮遊強化ガラス)の事を知っているとはな。 …マドロの奴やられやがったか。 チっ 」
以臓 「 おおがっ …条、 こいつは妹の仇なんだ… そして、聞き出さねばならない事がある。 ここは譲ってもらおう。 」
条 「 …奇遇だな、オレもこいつにゃ聞きたい事がある。 おい!研究所ってのは どこにある? 」
クヌード 「 !? 被害者は被害者らしく、大人しく金に換えられてればいいんだ! お前らとは住む世界が違うんだよ!生意気抜かしやがって! 」
クヌードが放った言葉を聞き、条と以臓の表情が険しくなる。 確かにこの世には常人には予期する事も出来ない、決して知ってはならない闇の領域が存在する。
…そんな事は承知の上で、2人は命を掛けてこの界隈に首を突っ込んでいるのだ。計り知れない未知への恐怖、それを大きく超える復讐の信念を元に。クヌードに向かって拳銃を放つ、条と以臓。
条 「 牙(Fang)! 」 < バンバンバン! >
以臓 「 尖(セン)! 」 < シュダダダッ >
< キンキンキンキン! > クヌードの周りをクルクルと回りながら、放たれた全ての弾丸を跳ね返す、浮遊強化ガラス、ファントム。
クヌード 「 フッ 学習しない奴らだな。 いくら撃とうが意味は無い。こちらからも行くぞ! 」
クヌードが特殊拳銃を構える。魚型拳銃 「アリゲーターガー(※)」 ※頭部がワニのような形をしている北米最大の肉食淡水魚。古代魚である。
条&以臓 「 …ワニ?? 」
クヌード 「 突(Rush)! 」
ピーンっと一直線になった、ダーツの矢のようなアリゲーターガー弾が放たれる。< ダン!ダン!!ダン!!! >
とっさに別の方向へと避ける2人。突(Rush)が地面に突き刺さり、爆発する。< ドガーン!ドガーン! > 爆風の威力で軽ダメージを負ってしまう。
クヌード 「 揃って逃げ足は速いようだな、腰抜けめ。ハッハハ 」
以臓 「 …うむ、ワニか。 中々手強いな… あのファントムってのを何とかせねば、いつまでもあいつは倒せんぞ。 はぁ はぁ 」
条 「 …ワニとは、凶暴な拳銃じゃねぇか。そういや あいつ、ちょっとワニっぽい顔してるもんな。 はぁ はぁ 」
因縁の相手を前に、気力こそ充実しているが、2人とも連戦にてかなりの体力を消耗している。自身の攻撃はファントムによって弾かれ、相手の攻撃は強力で、致命傷は避けられたとしても、かなりの体力を削り取られてしまう。何か打開策は無いものか…?
拳銃がダメなら…と、クヌードに向かって一直線にダッシュして行く、以臓。 < シュタタタ > 顔面への連続パンチを繰り出す。< ダダダダダ > 瞬時に防御センサーが反応し、以臓の光速パンチに合わせ、クヌードとパンチの間に立ちふさがるファントム。ものの見事に全てのパンチを跳ね返す。パンチの威力が強烈であればある程、自身の拳への見返りも大きい。ボタボタと拳から血が滴り落ちる。苦痛に顔をゆがめる暇もなく、次の瞬間、水面蹴りを食らわす、以臓。 それをジャンプでかわす、クヌード。
よしっ ニヤッと笑う以臓。
飛び上がったクヌードの下に滑り込み、死角となる真下から、「風神」「雷神」を撃ち込む、以臓。
以臓 「 はぁはぁ この角度なら、どうだ! 尖(セン)! 」< シュダダダッ >
< キンキンキンキン! >
瞬時に足元の方に移動して来たファントムが、この弾丸も全て弾き返してしまう…
刹那、クヌードの背後から近づいていた条一狼が、後ろから両手でウエストをロックし、そのまま背後に反り返り、ジャーマンスープレックスの要領で頭から地面へと急速落下させた。< ドスーーン! > 上半身がすっぽり地面にめり込む、クヌード。
条 「 はぁはぁ どうだ! 少しは効いたかよ? 」
< !? >
ムクっと起き上がったクヌードの頭部の周りに、クルクル回っているファントム。 2人の奇襲でもファントムの防御力を超える事が出来なかった。
クヌード 「 2人掛かりでこの程度か、情けない奴らめ。こんな素人にやられる用心棒もどうかしてるがな! チッ 」
以臓 「 やはり、中途半端な攻撃では全て無効化されてしまうな。 渾身の一撃を放つしかないか。だが、体力的に後1発撃てるかどうか… 」
ふと、条一狼を見やると、何かを発見した表情になる以臓。< !? > あれはもしや… 条に近寄る以臓。
以臓 「 お前、それ、どうして持っているんだ? 」
条 「 あ? 何だ、こんな時に。 別にいいだろ? さっき下で拾って来たんだよ。」
以臓 「 …なるほど、秘策がある。 ニヤっ 」
条に耳打ちをする以臓。< ごにょ ごにょ ごにょ >
条 「 …うんうんって、本当に “ごにょ ごにょ” 言ってんじゃねーよ! さっさと説明しろや! ……ほほぅ こりゃ派手に行けそうだな、気に入ったぜ。 ニヤっ 」
クヌード 「 何をコソコソ談合してやがる。そんなちんけな秘策など、出すまでもなく葬ってやるさ。ハッハハ 」
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 洪水弾(フラッド) 】
クヌード 「 お前ら、餌の時間だ 【 溢れ出す悪水_マリシアスオーバーフロー 】!」 トリガーに力を込め、噛(Bite)が放たれた。
< バシュー! ジョボ・・ドドドドドドドドドーー!!! >
条と以臓の背後に放たれた弾丸が、洪水と化し、轟音と共に部屋に流れ込んで来る。
以臓 「 クッ 砂嵐の後は、今度は洪水かっ 」
条 「 おいおい、もう水遊びは勘弁してくれ… ったくよー 」
怒涛のように流れ込んで来る洪水が、あっと言う間に膝上辺りまでの水位に達する。激流にて身動きが取りづらい中、合わせて不気味な魚影が見え隠れする。< スー バシャーン! > 条の背後から近づき、大きく口を開けたアリゲーターガ―と化した噛(Bite)弾が飛び掛かって来る。< ガー! >上体を反らして必死にかわす、条。
条 「 …ワニ? じゃねーな。 ワニみてぇな顔した古代魚だな。 見覚えがある。 」
以臓 「 ワニでは無いのか? お前の口から古代魚なんて言葉が出て来るとは、やけに詳しいな。 」
条 「 アロワナ好きだからな。ちなみにブラック一択な。他の魚は興味は無ぇけど。 」
前衛的な新幹線のような細長い顔に、左右にぎっしり並んだ鋭い歯、大きく口を開けて迫って来る光景は、恐怖でしかない。 しかも弾丸のため、噛まれる=被弾すると爆発するというダブルの恐怖。さらに巨大水槽にいた怪魚たちも息を吹き返して、激しく泳ぎ狂っている。
クヌード 「 お前らだけでは肉が足りないようだな? ハッハハ 逃げ惑え! 噛(Bite)! 」 < ボスボスボスボスッ! >
容赦のよの字も無く、噛(Bite)を連射するクヌード。 ファントムの1枚に乗って浮遊している。
依然威力が落ちない洪水に足を取られながら、増加したアリゲーターガーの魚影に身構える、2人。< スー バシャーン! バシャーン! バシャーン! > 大きく口を開けたアリゲーターガ―弾が、四方八方から襲い掛かって来る。身をかわしながら、銃撃で応戦する2人。< ダンダンダン! >
善戦こそするものの、間髪入れずに襲い掛かって来るアリゲーターガー弾を完全に防ぐことが出来ず、負傷してしまう2人。体力も削られボロボロの状態だ。
条 「 こうなりゃ、噛(Bite)には、噛(Bite) だ!」
牙を剥き出し、激しく噛み合うアリゲーターガー弾と黒豹弾。互いに一歩も引かずにぶつかり合い、相殺され爆発する。< ドガン! >
以臓 「 はぁ はぁ はぁ このまま消耗戦になると、温存しているものも温存したまま終わってしまうな… やむを得ん。」
条 「 はぁ はぁ はぁ …確かにそうだな。温存なんかしてる場合じゃねぇ 」
アイコンタクトをする2人。…ハンドタオルサイズの布を出しかけた以臓に対し、大きく首を横に振る条。“何だ、違うのか?”の表情をした以臓が状況を把握した。【 行くぞ!】
条 「 爪(Claw)→ Jet! 」
特殊弾丸 【気流弾(Jet)】をセットし、爪を放つ。
以臓 「 掌(ショウ)→ 迅雷!」
特殊弾丸 【迅雷弾(Thunder)】をセットし、掌を放つ。
クヌードでは無く、床に向けて同時に特殊弾丸を放った2人。黒豹の爪が床を引き裂き亀裂が入ると、追従した雷神の掌底がとどめで、床に大穴を開けた。< ドガーーン!! >
大きく開いた床穴に、濁った水とビリビリと感電した魚が、渦潮のように吸い込まれて行く。まるで風呂の栓を抜いて、排水溝に流れ込む抜け毛状態だ。
< ジュゴゴゴ ォォオオ!!> 物凄い勢いで、部屋から水が引いて行く。
条&以臓 「 ニヤっ 」ぶら下がっていた天井から降りて来る、ボロボロの2人。
クヌード 「 …き、貴様、やってくれたなー! クソっ 」
想定外の事態に、酷く焦っている様子のクヌード。
息を整え、手をグー・パー・グー・パーしながら、握力の感触を確かめる2人。 満身創痍にて、思いのほか力が入らず、苦笑いしている。
条 「 ぜぇ ぜぇ …全く 力が入らんな。。 」
以臓 「 …あぁ そのようだ。 ぜぇ ぜぇ だが、パンケーキと復讐は別腹だ! 」
条 「 ニヤっ …やるか? 」
力を振り絞り、クヌードに向かって走って行く、以臓。 < シュタタタタタ >憔悴に角が生えたような鬼の形相で、迎撃を試みるクヌード。
クヌード 「 突(Rush)! 」
ダーツの矢のような、アリゲーターガー弾が放たれた。 < ダンダンダン! >放たれた数発のうちほとんどはかわすも、避け切れなかった一発が肩口に突き刺さる。それでも走りを止めない、以臓。懐から何かを取り出す。
以臓 「 ぜぇぜぇ …くらえ! ウォッ火遁の術!!!ぶぉぉぉおおう!!」

火を付けたライターに向けて、口に含んだウォッカを一気に噴射する。
たまたま条一狼が拾って来たウォッカ瓶を、先程のごにょごにょの間に受け取っていた以臓。 渾身の“大道芸”が炸裂した。
クヌード 「 !? ぐわぁっち < 防御センサーに反応し、回転したファントムが炎を防ぐ > …ハッハハ 物理攻撃以外も対応済みだ。 」
目の前の炎が消え視界が戻る、クヌード。 すると、クヌードと少し距離を取り、ウォッカを口に含み、残りを床にボトボト垂らしている、以臓の姿が確認できる。
以臓 「 ゴボ ゴボボボボ、ゴボ!! 」
…ウォッカを口に含んだまましゃべるので、何を言っているのか、全然分からない。
肩口に刺さっているアリゲーターガー弾を引き抜いて床に投げつる。次の瞬間、水たまりのように床に広がるウォッカに向けて、以蔵が ウォッ火遁の術を放つ。
< ぶぉぉぉぉぉぉおおおおおおう!! >
激しく立ち昇る 炎の柱。同タイミングで、後方から拳銃を構える2人、息はピッタリだ。
条 「 おぉ… ファイヤー!! よしっ やるか、これで全部だ!! 」 < スチャッ >
以臓 「 全てを… 全てを込める!! 」モンダミンで口内をすすぎながら、筋張った腕で二丁拳銃を構える。< スチャッ >
立ち昇る 炎の柱にて2人の様子が確認出来ない、クヌード。 しかし、ウォッ火遁の術をファントムが完璧に防いだ事で、余裕を取り戻している。
クヌード 「 何だ?この焚火は。大道芸の次はキャンプファイヤーでもするつもりか? クックク 」
炎柱の裏で、“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する、条と以臓。 満身創痍の状態だが、これ以上の無い気合が入っている表情だ。
条 「【気流弾(Jet)】! 」
以臓 「【 疾風弾(Blast)】! 【 迅雷弾(Thunder)】 !」
最期の力を振り絞り、力の限りトリガーを握りしめる。既にボロボロで力も残ってはいないが、それでも必死に力を込める。腕に浮き出る血管、鬼の形相の2人。
ゆっくりではあるが、パワーがチャージされて行く。 荒れた息づかいを気合でごまかす。 そして全てを込めた力が頂点に達したその時、トリガーを一気に弾き放った。
条 「 んんんんがぁぁぁああああああ 噛(Bite)----ぉ!!!! 」左手で右腕を抑えながら発砲する。
以臓 「 はぁぁぁぁあああああああああ 掌(ショウ)----ぉ!!!! 」 2丁拳銃を正面に向けて発砲する。
立ち昇る炎に向けて発射された弾丸が、炎柱を通過する際にその烈火を身に纏うと、さらに威力を増した。
条 「 放火魔のいたずら、炎豹<エンピョウ>!! 」 全身に炎を纏った黒豹が、大口を開けてクヌードに飛び掛かる。< バゴォー!! >
以臓 「 炎神のげんこつ!ゴッドボンバー!! 」 雷神風神が合体して巨大な炎神となり、クヌードに炎の鉄槌をくだす。< 喝ぁっー!! >
炎を纏い、業火の如く迫り来る“炎豹”と“炎神”の姿に恐怖する、クヌード。 防御センサーが反応するも、強大な威力に見るも無残に粉砕されるファントム。
クヌード 「 !? なんだ… ウギャー…!!! バリン!! バリン!! ボワッ!! 」ファントムを粉砕した勢いで、その場を焼き尽くす弾丸。
一瞬だけ、蓄積されたダメージを忘れたかのように、満面の笑みで アイコンタクトをかわす、条。それに呼応して笑う以臓。
<ブスブスっ > 条と以臓が放った渾身の一撃を受け、吹っ飛び、その場に倒れるクヌード。粉砕こそされたが、ファントムによってダメージは軽減された様子。黒焦げになった顔で、辛うじて意識がある模様。 博士の実験コントで、誤って爆発してしまった後のような顔だ。
クヌード 「 …ゴホ、ゴホッ まさか、こんな事になるとは… 」
条 「 ぜぇぜぇぜぇ …おいっ 生きてるようで何よりだ。いつもやり過ぎちまうからな。 」
近くにいた以臓がクヌードに近づいて行く。
以臓 「 …おい! お前の言う取引先の事を教えてもらうぞ! はぁ はぁ はぁ 」
クヌード 「 ……………………。 」
条 「 はぁ はぁ オレも後で聞きたい事がある。 用が済んだら変わってくれ。 」
以臓 「 妹の椿は、“どこ”に売られたのだ! 見つかった時は、全身の血液が抜かれていた… このような非道、心当たりがあるだろ、貴様!! 」
クヌード 「 …グフッ 取引先は腐るほどあるからな。 ‥正直分からんが、その様子だと、何かの“実験”に利用されたようだな。 」
以臓 「 実験だと? 貴様、人の命を何だと思っている!! 」殴り掛かる以臓を珍しく止める、条。 < バッ >
条 「 まぁ、待て、待て。 気絶させちまったら、何も聞けねぇよ。まずは情報収集だ。 ‥その実験ってのは、研究所が関係してるな?おい。」
クヌード 「 …( マドロの奴、色々と口を滑らせやがって。。 ) チッ 」
条 「 何とか言えよ! ゴラぁ!! 」 今度は殴り掛かる条を制する、以臓。
以臓 「 …もう良い、遊びは終わりだ。 知っている事を全て教えてもらおう。 <チャッ> 」 風神・雷神を顔面に押付け脅迫する、以臓。
クヌード 「 …あぁ 分かったよ。そいつは勘弁してくれ… お前らの言う研究所とは、恐らく “UMA研究所”の事だ。 奴らは、定期的に若い少女のみを選別して購入しているが、それ以上の事は分からない。 闇にも闇のルールがあってな、売買以上のことは互いに詮索しないのだ。 」
条 「 UMA研究所ねぇ。 …そこにダイアナもいるんだな? 」
クヌード 「 !? …知らんな、何度も言わせるな。 ゴホ、ゴホッ 」
以臓 「 UMA研究所か。…随分と待たせてしまったが、やっと仇が討てそうだよ、椿。それで、どこにある? そのUMA研究所とやらは。 」
クヌード 「 …だから、何度も知らんと言っているだろ! アホなのかお前は。 」
条 「 ふ~ん。って事は、もう用無しだな、こいつは。 一発かましとくか? 」 コクリとうなずく、以臓。
条&以臓 「 末代まで消え失せろ!この世からぁあああ!! 」
2人同時の正拳突きが、クヌードの顔面に突き刺さる。<ドゴン!>気絶するクヌード。
この場で出来る全ての事を成し遂げ、緊張の糸を断ち切るように、ばたりとその場に倒れ込む2人。すると、エレベーターに現れる謎の人影が…。
< チンっ > 上がって来たエレベーターから、誰かが降りて来る。満身創痍ながら、警戒する2人。
条&以臓 「 ん? …誰か来たのか? 」
駆け寄って来る人影 …河童? …いやっ 水丸だ!
水丸 「 うぉーい! 加勢に来たぞーーー!!…って、終わってるじゃん。。 」妖怪型拳銃「河童」を構えながら水丸が現れた。
以臓 「 ホッ …あぁ 終わったよ。森丸はどうした? 」
水丸 「 下で誘拐された女の子らと一緒にいるよ。それにしても、ヒデぇやられ方したな、以臓さん。」
以臓 「 こんなのは、かすり傷だ。大した事ない。…では下に行こう。 」
水丸 「 そうだな。 あんたもありがとな! 条! 森丸を助けてくれた上に、以臓さんに加勢までしてくれるとは。」
条 「 …感謝なんてする事はねぇよ。オレはオレで、別に用事があっただけだからな。」
ボロボロになった2人を水丸が支えながら、エレベーターに向かう。 以臓が何やら考え込んでいる様子。 おもむろに携帯電話を取って誰かに電話をしている。
以臓 「 …はい、今から4名で個室開いてますか? あと、テイクアウトでパンケーキを… 」
水丸 「 って、本当に祝勝会すんのかよ! しかもOLが好きそうなこじゃれたパンケーキ屋て。 」
条 「 …オレも人数に入れんな! 病院行って帰るわ! 」
< チンっ > ギャーギャー言い合いをしながら、エレベーターで1階まで下りて来た一同。それを、あきれた表情で、大ケガをした森丸が迎え入れる。
さらわれ、監禁されていた少女たちも、不安な表情ながらも、ギャーギャーと騒ぐ条たちを見ると、自然と笑顔を取り戻していた。
以臓 「 色々助けられたな。改めて感謝する。 …で、お前はこの後、どうするのだ? 」
条 「 …だから、病院行って帰るつってんだろ! オレは群れるのが嫌いでねぇ。だが、またどこぞの研究所で会うかもな。」
以臓 「 そうか、では3名で予約し直しておく事にするよ。…そうだな、またどこぞの研究所で会うかもな。次こそが真の復讐だ。 」
人身売買系 闇企業(赫)の壊滅を成し遂げた、条と以臓たち。 互いに未だ終わらぬ復讐を果たすべく、さらなる闇へと潜る。
< ドクンっ ドクンっ ドクンっ… > 遥か彼方の無人島で、汚れ無き少女たちの血液を糧に、闇の息吹が激しく鼓動し始めた。
第1部 以臓篇 -完-
( つづく )
