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オリジナル漫画「scope」原作-44

【入来篇】VS殺人代行組織(藍)第6話

< ドゴン!ドゴン! >

撃てども 撃てども 相殺されては火花を上げて砕け散る、弾丸。 互いに1歩も引かず、激しい銃撃戦が繰り広げられている。

趙 「 貼れる拳銃? …全く舐め切った武器を使いおって。だが、どう言う原理か分からんが、色々と重宝しそうな武器だゾイ。 ぜぇ ぜぇ 」

シルド 「 …流石、軍隊出身というだけはあるな。 あのイカツイ特殊拳銃を、まるで花束を持つように軽々と扱ってやがる。 ゲホッ ゲホォツ 」

趙 「 トリガーをひくのがシンドくなって来たゾイ。ど、どうやら… ぼちぼち体力的にも限界が近づいて来たゾナ。 」

シルド 「 ワシとここまで互角にやり合った男は、中々おらんな。 …じゃが、最後に勝つのは、このワシだ!! 覚悟せいよ! 」

趙 「 チッ 全身の毛穴という毛穴から空元気を絞り出しやがって。いくら元気を絞り出そうが、闇に負けるシナリオは持ち合わせとらんぞ。 」

シルド 「 生意気な… ところで貴様は、尺玉は好きか? 派手に撃ち上げるとしようかぁ!!くぅおらぁあああああああ!!!!」

丸太のような野太い太ももを地面にドスンと下ろし、ガニ股・中腰になると、両手に貼った「湿布怒涛」を強く握りしめ、パワーをチャージしている様子のシルド。顔面を真っ赤にし、力んだコメカミにはくっきりと血管が浮き出ている。パワーをチャージしている様子を見るだけで、これから放たれる弾丸の威力が目に見えて予想できる。それを見た趙も、かつて戦場にて生死のやり取りをしていた時のような、覚悟を決めた顔つきになり、同調するように最後の力をチャージし始めた。

“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 宝石弾(サファイヤ)】

趙 「 どうせ暴走させるなら、とことん付き合ってもらうゾイ。 ぬぅっ 明日予定があったのだが、もう諦めたわ!! どたまが クラクラするまで 最大チャージしてやるゾナ! ぐぐぐぉぉぉおおおおあああああ!!!!」

< …ミキ ミキ ミキ > トリガーに全身全霊の力を込め始めると、まるで枯れ木が悲鳴を上げるかのように、趙の身体の節々から乾いた音が鳴り響く。

機は熟した。

互いに次の一撃に全てを掛ける事が分かっていたかのように、パワーチャージによって奏でられる“身体の限界音”を呼応させる。物悲しくも悲痛なコンチェルト。生まれながらに巨漢だった者同士、周りに対して手加減をせざるを得なかった人生。 全力を出せないストレスは溜まる一方で、捌け口を探すべく、やがて極端な道への岐路に立つ事となる。

軍隊と殺し屋。 目的は違えど、どちらも人を殺めるという過程がある職業だ。 そこに正義の有無があるにせよ、一般企業に比べて、異質である事に変わりはない。 理解はし合わないであろう2人ではあるが、どことなく似ている要素もあるようだ。


シルド「 …そ、そろそろ終わりにするでごっす。 行ぐどぉお! ハジけ飛べぇぃ!! 満・願・岩・石!!!!  特砲っーー!!!! 」

大きく背中を反ると同時に、両手を後頭部方面に回すと、手首辺りから徐々に見えて来る特大の砲弾の横顔。 思いっきり前屈する勢いで両手を合わせ、趙に向けて必殺の砲弾を解き放った。

< ボゴゥホホホホホホゥゥウウウウウウウウウウウ!!!!!! >

同タイミングで趙サイドも必殺の弾丸を放った。

趙 「 …直接お前に恨みは無いが、闇への恨みを請け負ってもらうぞ! くらえぃ! クロサイの衝突_マキシーマ・インパクトォ!!!! 」

宝石弾にてサファイヤ化したクロサイ弾:激(ゲキ)が、全速力でターゲットに向かって行き、正面衝突を試みる。趣味は“正面衝突”と履歴書に書くぐらいの正面衝突マニアっぷりだ。全体重を乗せた突進&頭突きの衝撃を放つ必殺弾:激(ゲキ)に加え、サファイヤの硬度が上乗せされたその弾丸の威力は、通常の威力の数十倍に膨れ上がる。

< シュグブゴゴゴゴゴゴゴォオオオオオ >

禍々しい威力を纏った特大の砲弾と、青黒く輝く巨大なサイを模した弾丸の突進が、今まさに正面衝突を繰り広げる。

< ピキーーーン …… ズドガゴオゴゴゴゴオォオオオオォオオォオオオオオオオオオオオンンン!!!!!!! >

激突した際の強い衝撃にて、互いに吹き飛ばされる両者。 必殺弾を放つだけで既にボロボロになっていた身体は、赤子に蹂躙された人形のように精気が無い。

荒れ狂う台風に抵抗する事すら出来ず、敢え無く吹き飛ばされるビニール傘のように、バッキバキになって地面を転がり続けた。 < ゴロゴロゴロ~ >
博物館館内の壁や天井までも半分以上が吹き飛んでいる様子。

シルド 「  ………………………。 」

衝撃と共に空元気も派手に吹き飛ばされ、うつ伏せに倒れたまま、目が半開きの瀕死死の状態だ。

趙はと言うと…

両足を床に突き刺し、はち切れん程の太腿で踏ん張り、背中を反ってはいるが辛うじてスタンディング状態を保っている。 一瞬気を失ったかと思ったが…マウンテンゴリラのドラミングのように両手で胸を叩きながら覚醒し、グイッと起き上がって来た。

< ドドドド… ウホホホホホォォォオオ >

骨折している腕で胸を叩いているため、骨折音と打撃音による、心地の悪い不協和音が鳴り響いた。血だらけでボロボロ状態の趙。大きく目を見開き、キレたような狂気の表情を見せる。

<ズボッ ズボッ >

床に突き刺した両足を抜くと、フラフラとしながら黒犀型拳銃 「クロサイ」を拾い上げた。

趙 「 ぜぇ ぜぇ ぜぇ …ど、どうした筋肉自慢? もうグロッキーとは情けないゾナ。 戦場はこんなものでは無いぞ。 ゴホッ ゴホッ 」

シルド「 な、なんて野郎だ… 人間じゃないでごっす… もはやこれまで… 」

“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 宝石弾(サファイヤ)】

趙 「 よしっ このロケーションの結末としては上出来だゾナ。ぐぬぬぬぬぅ く、くらえぇい 踏(トウ)! 」


< ドッ ドッ ドゥッ! >

上空にサファイヤと化したクロサイの足を模した弾丸を放った。その刹那、隙を狙っていたシルドがここぞとばかりに動く。片手のツッパリを壁面に向かって放ち、爆風の威力を利用して逃走を試みた。< ドシュー! > それを見逃さなかった、趙。 同じように激(ゲキ)を壁面に向かって放ち、爆風の威力を利用してシルドの方へっと飛んで行く。

< バゴォーン! > …< ガチッ > シルドの背後を捉え、ガッツリと羽交い絞めにする、趙。


趙 「 …おいおい、逃げるなよ、キャッチャー。 オレの気持ち、全弾受け止めてくれ。」
羽交い絞めした状態でシルドを上空の方へと向ける。

シルド 「 …や、やめろー <!?> 」
ジタバタするも、趙の羽交い絞めは牢獄のように固く、振り解く事が出来ない。


< ピューン… キラッ キラッ >

先程上空に放った、サファイヤと化したクロサイの足弾が、落下と同時にターゲットを激しく踏みつける。上空から降り注ぐ、荒々しいサイの地団太。 羽交い絞めにされ、身動きが取れないシルドを、次々と踏み付ける。 分厚く硬い足裏の、青黒く煌めく雨あられ。

シルドを楯に取っている趙も同時に衝撃を受け、地面に埋もれて行く。


< ドダダダダダダダダダダダダッ!!>

シルド 「 …ぐはっ  」

全弾がクリーンヒットしてボロボロの状態のシルド。 体中にサイに踏みつけられた凹み痕があり、意識が無い。 < ドサッ >羽交い絞めにしていたシルドを地面へと投げつけ、趙が姿を現した。

趙 「 ぜぇぜぇぜぇ …どうだ、クロサイの“くるぶし”は? 満足いったようだゾイ?」

安堵の表情と共に、その場に倒れ込む、趙。

巨漢vs巨漢の壮絶な善悪肉合戦は、趙に軍配が上がった。 無論、手抜きが一切出来ない相手であったため、有益な情報を聞き出せるような事は皆無。

衰えたとは言え、かつて“屍天王<シテンノウ>”と称された伝説の軍人。闇のエリートヒットマン如きにやられる程、その実力はまだ錆び付いてはいない。



<  美魔女 VS 小娘 / “ここ” × BIMA サイド  >


ここ 「 にーっひっひっひ 想像以上のダメージのようねぇ? モテナイ女ってのは、運も悪いってもんよ! ほりゃ! 爪(Claw)! 」


< ドゴーン! >

偶然居合わせた大女?のような生物によって、重症を負わされたBIMA。 近距離から放たれる“ここ”のバズーカを辛うじてかわしているが… 被弾した際の衝撃の威力で、大きく吹き飛ばされる。

< バチバチッ ジジジ >

凹んだ顔面がショートしている。


BIMA 「 チキショー!あの大女さえいなければ… しかしあの小娘、水を得たトビウオのように急変したわねぇ、…アンタ絶対性格悪いっしょ?」

ここ 「 オバハンには言われたくねぇわ! てかさ、もうスクラップ寸前なんだから、いっそのこと降参しちゃえば? 聞きたいことあるんだけど。 」

BIMA 「 …降参? 闇のヒットマンを舐めんじゃないわよ! そらっ ネイル・イエロー! 」
黄色の爪弾が放たれた < ダダダダダダッ !! >

ここ 「 って、危なー! なんだぁ、全然やる気じゃんねー ふーん、でも知らんよ?跡形もなくなっちゃってもさ。 何か勘違いしてるようだけど、どっちかって言うと、アタシの方がオバハンらに用があるんだよ!!あんたらみてぇな闇の人間は、絶対に許さねぇからな! 」

BIMA 「 あらら 随分と感情的になってんジャン。 復讐かぁ そんなもんしたってお金になんないでしょ? 全然興味無いワ、アホらしっ。 フフっ 」

ここ 「 …やっぱさぁ 高級レストランとか行ってもガソリンとか飲んじゃうの? ぷぷっ ロボには人間の感情が分かんないかー だよねー 」

引き攣った笑顔を必死に保ちながら、挑発し合う両者。 「全然大丈夫ですよ」 的な態度を取ってはいるが、余程腹が立っているのだろう。特殊拳銃を構え、ヒリついた空気を鋭い視線でかき混ぜるかのように、臨戦態勢が続く。膠着状態も束の間、短気の申し子が、早くも痺れを切らす。

BIMA 「 …キーッ! だ、誰がガソリンなんて苦いモノ飲むもんか!! 無駄な殺しは疲れるだけだからしないんだけどさぁ …お前は特別だよ!ほらっ 老婆のように朽ち果てろ! ダブルネイル・パープル&ポインズン!」

毒々しい紫色の爪弾が放たれる <ダダダダダッ !!>

両手より放たれた紫色の爪弾の連射が、マシンガンのように“ここ”を襲う。とっさにドアの物陰に隠れ反撃の隙を伺う“ここ”だが、被弾した爪弾から噴き出る猛毒の“壊死力”を見るや否や、冷や汗を掻き狼狽している。 原子レベルの素材がもがき苦しむようにうねり、見る見るうちに朽ち果てて行くドア < ジュワ~ >

ここ  「 危っ …って、ガソリンが苦いとか、ガチで飲んじゃってるじゃん。 な、なんかゴメンね。…にしてもこの毒、なに! キモコワっ 」

BIMA 「 何だよ、その冷ややかな目は!! ガソリン飲むってロボあるあるに、ドン引きしてるんじゃないよ! ガソリンはねぇ、メープル混ぜて飲むと、クセになる美味さなんだよ!! 」

ここ 「 ……ははは、美味そうだね。 今度アスファルトの粒々でも入れてみれば? ぷぷっ 」

BIMA 「 今度試してみるね、ってバカにすな! …まぁいいわ。お前には たっぷりと毒を味わってもらうカラ。 この毒は特別でねぇ、どこぞの悪い科学者が編み出した、闇の調合が施されてるノヨ。激痛と共に老化するように朽ち果てて行く … 小娘用にはサイコーじゃない? 」

ここ 「 ホント、悪っいロボ魔女ババアに見えて来たかも。 そんな毒、例え食らっても若くてぴちぴちの細胞が分解しちゃうもんねぇー 」

BIMA 「 悪いロボ魔女ババアって…随分と詰め込むじゃないの。 …まるで、悪口の幕の内弁当や~じゃないのよ!!いい加減、減らず口はその辺にしときな。ほらっ! 更に一段深いブレンドになるワヨ。ダブルネイル・ブラック×パープル&ダークポインズン! 」

黒紫の爪弾が放たれる

< ダダダダダッ !!ジュワ~ ジュワ~ ジュワ~! > 

被弾した物質が、無音の断末魔の代わりに毒蛇のような黒紫色の煙を上げ、次々と朽ち果てて行く。 その物質がコンクリートだろうとアスファルトであろうと、お構い無しの駆逐力だ。 身軽な体さばきで避け続ける“ここ”。 しかし、被弾したら1発KO並みの劇薬弾なため、張り詰めた緊張感と、険しい表情に余裕は1㎜も無い。


ここ 「 …はぁ はぁ 避ける事自体は大した事じゃないけど、プレッシャーが半端ねぇー… 高層ビル屋上の際っきわで、祖母の形見の茶碗を頭に乗せて避け続けてるような、劇ヤバ・スリリングな感覚だわ。瀕死のオバハンのくせに、厄介だぜ。 」

BIMA 「 ハハハハハ そりゃ 怖いよねぇ? 全てを朽ち果てさせる猛毒だもの。ねぇねぇ 頼むから試しに食らってみてヨー  …顔面にさぁ!! 」

< ダダダダダッ !! ジュワ~ ジュワ~ ジュワ~! >

引き続き避け続ける“ここ”だが、体力と集中力が削られて行くだけで、反撃のチャンスが見いだせない。相手はスクラップ同然の重傷を負っているため、“ここ”のバズーカを1発食らっただけで恐らく決着がつくだろう。 しかし、そこは相手も闇のヒットマン、隙を与える気などさらさら無い。

“ここ”の避ける動きを予測して爪弾を連射して来るため、次の一手を打つことが中々出来ない。


ここ 「 …はぁ はぁ はぁ やっぱこの距離では不利だよねぇ …少し距離を取るか。よしっ 砕チャンお手製のこいつの出番だ! 」
<ポイッ>

豪傑苺<ストロングベリー>

戦闘前に新兵器として趙から渡されていたイチゴ型の手榴弾2粒を、BIMAに向けて躊躇なく投げつけた。


BIMA 「 なに!? しまった… 」

< ボンッ!ボンッ! ジュワー モクモクモク >

はじける果汁、飛び散る赤い煙幕が、見事にBIMAの視界を奪った。 この隙をついて少し距離を取る“ここ”。


ここ 「 よっしゃ! 顔面に食らわせてやったぜー にっひっひ にしても、このイチゴの甘い香りは必要無いんじゃない?  …って ギッ 」

< ボギッ!! ドゴーン!! >

煙幕により目隠しに成功したと、無防備状態で逃避していた“ここ”の背後に、予測外の衝撃が走った。 何事も無く追跡して来たBIMAが、全力疾走からのミサイルキックを“ここ”の腰へとヒットさせた。 衝撃で身体をくの字に折り曲げ、壁に向かって勢い良く吹き飛ぶ“ここ”。 赤い煙幕とストロベリー臭が漂う地下室で、BIMAのキメ立ち姿がひと際存在感を高めた。 腰をくねらせながら、すまし顔で“ここ”に向かって歩み寄って来る。 無観客の1人ランウェイ状態である。

BIMA 「 あら? 言って無かったかしら。 アタシに目くらましは通用しないのよ。 色んなモードで対象物を確認出来ちゃうから、煙幕なんてカビが生えた手法 …バカにしてるの? ホント笑っちゃうわ。 あなた、何時代からやって来た人? ハハハハハ 」

< バチバチッ ジジジ >

壁に埋もれている“ここ”に対し、ショートしている凹んだ顔面で得意げに言葉を投げ掛ける。 自動切換えにて作動したサーモグラフィモードにより、体熱にて対象物を感知していたようだ。 食らったダメージよりも、酷く侮辱された方が大ダメージだったような表情でBIMAを睨みつける、“ここ”。

ここ  「 …くっ 無防備な相手に背後から不意打ちとは、ヒットマンの鑑のような卑怯な攻撃ね。 煙幕が何て?目くらましな分けないじゃーん。キツめの消臭剤っしょ。 この地下室、香水塗れの機械臭が酷かったからさー 相殺するには爆風と煙幕も必要かなぁって。 にひっ 」

片膝を付き、めり込んだ壁から立ち上がって来る、“ここ”。 あからさまに腰を押さえており、不意打ちの攻撃は想像よりもダメージが大きいように見受けられる。 しかし、それを悟られるのを嫌い、強がって瞬時に煽り返した。 負けず嫌いと意地の張り合いの極限状態である。


BIMA 「 まともに入ったのに、まだ悪態つけるとは中々タフじゃないの? そろそろ、その口黙らせてあげるわ! そらっ ネイル・グリーン! 」

緑色の爪弾が華麗に放たれる < ダダダダダダッ !! > 足を引きずりながらも辛うじてかわす、“ここ”。 意地と苛立ちを糧に、反撃を試みる。

ここ 「 はぁはぁ やられっぱなしは良くないよねぇー  りゃっ! 爪(Claw)! 」
< ドゴーン! > シロクマの爪弾が放たれる。

モーションと溜めが大きいため、満身創痍のBIMAにもギリギリでかわされてしまう。 しかし、完全にはかわし切れず、バズーカの爆風の衝撃で大きく吹き飛ばされる、BIMA。 こちらも、残された力の配分を計算し、だましだまし身体を動かしている印象だ。

BIMA 「 クソっ 無駄に破壊力があるわねぇ… こちらもあまり食らう訳には行かないわ。 これ以上やり合ってても時間の無駄よ。 あんたこそ降参したらどう? まぁ 降参してもヤルけどさ。 ハハハハ 」

ここ 「 …って、選択肢無いじゃーん。 物騒なオバハンだよ、全く。 どうせ粉々に砕かれてスクラップ工場逝きなんだから、今のうちに大好きなガソリンでも一気飲みしときなよー にっひひ 」

BIMA 「 言うよねぇ、この小娘が!闇の人間を舐めた奴の末路…(ウゲッ アタシでも吐き気がするわ…)存分に味合わせてあげるわ!」

互いに決め手が無い状況にヤキモキしている様子。 いずれにしても、二度と立ち上がれないぐらいの衝撃を与えないと気が収まらないという事もあり、互いに必殺の一撃の間合いを図っている。この距離での撃ち合いでは、やはり“ここ”が圧倒的に不利な状況であるが、果たして。

BIMA 「 < ジジッジ… > 覚悟は出来たかしら? こんなにアンラッキーでモアハードな仕事は久しぶりよ… 終わったらボスに休暇申請ネェ 」

ボフーっ!と 盛りのついたエアコンのように勢い良く息を吐き出すや否や、即座に瞑想するように目を閉じる、BIMA。 お祈りのポーズ もしくは1人恋人ツナギのように、両手の指と指を交互に絡めて組み、強く握り込んでいる。 < バジバジバジッ > 握り込んだ両手にパワーをチャージし、エネルギーが集中されて行く。

ここ 「 おほっ なんかスッゲーのが来そうじゃん… ヤバッ でもパワーチャージする時間があるんなら、こっちも好都合じゃね? やったらぁ! 」


“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 結氷弾(Frazil)】 バズーカのトリガーを強く握りしめ、パワーをチャージしている。

BIMA 「 ハッハハハ …させないわよ! そらっ ネイル・ライトブルー! 」

特殊拳銃のパワーをチャージしようと力を込め始める“ここ”。その模様をパワーをチャージしながらこっそり横目で見ていたBIMAが、とっさにブーツを脱ぎ捨てると、水色の足爪弾を放った。< ズビビビビビビッ >超低空の弾道で放たれた足爪弾。 地面を這うように“ここ”に向かって飛んで行く。

ここ 「  !? マジかっ! え? 足からも撃ってくんの? ひえぇ―― 」

トリガーに込めていた力を緩め、とっさに物陰に隠れる “ここ”。 間髪入れずに放たれる足爪弾に防戦一方で、大技を繰り出す準備が出来ない“ここ”。

BIMA 「 ハッハハハ どうしたのー? オシャレは足元からって言うじゃないー? ほら ほらっ 綺麗な色でしょ? 気に入ってるノヨネェ! 」

ここ  「 …んだよぉ パワーチャージに集中出来無いじゃん…  てか何?  “水虫”色の爪? ギャー キモイんだけどぉーーー!!!! 」

BIMA 「 < ピキッ ジジジ > ちょ、挑発には乗らないわよ… 生意気言ってられるのも、あと数分って感じネ。 そらっ ネイル・ライトブルー! 」

< ズビビビビビビッ > 水色に輝く、超低空の弾道で放たれた足爪弾。 地面を這うように“ここ”に向かって飛んで行く。

ここ 「 ウゲェー 感染するんですけどぉーーー!! こ、このぉ… 」 < ドドドドドゴーン >

反撃を試みるもBIMAが繰り出す足爪弾の連射によって、バランスを崩してしまう“ここ”。 それを見逃さないBIMAの目が鋭く光る。

BIMA 「 < ジジッジ… > …チャージが完了しちゃったようネ その生意気な顔を見るのもこれで最後。 せいぜい醜く叫びなさい!! 」

ここ 「 <!?> …ヤバッ 」

BIMA 「 …十の色に十の苦しみを。 泣き叫びなさい! < ジジッジ… > スウィートテン・スクリーム!! 」 < プシュゴゴゴゴォォオ!!>

お祈りのポーズを一気に解放するように、両手の指を一斉に勢いよく伸ばす、BIMA。 1色1色に人が苦しむためのおぞましい効果が付加されている、十色に彩られたネイル弾。 アクロバット飛行を同時に繰り広げる戦闘機の軌跡のように、各色が入り乱れてターゲット=“ここ”に向かって飛んで行く。バランスを崩している“ここ”は迎撃できる事も出来ず、苦し紛れにパーカーコートを羽織り、身を隠した。


( つづく )


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