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オリジナル漫画「scope」原作-43

【入来篇】VS殺人代行組織(藍)第5話


倒れ込む “ケツアゴ”仮面男Aへと近寄って来る、ワザカル。 ヘルキャップMCGを深々と被り、興ざめしたような真顔の表情をしている。 ふと床に滴り落ちる鮮血を眺めると、真顔だった表情が、苛立った表情へと一変した。

ワザカル 「 …こっちもさぁ、素人じゃないって分かってるよね? これ、薄めたケチャップ?? とぼけるのもいい加減にして欲しいなぁ!! 」

帽子のツバに手を当てて、倒れ込む “ケツアゴ”仮面男Aに照準を合わせ 奥歯をゆっくり・強く噛む、ワザカル。 徐々にツバ部分が発光して行く。 どうやら、渾身の一発を放つため、特殊拳銃のパワーをチャージしているようだ。 16口ある銃口の奥に潜む特殊弾丸。 その先端には、鋭利な刃物のようなものが現れ、16個の弾丸が、1枚の鎌のように連結している様子だ。

ワザカル 「 ソリッド系の弾丸ってあんま聞いた事無いだろ? 斬れ味も爆発力も、1級品なんだぜ。クククッ その首、仮面ごと刈ってやんよ!! いっけー!! SHINI GAMA ITACHI !!!! 」奥歯を思いっきり噛み込んだ。 < ガチッ!! >

“ケツアゴ”仮面男A 「 !? 」

死神の鎌を想起させる1枚の刃弾が、まるで回転しないブーメランのように刃を剥き出しにし、一直線に “ケツアゴ”仮面男Aへと向かって行く。 絶体絶命の“ケツアゴ”仮面男A。 < シュパッ!ドゴゴゴゴン!!!! > 容赦なく被弾したSHINI GAMA ITACHIが、大爆発を引き起こす。



【 --- 場面転換して、ダークサイド --- 】


ワザカルと“ケツアゴ”仮面男Aとの戦闘を鑑賞している、ブォーグ。 被弾し、もはや絶体絶命の“ケツアゴ”仮面男Aの様子を見て、ニヤッと笑っている。

ブォーグ 「 あらら、素顔を拝む事無くゲーム終了か? やはり、今回はワザカルが持って行ったか。残念だったな、BIMA。ハッハハ 」

ご機嫌な様子で、新たに開けた高級ワインを一口飲み、報告の電話を掛けようとしたその瞬間… 背後に人の気配を感じる、ブォーグ。 ゆっくりと振り向くと、そこには“ケツアゴデス”仮面を被った1人の男が立っていた。 見る限り、仮面にレプリカの文字列のような物は見当たらない。

ケツアゴ”仮面男 「 …随分とご機嫌じゃねぇか、大将。 どうやら、この天才の作戦を舐めてたようだな。 」

ブォーグ 「 …………………… 。 貴様、ここがどこだか分かっているのか? 一体何者だ? 」

< バサッ >

ケツアゴデス仮面とマントを同時に脱ぎ捨てた。


その正体は………


なんと、瞬斗であった。

瞬斗 「 お前が、殺人代行系闇企業(藍)のトップだよなぁ? …オレは入来瞬斗。 …入来家一族を代表して復讐を果たしに来たぜ! 」

ブォーグ  「 は? まさかお前が今回のターゲットか? かー こりゃやられたな。 …ふーん、ケツアゴデスなんだ?君。アーッハッハッハ 」

瞬斗 「 …テ、テメェ …ふぅ~ 初っ端から憎たらしくてありがとよ! クソみてぇなヤローなら、心置きなく潰せるってもんだぜ!! 」

事前に練っていた瞬斗の作戦はこうだ。 “自分ひとりが殺人代行系闇企業(藍)のトップを直接叩くので、囮になって欲しい”と。本来、闇の組織への復讐を試みようと思うと、敵のアジトへ乗り込むという手段が王道だが、今回の相手が殺人代行系闇企業という事で、イヤでも相手の方から仕掛けて来るという点を逆手に取った作戦であった。事前に会合の情報を敢えて漏らすように操作し、まんまと引っかかったヒットマンを返り討ちにしようと。さらに現場にトップは赴かず、アジトに引きこもって指揮を執るだろうと。瞬斗の読みは的中した。 …しかし、この陽動作戦が全て上手く行ったところで、瞬斗が勝てる保証は1㎜も無い。

むしろ、1vs1の戦闘では明らかに分が悪く、高い死のリスクを伴った決死の作戦であった。


< 軽業師 VS ケツアゴデス / “ケツアゴ”仮面男A サイド >

< シュパッ!ドゴゴゴゴン!!!! >

“ケツアゴ”仮面男Aにモロに直撃したかに思われたが、その瞬間、突如現れた閃光によって見事に相殺されたようであった。巻き上がる爆炎の中から、仮面とマントを脱ぎ去った男が、颯爽とその姿を現す。

ワザカル  「 何だと!? あの決死のタイミングからとっさに切り替えて、相殺なんて出来るわけがねぇぞ… 」

“ケツアゴ”仮面男A 「 …ヘタレの演技をするのも、肩が凝るよね。 てか、仮面越しでしか接した事無いけど。 …さぁて、もう三文芝居は終わり終わり。 」

仮面を取ったその男… 飛山翔であった。 隼型拳銃 「ペレグリン ファルコン」の銃口から硝煙が立ち上っている。 彼もまた、正真正銘ケツアゴデスのメンバーでもある。 もちろん仮面も本物のため、ヒットマン達に対して多少の混乱を招く事に成功した。

< ピピッ > 瞬斗から協力者全員にメッセージが届く。 それに気付く戦闘中の協力者達。

瞬斗 「 BOSSとの接見に成功!みんなの囮作戦のおかげです。 …ホントありがとう! って、早く助けに来てくれぇぇええ!! 」

手練れのヒットマン達との戦闘で手一杯の中、メッセージを見た面子が、各々反応を見せる。

趙 「 …ぜぇぜぇ だからあれだけ言ったのに。自業自得だ、自分で何とかするゾイ! 」

ここ 「 …テメェ マジで後で覚悟しとけよ! 待って 待って 待ってぇー! イギャぁぁあーーーー!! 」

条 「 …クソガキが、カッコつけやがって! とっとと くたばりやがれ!! うざっ キモッ 足短っ 」

飛山 「 ( 言葉にならない、冷めた溜息をついている )

各々が各々の想いを背負い、煮えたぎる程に本格化する闇との戦闘に今、その信念を奮い立たせる。


< 巨漢 VS 巨漢 / 趙×シルド サイド >

交互に繰り返される“投げ技合戦”が依然続いている様子。 『 国立 くるぶし博物館 』 の床が、思春期を迎えた月面のクレーターようにボッコボコに凹んでいる。所々に散らばっている“くるぶし”と思われるシュールな破片が、巨漢同士のぶつかり合いという分かりやすさとの対比で、その不気味さを一気に増加させる。

「 何やってんだ?」 もしくは、「 どこぞの地方オリジナルの祭りか何か?」 が、素直な印象である。当人たちは、互いに流血し息を切らしているが、相手を一気に戦闘不能にさせるような決定打が無い。 両者ともに、尋常ではない攻撃力を有するが、防御力と体力も負けず劣らずバケモノ級であるため、埒が明かない。

趙 「 …ぜぇぜぇ これで24ターン目ゾナ? いい加減くたばっても良いと思うが。 ゴホゴホッ 」

シルド 「 …ぜぇぜぇ 26ターン目でごっす。 それはこっちのセリフだ、貴様の骨は鉄筋か? ブハッ 」

趙 「 いずれにしても、こちらの番だゾネ。 ゴラッ 」

< ドバチンッ!>

趙、渾身の変則裏投げが炸裂する。 後頭部からモロに床に叩きつけられる、シルド。 グロッキー状態かと思いきや、何も無かったかのように立ち上り、趙の両足を持ち光速ジャイアントスイングでぐるりと一周ぶん回した後壁に思いっきり放り投げた。

< ゴガッ! >

壁にめり込む、趙。 こちらもすぐにめり込んだ壁から立ち上がる。 ここまで来ると、意地の張り合いもギネス級だ。

シルド 「 本当にタフな男でごっすね。 …さて、どうしたものか。 」

趙 「 いつまでもこうしておられんゾナ。 瞬斗の助っ人に向かわねば… う~む。 」

順番的には趙の番だが、趙が仕掛けない限りは、ルールを破ってシルドから仕掛けるような事はしない様子。 何を礼儀正しく守ってるんだか分からないが、シルドなりの拘りなのだろうか? 何か打開策が無いか、座り込み一息入れてから考え込む、趙。

趙 「 う~む。 ひとつ聞くが、お前は研究所の事を何か知っているゾネ? 」

シルド 「 何でごっす?急に。ワシはおしゃべりなんぞに興味は無いでごっすよ。 …研究所? そんなもん知る訳無いわ。 」

趙 「 …だろうな。。 では質問を変えよう。お前の会社の社長はどんなヤツだゾイ? 」

シルド 「 だーかーらー おしゃべるするつもり等無いと言うとろうが! …社長はなぁ 反吐が出るほど悪い奴だな、だがワシより強い。 」

趙 「( おしゃべり嫌いと言いながら、律儀に応えているゾイ… )お前より強いのか? 俄然、瞬斗が心配だゾネ。 」

シルド 「 これ以上くだらん時間は不要でごっす。 …よしっ 次のワシのターンで終わらせてやるぞ。 」

趙 「 全く、せっかちなヤツだなぁ、もう少しコミュニケーション取っても良いゾネ。 …だが、次のターンで終わらせるとは、少々冗談がキツイゾナ。血液にまでプロテインが流れ込んでしまったのか? お前のターンが来る前に終わらせてやるゾナ!! 」

おもむろに、館内にある巨大な“くるぶし”のオブジェに両手を突き刺すと、メキメキと音を立てながら丸い部分を引っこ抜いた。まるでマグロの目玉のようだ。

趙 「 こ、これも立派な “投げ技” だゾネ?<全身がプルプル震えている>  くらえぃ!!くるぶしキャノン!! のぉぉぉおお!!!! 」

< グゴゴゴゴォォォォオオ >

20mはあろう大理石の巨大な“くるぶし”オブジェが、シルドに向かって投げつけられた。 紛れもない豪速球である。 猛スピードで降り注ぐ巨大な隕石に圧し潰されるように、なすがままにシルドに直撃した。

< ドベゴォン!! >

立ち上がる土煙と同時に、しばしの静寂が訪れる。

趙 「 ぜぇ ぜぇ ぜぇ …流石にこれをまともに食らっては、一たまりもあるまい、内蔵までペラペラになったゾネ? 」 その場に大の字に倒れ込む。

< ピキッ >

趙 「 !?  …まさか幻聴か? 」
巨大くるぶしから、不穏な物音が聞こえた気がした。


< …メキメキメキッ …ドッ ゴァァガガァアアーーン!!! > 亀裂が入ったかと思った途端、爆発に近い強い衝撃で巨大くるぶしオブジェが崩壊した。

趙 「 ぎぇっ!?  …ウソだろ? 卵じゃないぞ、大理石だぞ?? 」あまりの光景に、鼻がもげてひっくり返っている。

シルド 「 く、くるぶしから生まれた、くるぶし太郎 」
全身血だらけで、奇しくも桃太郎とは真逆の「鬼の形相」である。 そう、まさに赤鬼状態。

趙 「   ………………………。 」
( な、何言ってんだ?こいつ )

シルド 「 …ぜぇ ぜぇ ぜぇ ゲホ ゲホォッ! こ、こんなもんか? 随分と軍隊も生ぬるいでごっすねぇ。 んでは、今度はワシの番ね? 」

一世一代のボケをスルーされ、身体的なダメージに加え、恥ずかしさと言う心的なダメージも同時に負ってしまい、フラッフラ状態のシルド。その満身創痍の見た目とは裏腹に、次で終わらせると言い切った自信も顕在で、まだ目が死んでいない。 ふ~と一息吐くと、肩から背中に貼られている湿布のようなものを剥がしているようだ。 < ザッザザ > 静かに趙の後ろに回り込み、両手をクラッチする。

シルド 「 シンプル イズ ベストでごっす! フィニッシュはこれじゃ!!! どぉおらっ!!! 」

古き良き日のプロレスラーを彷彿とさせる、ひねりを利かせたバックドロップが炸裂した。 常人には即死レベルの破壊力ではあるが、2人の対決のフィニッシュブローにしては、少々迫力に欠ける。食らった趙もダメージは負っているが堪えうる範疇内で、致命傷では無い様子。

趙  「 痛っつつつつつ…  だが何だ、こんなもんか? 飛んだ拍子抜けだな。」

シルド 「 ワシの事、勘違いしているようだな? 戦闘好きのルールを守る礼儀正しい奴とでも思ったか? …ワシは、殺し屋でごっす。 ニタァ 」

趙 「 !? 」

倒れている趙を横目に、ムクッと起き上がると、貼っていた湿布のようなものをペタリと両手のひらに付けた。 すると今度はきしむほど、手を固く握り込んでいる。相撲のツッパリの要領でパーにすると同時に趙に向かって手のひらを突き出した。 < ドドッ! > 条件反射で首をひねる趙。寝転んでいる趙の顔のすぐ横に衝撃と共に大きな穴が開いていた。冷や汗を掻き、驚きの表情を見せる。趙はと言うと、顔面は避けられたが、謎の衝撃が肩口をかすめ、流血している。

シルド 「 カッハハ  ずっと丸腰とでも思っていたのか? 闇のヒットマンには拳銃が付き物じゃろうが。 お気楽な奴でごっすね。 」

錬金系特殊拳銃「湿布怒涛」
湿布のように身体に貼り付けて携帯出来る、超薄型の特殊拳銃である。 手のひらに貼り付け力を込めて握り込むと、湿布を模した特殊合金の内部で弾丸が生成される、近未来兵器の実験版だ。 並みの握力では弾丸が生成される事は無く、見た目は一般的な湿布でしかない。

善悪問わず、ごく一部の限られた人間にしか使いこなす事ができない。 また、握り込みの力加減、握り込み時間などによって、放たれる弾丸も変貌する。シルドは握り込んだ後に、力士がツッパリを繰り出すように、手のひらから銃弾を発砲する事が可能である。 繰り出す速度によって威力も絶大になる。

シルド 「 取りあえず 殺してからだな。 その後に存分に楽しませてもらうでごっすよ。 死後硬直した筋肉を殴り続けられる快感… たまらんぜ。」

趙 「 とんだ変態ヤローだゾナ… 通常のヒットマンとは違い、正々堂々やる筋肉バカなタイプだと、一瞬でも信じた自分がバカだった。」

しゃべりながらも、流血している肩口を押さえ、何とか立ち上がる、趙。同時に相手にバレないよう、自身が置いた特殊拳銃の位置を確認する。今いる場所からでは、大分距離がありそうだ。シルドの気を反らしながら、特殊拳銃を得ようと試みる。

シルド 「 貴様は格闘技の試合でもしに来たのか? 相手が丸腰であれば、逆に意地でも武器を使うのがヒットマンの定石でごっす。 」

趙 「 そうか良く分かったゾナ。こちとら元軍人、その辺りの道理はわきまえておるわ。 かかってこい!!」 大胆にもキャッチャーのポーズを取る。

シルド 「 大した覚悟で ごっすね。 では遠慮なく行かせてもらうぞ。そりゃ!! そりゃ!! 」

左右の手で、交互にツッパリを繰り出す、シルド。と、同時に手のひらから発射されるソフトボールサイズの砲弾。 < ドシュー!ドシュー! >

趙 「 クッ 」

とっさにオブジェの物陰に飛び込んで逃げる、趙。
< ドゴン!ドゴン! >
木っ端みじんに破壊される“くるぶし”のオブジェ。

シルド 「 なんだ、なんだ? キャッチャーが避ける野球なんて聞いた事ないぞ。 ちゃんと受け止めてもらわんと。 カッハハ 」

趙 「 なんて威力だ… まるで大砲のようだゾイ。 こりゃ思ったより至難の業だぞ。 あそこまでの距離がこれほど果てしなく思えるとは… 」

シルド 「 むぅ? 休んでおらんか? まだ まだ まだ まだぁー!!!! 」
< ドドドドド、ドシュー!ドシュー! >

これでもか!と言うぐらい、左右のツッパリで連射して来る、シルド。 襲い来る砲弾の大群に“くるぶし”オブジェを拾っては大破される、趙。 直撃は何とか回避しているが、確実にダメージを負っている様子。 さらには、序盤で繰り広げられていた投げ合戦で蓄積したダメージが、ここに来て重くのしかかって来たようだ。

タフが売りな趙も、そろそろ限界が迫って来ているように見受けられる。 衝撃で地べたに横たわり苦痛の表情を浮かべる。

趙 「 チィ こんな使い方は不本意なのだが… そうも言ってられんゾナ。 よしっ やるか。ぜぇ ぜぇ ぜぇ おらっ ここ目掛けて来んかい! 」

フラフラとしながら、再びキャッチャーのポーズを取る、趙。 それを見たシルドが怒りに満ちた表情でニヤリと笑う。

シルド 「 カッハハ 。ワシの気持ち、やっと受け止める覚悟が出来たでごっすか? 名キャッチャー。よしっ 渾身のストレートで決めてやろう! 」

トルネード投法を彷彿とさせる仕草で、右手を強く握り込む、シルド。大きく振りかぶり、趙に向けて砲弾を放つ。< ドシュー!> その瞬間、スタッと立ち上った趙がパーカーコートの内側から短刀の肉切り包丁を取り出すと、2アウト満塁 逆転のチャンスにバッターボックスへと入るメジャーリーガーのようにどっしりと構えた。
身体を折り曲げ、極端に尻を突き出す独特のバッティングフォームだ。 無論カッコ良さは微塵も無いが、“なんか打ちそう感”満載のフォームである。

趙 「 …包丁は、調理のために具材を切る大切な道具。 砲弾を撃ち返すのは、これで最初で最後だゾナ!!! どうぉらっ!! 」

< ガチィン!!>

短刀の肉切り包丁をバット代わりにフルスイングし、シルドが放った砲弾を根元で強引に打ち返す。 意表をつかれたシルドはかわし切れず、とっさに左手から繰り出した“ツッパリ弾”で、ギリギリ砲弾を相殺した。

< ドゴゴゴォォオオオン!! >

大爆発で巻き上がる噴煙。 相殺はしたものの、衝撃でダメージを負っている様子のシルド。漂う噴煙で、しばし視界が奪われた。

シルド 「 …クソっ あの野郎!! キャッチャーじゃなくてバッターだったのか! やられたでごっす…  <!?> 」 口から血を流し何かに気付く。

巻き上がる噴煙の中、どしっと構えた“大きな塊”が見え隠れしている。 徐々に収まって行く噴煙。 改めて目を凝らしたシルドが事態を把握し、冷や汗を掻く。そこには、肉切り包丁を片手で握りしめ、ドヤ顔で黒犀型拳銃 「クロサイ」を肩に担ぐ、趙の姿があった。
< ジャーン!>( ドラが鳴る効果音 )

趙 「 ぜぇぜぇ …やっと丸腰の呪縛から解放されたゾイ。 これで早期決着がつきそうだな! …武器を手にした軍人、舐めるなよ!! 」

短刀の肉切り包丁をシルドに向けて挑発し、宣戦布告をする、趙。<シャキーン!> その後前言通り大事な調理器具を、打ち返して汚れた箇所の断面を丁寧にふき取ってから、パーカーコート内へとしまい込む。 <シャキーン!> 互いに特殊拳銃を用いる戦闘になったが、すでに満身創痍の状態である。

シルド 「 …って、包丁は使わんのでごっすか! だが、どちらが強いのか… それを決める事に変わりはあるまい。早く貴様を ノシて、その筋肉(弾力)を味合わせて貰うでごっす。…何日も何日も、筋線維が崩壊するまで、存分にな! ニタァ 」

趙 「 キモイぃゾネ… お前には包丁では無く、特殊な弾丸がお似合いだゾエ? さぁ、再開しようか!! くらえぃ!! 角(カク)!! 」

黒犀型拳銃 「クロサイ」を構え、クロサイの角弾を放つ < ドダダダダッ!>

シルド 「 身体に似合って、ゴツい特殊拳銃でごっすねぇ。 望むところじゃ!!! そりゃ!! そりゃ!! 」

左右の手で、交互にキレの良いツッパリを繰り出す
< ドシュー! ドシュー! >

趙が放ったクロサイの角弾と、シルドが放ったツッパリ弾が、互いにぶつかり合い相殺される度、衝撃で激しい火花が咲き乱れる。

< ドバッ ドバッ ドバッ ドバッ >

荒々しい火花は著名な花火大会を軽く凌駕する程の光量で、巨漢同士のぶつかり合いに相応しい。ド派手な背景画となり、空間にピタリとはまり込む。


( つづく )


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