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オリジナル漫画「scope」原作-16

【吹星姉妹篇】VS違法ドラッグ組織(橙)第5話


ゴウラクの発言に表情を一変させる、吹星姉妹。 改めて、愛する母の仇が目の前にいる事を認識し、沸々と湧き上がってくる復讐という名の憎悪。地べたに寝ころんで身動きが取れない、狂気と苦悶の表情を浮かべるドラッグ中毒者を見て、2人の鼓動が地獄の暴れ太鼓と化して行く。

ここ 「 薬が何だって? お前のせいで、お母さんは… お前みたいな外道には、700,000倍の苦しみを味合わせてやる。 」

もも 「 マジで、覚悟しろよ。( …ってアタシの秘密兵器が無いじゃん。。 ) 」

ゴウラク 「 とんだとばっちりだなぁ。こっちは薬が欲しいって人に市場では絶対手に入らない“特別な”薬を特価で提供してあげてるだけなんだがな。 」


感謝こそされど、恨まれる筋合いなど全く無いというメチャクチャな主張をする、ゴウラク。この手のイカレた人間にいくら正論をぶつけても何の意味もなさない。人格の治外法権領域では、思いが熱ければ熱いほど、カウンターにて感情を逆なでしてくるボールが、キッチリと返球されて来る。 そう、ウザい程 正確に。

もも 「 でもさぁ 薬ならわかるけどさぁ、何でウチらの秘密兵器まで欲しいの?( まだ手元に無いのは内緒けど… )

ゴウラク 「 愚問だな。 闇の市場でも、需要超過だからだ。 要は欲しい輩が溢れてるから、異常に高額で売れるって事だ。 だが、お前らが持ってても 宝の持ち腐れだろ? 何なら買い取ってやろうか? ドラッグの売買でガッツリ儲けた金でな。クックク。」

瞬斗 「 ( だよねぇ、この 「ヘッジホッグ」も法外な金額で出品されてたし。 まぁ、闇のオークションに不正侵入して、落札したヤツから かっさらってやったんだけどさ。 …にしても激怒してたなぁ あのHN=Mr.武器マニアってヤツ… ) 」

ここ 「 …もういいわ …こっちは口喧嘩をしにこんなところまで来た訳じゃない。 これ以上口喧嘩すら出来ないように、その口、塞いでやる! 」

“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 結氷弾(Frazil) 】くらえ! 爪(Claw)!白熊の爪が付いた砲弾が、ゴウラク目掛けて撃ち込まれる。 < ドゴーン、ドゴーン、ドゴーン! >被弾と同時に周辺を凍結させる。 < バリバリバリ >

ゴウラク 「 ハッハハー バズーカーってのは強烈な威力だなぁ。だが、モーションがデカすぎて狙いがバレバレだ。当たらなきゃ何の意味も無い。< 蠍型拳銃 「デスストーカー」を構える。 > 鋏(Nipper)! 」

< ダンっ! ダンっ! ダンっ! >

おぞましいサソリの形をした特殊拳銃「デスストーカー」 から、サソリの大きなハサミと化した弾丸が放たれる。 散り散りに物陰に隠れる3人。隠れた物陰の壁を、サソリのハサミが荒々しく切り裂いて行く。

瞬斗 「 …うげぇ にしても、サソリって。 いかにも悪者って感じじゃん、怖っ & ダサっ 」

ここ 「 アタシの白熊ちゃんだと、近距離戦にはちょっと向かないか…  う~ん。 」

もも 「 この隙に、秘密兵器をと… 」

< 倉庫外に“ここ”が停めているバイクへと急ぐ。 >


ビイヤァーーーー!!! 口裂けェーーーーー!!!
倉庫外に出た“もも”の絶叫が聞こえて来る “ここ”が仕掛けた3Dゴーストトラップがまだ有効のようだ。ドップラー効果にて、遠ざかって行く“もも”の絶叫。

ここ 「 …あっ アプリ起動しっぱなしで、こっち来ちゃった…。 スマン、“もも” 」



【 --- 場面転換して、条一狼サイド --- 】

< タタタタタッ > 倉庫を出て、激走する条。 それをピッタリと追従する、ヤッキー。異常な目つきでニヤニヤしながら激走する。しばらく走ると、視線の延長線に満月をバックに高くそびえる海景電波塔が近づいて来た。

オシャレなカフェに噴水、連なる土産物店。 電波塔を中心に、小綺麗な公園が広がっている。未だ深夜のため店の明りはほぼ無く、その高さに加え、電波塔のネオンが際立って目立っている。足を止める条。

条  「 うおっほぉー 間近で見ると迫力すげぇーなー 高っ …ひと登りして、ちょっと修行したくなって来たわ。 」

ヤッキー 「 もう 追いかけっこは終わりか? そろそろ始めようぜぇー 楽しい 楽しい 殺し合いをさぁー  ヒャッハハ 」

条 「 見事に目、イっちゃってるねー。。…ま、まさかドラッグで図書館とかに変身しねぇだろな? 」

中華街で獲り逃した大型の人影を思い出す。

ヤッキー 「 あん? 変身??どうだろうなぁ、自分で試してみるか? 特別に安くしといてやるぜ、ブラザー! ヒーッヒッヒ 」

条  「 え? 安くしてくれんのか? じゃ 4ついただこうかしら… って、いらんわ! 」

ヤッキー 「 ホントにいらねぇのか?…んじゃ、勿体ないから、オレがもらっちゃうぜぇ ヒャッハハ 」

再び手の甲に乗せた怪しい粉を、一気に鼻から吸い込む、ヤッキー。 ニヤニヤしながら首を回し、パキパキと乾いた戦闘準備の音を立てる。その全身には、うねりくねる蛇のような不気味な血管が浮き上がり、むさぼるように周辺の酸素を食いちぎっている。 今まで見た事の無い、野蛮な深呼吸だ。
見る見るうちに、白目が赤黒く濁って行く。その赤黒いヤッキーの目に反射した自分の顔が、まるで血みどろになる事を暗示させるようで苦笑いをする、条。

条 「 チッ 縁起でもねぇ …とっとと終わらせてやる。 」

“ブラックパンサー961”を握り、ヤッキーに向かってクラウチングスタートの体制を取る、条。

ヤッキー 「 ヒャッハー! 気分が上がってきやがったぜぇ! もう我慢できん。 」

猫型拳銃 「ハイエナ」を握り、条に向かって飛び出す体制を取る、ヤッキー。

一定の距離を取って向き合い、互いの視線で威嚇する、“黒豹”と”ハイエナ“。 押さえきれない興奮をガソリンとして注入し、互いに心のアクセルを吹かしまくる。バキバキに張り詰めた空気は、一触即発を絵に描いたような対峙の構図だ。数秒の沈黙の後、互いにスタートを切った。 < ダッ! >

右手に拳銃を握った条が、左ストレートをかます。 同時に左手に拳銃を持ったヤッキーが右ストレートをかます。< バチン! > 激しくぶつかる拳と拳。間髪入れずに、互いに別の手で拳銃を弾き合う。 超至近距離で相殺される弾丸。< ダーン! > 衝撃ではじけ飛ぶ2人。すかさず距離を詰め、パンチと発砲の攻防が繰り広げられる。互いにパンチを数発くらいながらも、致命傷となる被弾は避けられている。 息つく暇もない、超至近距離における打撃と発砲の銃打撃。 一瞬の気のゆるみが命取りとなる攻防戦だ。

条 「 はぁ はぁ…さすがは闇の用心棒ってところだな。しかもドーピングしてやがるから、余計厄介だぜ。 心身共に得体が知れねぇ… 」

ヤッキー 「 ベリー スリリーング! じゃねーかよー ブラザー!! ヒーッヒッヒ  ほらっ 全身の毛穴からアドレナリンが湧き出てくるぅぅうううう! 」


インターバルを取らせず、ヤッキーが仕掛ける。 噛(Bite)!< バンバン! > とっさに条も応戦する。噛(Bite)!< バンバン! >噛(Bite)弾により、激しく噛み合う、黒豹とハイエナ。似たタイプの拳銃により、一進一退の攻防が続く。

条 「 …ノヤロぉ! 生意気な。 これでどうだ! 」

クルッと右回転をし、拳銃を握っている右の拳でバックブローを放つ。

とっさに両腕をクロスさせ、防御の構えを取る、ヤッキー。 自ら回転しながら、“スキャナーマガジン”にて特殊弾丸を選択する 【 気流弾(Jet)】

条  「 バーック フィスト!→ Jet!! 」

<シュゴォォォオオ―!>

Jetの勢いで急激に加速されたバックブローがヤッキーの両腕をはじき、見事 顔面にクリーンヒットした。

ヤッキー 「 ブハッ! 」

口から流血をし、回転しながら激しく吹っ飛ぶ、ヤッキー。間髪入れず、足元目掛け発砲する。 牙(Fang)!< バンバン!> 被弾したつま先が鮮血に染まる。 仕上げとして、Jetにより加速した回転を活かし、胴廻し回転蹴りをかます、条。< グルンッ バギ! > まさに電光石火、瞬輝の必殺コンボが炸裂した。仰向けにパタリと倒れる、ヤッキー。

条 【 押忍 】 空手ポーズ残心を取る、条。

ヤッキー 「 ……………………。 」

条 「 やったか? …って、この程度じゃくたばらねぇ事ぁ知ってんだよ! 猿芝居は止めてとっとと立ち上がりやがれ!テメェ! 」

ヤッキー 「 …クックク …ヒャッハハハ!! 何だ? 子猫がじゃれついたのか? 」

口から血を流し、足のつま先を打ち抜かれた状態でヘラヘラしている。

条  「 ったく 用心棒ってのは 本当タフだな。主食がマラソンランナーなんじゃねーの?? …あっ こいつはドラッグが主食か。 」

ヤッキー 「 主食がマラソンランナー? 何言ってんだ? そんもん好物な訳ねぇだろが。…お前も頭イカレてんなぁ? カッハハ 」

条  「 うっせー! お前だけには言われたくねぇーわ!! …タフだろうが何だろうが、関係ねぇ。思いっきりブッ叩くまでだ、心がぶっ壊れるまでな。 」

ヤッキー  「 威勢がいいねぇ~ お前みてぇな奴相手にすると、古巣を思い出すぜぇ。久々にゾクゾクするわ。カッハハ 」

条 「 古巣だと? 闇の用心棒組織の事か? どこを調べても詳細が分からねぇ、…うさん臭ぇの極みだな! 」

ヤッキー 「 おいおいおい、聞き捨てならねぇな。 ごく“普通”の派遣会社なんだが。 オレ、歴とした会社員だぜ、ブラザー! ヒーッヒッヒ 」

条 「 …『 お待たせ致しました。 魔界のステーキミディアムレアです 』 みてぇな赤黒い目して何言ってんの? 一体どこ探せばいるんだよ?こんなエキセントリックな会社員がよー。 」

ヤッキー 「 カッハハ そりゃそうだー まぁいい、続きをはじめようぜぇ。そろそろか? クックク 」

条 「 ん? そろそろって何だ? 」

ヤッキー 「 禁断症状ってのはよー 脱水症状になった状態で砂漠に埋められるようなもんだ。3㎞先の水の滴る音でも聞き分ける程全身が過敏になってんだぜ。 …来た来た、ほらな? ここに来るまでに少しづつドラッグをばら撒いてきたからぁ ヒャッハハ 」

< ザッ・・ ザッ・・ ザッ・・ >

倉庫にいた、末期のドラッグ中毒者たちが群れを成して追い掛けて来たようだ。凶暴化した目つきで、条を取り囲む。



【 --- 場面転換して、吹星姉妹サイド --- 】


鋏(Nipper)! < ダンっ!ダンっ!ダンっ!ダンっ! > ゴウラクが、蠍型拳銃 「デスストーカー」 を乱射している。

ゴウラク 「 どうしたー? こそこそ隠れてないで出て来いよ、クソガキどもが。 」

ここ 「 …連射速度が速いなぁ おいっ 瞬斗!お前何とかしろ! 」

<な・ん・と・か・し・ろ> 互いに隠れている場所からジャスチャーを試みる。

瞬斗 「 え? なに?? < あ・い・し・て・る・よ > おい おい~ “ももち”が居ないからって、大胆だなぁ 」

親指を立て、OKのハンドサインを送る。

ここ 「 おっ 伝わった! 任せたぜ。 」

親指を立て、OKのハンドサインを送る。

瞬斗 「 んじゃっ 今 行くよー! “ここち”ー! 」

両手を広げ、口を尖らせながら、こっちに向かって走り寄って来る。

ここ 「 …………………。」 殴(Beat)! < ボガーン!! > 気持ち悪い表情で走り寄る瞬斗に見事命中、爆発と同時に 肉球型の煙が上がる。

瞬斗 「 …べ? ナニゴノ、アイジョウビョウゲン 」

煙を吐き、大の字に倒れる、瞬斗。

ゴウラク 「 なんだ なんだ? 仲間割れとは、笑わせるじゃないのー クックク。さっきは、せっかくのショータイムを台無しにされたからなぁ、
次はゲームと行こうか? 」

“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 猛毒弾(ポイズン)】

ゴウラク 「 3回踏んだら、あの世行きだ! PANEL・THE・POISON! 」

床に向かって 針(Needle)を放つ。< ボシュッ ボシュッ ボシュッ! >途端に、部屋中に浮かび上がってくるランダムな数字。そして、無数のサソリと化した弾丸が、わさわさと床に溶け込んでいく。

ここ 「 なになに? 何か床の隙間に入ってったじゃん …どうでもいいけど、めっちゃキモイんだけど。。 」

瞬斗 「 ………………………。」
魂が口から出かけている。完全に意識を失ってしまったように見える、瞬斗。しかし、何やら薄目を開けているようだ。

鋏(Nipper)! < ダンっ!ダンっ!ダンっ!ダンっ! >サソリのハサミと化した弾丸が2人を襲う。 被弾した壁が煙を上げて溶けている。 …毒だ。

ここ 「 このまま隠れてるのも、限界かな… 打って出るしかないね。 」

応戦しようと、物陰から飛び出て【13】のパネルを踏んでしまう。紫色に光った床からサソリのしっぽが飛び出て来て毒針を足に刺される。< ズボッ! ブシュ!>

ゴウラク 「 トラップ発動ー あちゃー もうNGパネル踏んじゃったのー? 後2回踏んだら死ぬよ、お前。さぁ 何番と何番がセーフかな? クックク 」

ここ 「 痛っ! …チッ 足が痺れてきたかも。はぁ はぁ 」

刺された足に走る激痛、紫色に変色している。

瞬斗 「………………………。」


鋏(Nipper)! < ダンっ!ダンっ!ダンっ!ダンっ! > 再び、ゴウラクが 蠍型拳銃 「デスストーカー」 を乱射して来る。とっさに物陰に隠れる、“ここ”。 毒バサミの威力で、壁が崩壊していき、隠れる事が出来なくなって来る。 < タタタっ > 警戒しながら物陰を出て、ゴウラクと対峙する“ここ”。 よろけた拍子に、【79】【1】のパネルを踏んでしまう。とっさにみ身構えるも、床からサソリのしっぽは現れない。

ここ 「 …えっ? 何か法則でもあるの? わけわかんないんだけど。 」

“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 結氷弾(Frazil) 】くらえ! 爪(Claw)! 激痛に堪え、発砲する。軽々と砲弾をかわすゴウラク。 爆発と同時に床が凍り付く。< バリバリバリ >

ここ 「 うー 当たらんなぁ しかも、激痛で微妙に照準がズレるし。 参ったな、“もも” 早く来てくれー 」

ゴウラク 「 足が痛むのか? そうだろうな、 1回食らうと激痛と痺れ。 2回目食らうと発熱と嘔吐。3回目で… 人生が終わる。クックク 」


ごそ ごそ ごそ …ボロボロになった瞬斗が、満を持して立ち上がる。ヨロヨロと壁に手を付いた瞬間、紫色に光った壁からサソリのしっぽが飛び出て来て、毒針に腕を刺されてしまう。 < ズボッ! ブシュ!>

ここ 「 なっ 壁でもトラップが発動するの?? ってか あいつ大丈夫か? 」

助けに行こうと【9】【62】【209】のパネルを連続で踏んでしまう。

紫色に光った床からサソリのしっぽが飛び出て来て、毒針を足に刺す。< ズボッ! ブシュ!> トラップ発動だ。

ここ 「 しまっ、キャッ! …ううぅぅぅぅぅ 」

ガクリと膝を付き、うつむいたまま動かなくなる、“ここ”。 寒気と共に発する高熱、苦しそうだ。

瞬斗 「 …やっぱりな。 数字の法則なんて何もないよ。 ただのハッタリだ。 」

“ここ”の砲弾を食らい、倒れながらも状況を分析していた、瞬斗。

ゴウラク 「 ほぅ ハッタリとは、生意気な。 」

瞬斗 「 ずばり、起爆条件は数字では無く、“熱” だろ? 恐らく、床材を断熱材とノーマルの2パターンで敷いてるんだ、見た目は同じだけど。つまり、断熱材のパネルを踏んでも起動はしないが、ノーマルのパネルを踏んでしまうと熱に反応してサソリの毒針が襲って来るってわけ。仮説が確証になった要因は、“ここち” が結氷弾にて放った凍った箇所を踏んでも起動しなかったって点ね。」

ゴウラク 「 …チッ 凍った床がカラクリを解くヒントになるとは、運が良い奴め。ただのヘタレだと思ったが、頭だけはキレるようだな。 」

急激な発熱により、苦悶の表情で、バタリと倒れる“ここ”。 吐息も荒い。

瞬斗 「 “ここち”! …安心してねー ハッカーってのは、レア物も手に入っちゃうんだぜ。 」

“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 解毒弾(アンチドーテ)】針(Needle)!< プスっ プスっ >“ここ”と自分の腕に向けて、解毒作用を持った針弾を撃ち込む。 即時性により、熱も下がったようで、 “ここ”の苦悶の表情が、みるみる晴れて来る。

瞬斗 「 …あっ 解毒作用だけだから、ケガや体力は回復しないんだよねぇ。だから無理はしないでね。 」


( つづく )



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