オリジナル漫画「scope」原作-10
【以臓篇】VS人身売買企業(赫)第6話
以臓が構えた弐対の拳銃「風神」「雷神」は、忍者家系の不侍林家にて代々受け継がれて来た特殊拳銃である。特殊拳銃はトリガーが異常に重く、並々ならぬ握力を必要とし、通常1丁扱うのも難しい。2丁同時に扱えるのは稀で、忍者の末裔である以臓の身体能力があってこその賜物である。
以臓 「 こいつは、微調整という言葉を知らん。 覚悟しろ! 尖(セン)! 」 < 左手に構えた風神からクナイのような弾丸が放たれる >
< シュダダダッ > とっさに片手で机を掴んで楯にするバルサダ。 ドドドド 突き刺さるクナイ弾、所々机に穴が開き、弾丸の威力が伝わって来る。ヒヤ汗と同時にニヤっと笑う、バルサダ。 隙を突き、裏部屋へと消えて行った。
以臓 「 どこへ行く? 逃がさんぞ! 復讐に容赦は不要。 容赦は… 尖(セン)! 」< 右手に構えた雷神からクナイのような弾丸が放たれる >

< シュダダダッ > バルサダが向かって行ったドアに向けて、容赦なくクナイ型の弾丸を連射する、以臓。クナイ弾の威力に、徐々にドアが撃ち崩されて行く。
右手の雷神でクナイ弾を撃ちつつ、立て続けに左手の風神にて、床に向けてマキビシ型の弾丸を放つ 「棘(キョク)! 」 < バラバラバラ >
バルサダ 「 ………………………。」 < 裏部屋のロッカーから拳銃を取り出す、ガチャ >
以臓 「 どうした? 用心棒ってのは、かくれんぼが専門なのか? もう~いいかい? 」 <煽っているようで、本気でかくれんぼの専門家だと思ってる>
< ガチャ > ドヤ顔を持参の上、裏部屋から出て来るバルサダ。怪鳥のような、いびつな拳銃を構えている。
鷲型拳銃 「 ハゲワシ 」
バルサダ 「 もういいよ~ ( …待たせたな。 お前も終わりだ。)嘴(Beak)! 」< ハゲワシの口ばし型の弾丸が、以臓に向けて放たれる。>
バルサダが部屋を一歩踏み出した時、以臓が床に放っていたマキビシ弾(棘)を踏んで爆発するのと、以臓に向けて放たれたハゲワシの口ばし弾(嘴)が被弾する爆発が同時に起こった。< ドゴーン! ドゴン、ドゴン!! > 巻き上がる煙で部屋中の視界が奪われる。凄まじい爆風によって、重厚な西洋の甲冑すら外に飛んで行ってしまった。
< ボワぁ~ 部屋中に巻き上がる砂ぼこり >
以臓 「 はぁ はぁ …何だ、あの拳銃は。化けガラスか? 」< 膝を付く以臓。ハゲワシの口ばし弾をくらって、さらにケガを負っている様子。>
巻き上がる砂埃の中、クヌードが裏部屋へと消えて行く。
クヌード 「 そう言えば、バルサダとまともにやり合う奴も久しぶりだな。 …だが、もう手遅れだ。 クックク さてさて、一方的な惨殺ショーを見物するとしよう。 」
部屋中に巻き上がる砂埃によって、視界を奪われている両者。互いにイーブンな状況のはすだが、1人の男だけが余裕の笑みを浮かべている。
バルサダ 「 まさか、この砂埃、本物の砂とでも思ってるのか?< “スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 砂塵弾(dust)】 >嘴(Beak)!&爪(Claw)! 」
< ダスダスダス! > 連射する、バルサダ。
以臓に向けて放たれたハゲワシ弾が、激しく羽ばたいて上空へと飛んで行き、途中から体を砂状へと形状変化させて行った。 瞬く間に完全に砂に紛れ、ついにはその姿を消した。
巻き上がる砂埃の中、視界の悪さに危険を感じ、身を屈めてしばし物陰に隠れている以臓。 精神を研ぎ澄ませつつ、静かに反撃の時を待つ。
以臓 「 こうも視界が悪いと、迂闊に攻撃する事も出来んな。 だが、相手も同じはず。 」< 目を瞑り、相手の殺気を感じ取ろうと集中している >
< !? > 背後に並々ならぬ獣のような殺気を感じた以臓は、とっさに身をかわす。巻き上がる砂埃が まるで生き物のように渦を巻き、やがてハゲワシの口ばしへと形を変え、以臓に襲い掛かった。
< ザスッ ザスッ ザスッ! >
ギリギリで身をかわすも、間髪入れず、さらに背後から砂状になったハゲワシの爪が襲い掛かる。
< シャッ!シャッ!>
完全にかわし切れず肩口にかすかに被弾してしまう以臓。見上げると“砂状”の巨大なハゲワシが、不気味な顔で羽ばたきながら、こちらを見下ろしている。
以臓 「 …クッ 何だ これは!? ただの砂では無いのか? 」気付くと部屋中の砂埃が、まるで意図的に操られた生き物のように群集化している。
バルサダ 「 嘴(Beak)! 爪(Claw)! 」 < ダスダスダス! > 尚も無表情で連射してくる、バルサダ。
ザサ――ッ 再度、部屋中に巻き上がる砂埃で視界を奪われる以臓。砂状のハゲワシが、死肉をつまむように以臓の傷口目掛け、群がり、襲い掛かる。
<ザス ザス ザスッ!> <シャッ!シャッ!>
口ばし&爪の連続攻撃を必死にかわす以臓。抜群の身体能力で致命傷は避けるも、徐々に体力を削られて行く。
以臓 「 はぁ はぁ …この不気味な怪鳥め。いつまでも砂遊びをするつもりか? もう飽きたぞ! …本気で撃ち落とす 」
左手に持つ「風神」の“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 疾風弾(Blast)】
バルサダ 「 フンっ 強がりを。 くらえ、嘴(Beak)!&爪(Claw)! 」< ダスダスダス! > さらに、しつこく連射してくる、バルサダ。
< バサっ バサっ バサっ >
砂状のハゲワシが、死肉をつまむように以臓に一斉に群がって襲って来る。
以臓 「 尖(セン)! 」 < バシュー! >
突風を纏ったクナイ弾が、瞬時に砂のハゲワシを貫通する。穴が開くと同時にはじけ飛ぶ砂のハゲワシ。
バルサダ 「 !? 中々の威力だな… だが、この砂量には敵うまい。 」< ダスダスダス! >執拗に連射してくる、バルサダ。
撃ち落とした砂のハゲワシを見てニヤと笑う、以臓。
さらに、右手に持つ「雷神」の“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 迅雷弾(Thunder)】
以臓 「 棘(キョク)! < バラバラバラ > 雷を纏ったマキビシ弾を床にばら撒く。こいつの威力を見てみるか? 」
床に散らばっている石の破片を、マキビシ弾に向けてポイっと投げる。< ドガーン!バリバリバリ! >爆発と同時に立ち上る雷。 床が黒焦げになっている。
以臓 「 どうだ? こいつでシビレるような、本気の砂遊びでもしてみるか?それとも得意のかくれんぼでも再開するか? ニヤっ 」
雷を纏ったマキビシ弾の威力を見ても、全くたじろがないバルサダ。マキビシに向けて口ばし弾を撃ち込み起爆させて行く。 < ドガーン!バリバリバリ! >
激しい爆雷で、さらに巻き上がる大量の砂埃。
長年、人身売買系 闇企業(赫)の正規用心棒を務めて来た、バルサダ。 百戦錬磨の闇の用心棒と言うのは、これぐらいの事で動じる事は無い。戦闘に対する圧倒的な自信 …その分厚い背中が物語っているようである。 現に、部屋中に溢れた砂の一粒一粒が、バルサダの戦力である。
バルサダ 「 …何だ? 所詮 その程度か。 お前の復讐ごっこってのは、子供の砂遊び以下だな。」
< ビキッ > 表情が一変する以臓。バルサダに向け、「風神」「雷神」 を同時に構える。
以臓 「 尖(セン)! 」突風を纏ったクナイ弾と、雷を纏ったクナイ弾が同時に発砲される。 < バシュー! > < バリバリバリ! >
さらなる砂塵によって巨大化した砂状のハゲワシを捉え、突風と雷撃の威力で大破する。バッサーーン!! サラサラサラサラ 砂塵に戻る ハゲワシ。1匹1匹撃破しても、依然、部屋中に存在する、砂埃。さして量が減る事も無い。
バルサダ 「 ……で? フンっ 」ハゲワシをいくら派手に破壊しようと、再度砂状になり、振り出しに戻るだけ。決して終わる事のない、砂劇の無限ループ。
以臓 「 なるほど。本体を攻撃しない限り、延々砂遊びが続くって事か。 」 バルサダに向けて発砲する、以臓。 < バシュー! バリバリバリ! >
バルサダ 「 学習しねぇ奴だな。何をやっても、同じことだ。」< ダスダスダス! > 迎撃する、砂状のハゲワシ。
互いの特殊拳銃による激しい銃撃戦が繰り広げられるが、相殺が相殺を相殺する流れで、膠着状態が続く。 ただ増えるのは砂塵だけ。
バルサダ 「 そろそろ頃合いか。お前も終わりだ。」部屋中に充満する砂塵を見て、拳銃を構える。
【 暴利をむさぼる死肉突き_ジャイアント・デスノック 】! 嘴(Beak)& 爪(Claw)を連射する。
大量の砂塵が渦を巻き、無数の砂状ハゲワシへと形を変えて行く。しかも1匹1匹が先程までとは比べ物にならない、巨大な怪鳥だ。同時に飛び上がった4匹のハゲワシが、以臓目掛け爪をむき出しにして、降下して来る。<シャッ!シャッ!> ここに来ての4匹同時攻撃をかわせない以臓。
< ドス ドス ドス ドスッ!>
以臓の両手両足を、爪で踏みつける砂状の巨大ハゲワシ。体力も消耗し、身動きが取れない大の字状態の、以臓。次の瞬間、後ろに潜んでいた無数のハゲワシが、死肉(=以臓)をむさぼるため、群れを成して迫って来る。
亡霊軍隊の力無い行進のような、怪しくも不気味な足音が、じわりじわりとねじり寄って来る。 ザッ ザッ ザッ ザッ…
以臓 「 …クソっ お前ごときに手間取っている暇は無いのだ。 」一歩一歩迫り来る、不気味な怪鳥の群れ。
< ザッ ザッ ザッ ザッ… > ここまでか…
半分諦めかけたその時、ぎこちない動きをする、いかにも重厚な甲冑を纏った何者かが現れた。< ガシャガシャ >
謎の西洋の騎士 「 おうおうおう、何やらピンチのようだな、ロン毛のエセ釣り人よ。 助っ人いたす! 」
急に現れた、甲冑を身に纏った謎の騎士が、部屋に入って来ようと一歩進んだ矢先…
< ドガーン! バリバリバリ! >
運悪く 残っていた、雷を纏ったマキビシ弾をピンポイントで踏んでしまい、ド派手に吹っ飛ぶ、謎の西洋の騎士。 <ズピューン!>
ビリビリと甲冑が感電したまま、飛んで行く先に何者かがいる。
…バルサダだ。
あまりに意表をつかれ、避ける思考が働かないバルサダに、謎の甲冑騎士が見事にクリーンヒットした。
< ドゴォォン! ビリビリビリ!! >
感電しながら、倒れている二人。倒れた衝撃で、謎の西洋の騎士の兜から顔がチラ見えしている。 …どこかで見た事がある顔、…うーむ。 !? …条一狼だ。急に上映されたドタバタ劇のどさくさに紛れ、ここだ!とばかりに力を振り絞ってハゲワシの爪から脱出する、以臓。
以臓 「 うぬぬぬ! …お、お前は!? 病谷 妙日郎!<ビヨウタニ ミョウニチロウ> 無事だったか! 」
ビリビリしながら、西洋の甲冑を脱ぎ捨てる、条。
条 「 アタタッ …何でこんなとこに地雷が埋まってんだよ、ったく。 …って 大噛条一狼だ! 誰だよ!その珍妙なネーミングは。 」
以臓 「 驚いたぞ! お前、西洋人だったのか? 」
条 「 …んまぁ 何でもいいわ。 んで、こいつが用心棒か? 」< まともな会話が成立しないと、早々に諦める、条 >
ビリビリしながらも、ムクっと立ち上がる、バルサダ。
バルサダ 「 ……誰だ、お前? 今取込み中だ、邪魔するな。 」無表情な男が、静かに苛立っている様子。
以臓 「 …おいっ 少し話せるか? 作成会議だ。…これより、しばし消える。 ニヤっ 」秘策でもあるのか、条に耳打ちして”何か”を渡した以臓。
アイコンタクトをし、タイミングを見計らっている二人。ここぞと言うタイミングで、以臓が動いた。
以臓 「 よしっ ……いくぞっ! 隠れ身の術!! 」

まさかの、アレンジ無しで忍術名をそのまま叫ぶと言う、120%ネタバレの以臓の合図に合わせ、条は先程受け取った布を勢い良く広げる。< バッ >
( !? 小っさ。。 )
……ハンドタオルサイズの布を顔の前で広げ、しばし沈黙して座っている二人。 顔面すら全て隠せていない、丸見え状態。
条 「 …って、サイズ感! 」< ビタンッ >
布を投げ捨てる、条。しかも布の絵柄も背景とは全く違う、派手な模様である。全てが間違ってるとはこの事だ。
バルサダ 「 …………………。 」
クヌート 「 …………………。 」
以臓 「 フッ どうやら、成功したようだな。 ところで、何の話だったか? 」
条 「 …………………。 」
二人の間で情報共有は出来なかったが、消耗していた以臓の体力が、少し回復したようだ。 さすが忍者の血筋、回復力も常人では無い。
条 「 それにしても派手にやられたなぁ、大丈夫か?お前。 特に頭とか。」ケガをしている以臓と、銃撃戦でことごとく荒れている社長室。
以臓 「 少々危なかったが、助かったぞ、大噛条一狼。 感謝する。頭は軽傷だ。 」以臓に皮肉は通用しない。
条 「 …てか、フルネーム止めねぇか? ‥んまぁ そんな事は後でいいわ。取りあえず、加勢するぜ。」
バルサダ 「 おい、茶番は終わったのか? お前が誰だか知らんが、闇を相手にするとはどういう事か、教えてやるよ。」
特殊弾丸【 砂塵弾(dust)】にて、再び部屋中が砂埃で充満する。< ビュー!、ザッサ――――!! > 視界も不良になって行く。砂塵の中にうごめく、巨大な怪鳥の群衆の影。 死肉をむさぼりに行くタイミングを見計らってる、不気味な砂状のハゲワシだ。
条 「 クッ この砂嵐の中じゃ視界が悪すぎて、相手も見えねぇな。それと、何だ?あの気持ち悪いニワトリみたいなの。 」
以臓 「 …ここは、任せてもらおう。すまないが一旦避難してくれ。 」
躊躇無く、条一狼を巴投げでデカい水槽へと放り投げる、以臓。< ポーン >
条 「 うおっ、おい! やめ… うわぁーーー! 」
巨大な水槽へと飛んで行く、条。 水槽の中には趣味の悪い奇形の肉食魚がウヨウヨしている。
< ジャポーン! > 水槽の中に落ちる、条。群がって来た怪魚を必死に回避している。それに対し、親指を立てる以臓。 条( ポゴ。。…Good! じゃねーよ!)
条 「 ブクブクブクっ てめーー! 絶対に許さん、後で覚えとけよー!! ウギャーー ゴボゴボ… 」
一瞬だけ顔を水槽から出したが最後、再度怪魚に引き込まれてしまった。ぎょぎょ!怪魚だらけの水泳大会の始まりだ。
以臓 「 加勢はありがたいが、お前にばかり迷惑は掛けられん。…ここは一気にケリをつける。 」
目つきが変わる、以臓。
バルサダ 「 何だ? 仲間割れか? まぁ いい、さっきの続きだ。」
【 暴利をむさぼる死肉突き_ジャイアント・デスノック 】! 嘴(Beak)&爪(Claw)を連射する。
…大量の砂塵が渦を巻き、無数の砂状ハゲワシへと形を変えて行く。同時に飛び上がった4匹のハゲワシが、以臓 目掛けて爪を振り下ろす。
< シャッ!シャッ!>
とっさにかわす、以臓。 1匹に突風を纏ったクナイ弾を撃ち込む、尖(セン)! < バシュー! >瞬時に砂状のハゲワシを打ち抜き、粉砕した。 パラパラパラ
バルサダ 「 チッ まだだ。 」
以臓 「 二度も同じ手はくわん。…忍者を舐めるなよ! 正確には末裔だがなぁ!!これで終わらせる。」
「風神」「雷神」の“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 疾風弾(Blast)】! 【 迅雷弾(Thunder)】 !両腕を左右にクロスさせ、「風神」「雷神」のトリガーに力を込めて行く。血管がパンパンの以臓の両腕、パワーがチャージされていく「風神」「雷神」。
以臓 「 はぁ はぁ …これで 終いだ! “疾風・迅雷”(シップウ ジンライ)! 」
バルサダに向け、「風神」「雷神」にて同時に「 掌(ショウ)」を放つ。
< バシュー! > < バリバリバリ! >
“突風”と“雷”を纏った弾丸、掌(ショウ)が、左右に向け放たれた。一瞬彼方へと消えた弾丸が、大きな弧を描き、轟音と共に巨大な手のひらへと、その姿を変えて再び現れる。
グゴゴゴゴゴゴゴぉ
左右から迫り来る「 風神・雷神の巨大な手のひら 」 へと姿を変えた弾丸。群れている砂状のハゲワシがざわついている。
左側から迫って来る巨大な「風神」の手のひらと、右側から迫って来る巨大な「雷神」の手のひら。その中心で焦った表情のバルサダと、逃げ場を失い、うごめく砂状のハゲワシ。
グゴゴゴゴゴゴゴぉ 勢いを増した巨大な手のひらが、左右からハゲワシもろとも、バルサダを圧殺する。
以臓 「 【 神々の大事故_ゴッドアクシデント 】! 」
< クラーッシュ!! バゴーン!! >
突風と落雷が正面衝突したような甚大な衝撃で、ビル全体が大きく揺れている。
バルサダ 「 ぐはッ!! 」
万力の如く、全てを押し潰さんと勢いづく風神雷神の掌底を、両手で突っぱねて抵抗するもあっけなく圧敗し、“ねじれ”飛ぶ、バルサダ。
< グシャッ! ブチッ ドゴーンッ!! >
ゴッドアクシデントをまともにくらったバルサダは、交通事故に遭ったかのように、倒れたままピクリとも動かない。また、部屋中を覆っていた砂塵は一粒残さず、消滅していった。
同タイミングにて、衝撃で水槽が割れて怪魚と共に飛び出してくる、条。
< バシャーーン!! ボドドドドドォーーー!!! >
条 「 ぶはっ! ぜぇぜぇぜぇ …テメェ! 何しやがんだ! 以臓!! 」
片足に噛みついている怪魚を以臓へとぶん投げる。< ビュッ >
以臓 「 なんだ なんだ? 楽しそうだな、一人水泳大会か? おおがっ… 条一狼。 ハッハ 」
<ビチッ! > 飛んで来た怪魚を、裏拳で地面に叩き付ける以臓。
一部始終を裏のモニタールームから見ていた、クヌード。 バルサダを倒す程の強敵と認めながらも、自慢の社長室をメチャクチャにされた事に激昂している。何やら起動ボタンを押した。< ボワンッ > 六角形の極薄透明の強化ガラス板が中に浮いている。 歩き出すクヌードを護衛するように、身体周辺を浮遊している。
クヌード 「 色々と、ムカつく事やってくれたねぇ? …生きて帰れると思うなよ! おい! 」
裏のモニタールームから、クヌードが姿を現した。浮遊する透明の強化ガラス板を携え、手にはイビツな特殊拳銃を所持している。
以臓 「 ムカつく事だと? …貴様、どの口で言っているんだ! あらゆる辞書を引いても言い表す言葉が見当たらない、このド外道が!! 」
条 「 牙(Fang)! 」
< バンバンバン! > キンっ キンっ キン! 防御センサーに反応した、浮遊する強化ガラスに弾き返される弾丸。
以臓 「 …い、いきなり何する! こっちがまだ話してる途中だぞ! …何? 弾丸が弾かれた?? どう言う事だ? まさか、あいつロボか? 」
条 「 ふ~ん、やっぱ一緒か。下の階にいたヤツが“着てた極薄の”強化ガラスだな。よく目を凝らせ、あいつの周りにクルクル浮いてるガラス板は、拳銃の弾丸をも軽く跳ね返す、特殊強化ガラスだ。 …うっ ちょっと欲しい。」
以臓 「 あぁ、あいつが“着ていた”強化ガラスと一緒か。では、この男はロボでは無く一般成人男性だな。 」
( つづく )
