オリジナル漫画「scope」原作-29
【趙篇】VS遺伝子操作組織(緑)第7話
悪魔のガマグチは勢いが止まらず、趙を飲み込んだガマグチ目掛けて我も我もと襲い掛かって来る。 < ガボォォ! シュグッ!!バモー!! > 激しくうねり、入り乱れてうごめく、ヘルトマト群。 その光景まさに、阿鼻叫喚。 …狂気と絶望が入り乱れたこの状況下で、完全にタイミングを逸した人物が現れた。
条 「 よー おっさん。助太刀に来たぜ! …ん? あら? ウゲェェェええ キッモーー!!! 」不気味にうごめく謎の植物と、蔓延する激臭。
嗚咽と共に… 大噛 条一狼、ここに見参!
ヨウゼン 「 なんやなんや?まだ味方がおったんかい。だが、時すでに遅しやったな。 カッカカ」
モニタールームにて条が入って来る所を確認しているヨウゼン。
条 「 なんだ、このキモ植物?は… おっさーーーーん どこ行ったー?? 趙のおっさんよー! 」
裏のモニタールームから、ヨウゼンが姿と現した。 サッと手を挙げると、怯えたようにワサワサワサと道を開けるヘルトマトの群衆。 あれだけ興奮していたヘルトマトがすんなりと言う事を聞いている。本来コミュニケーションが不可能とされている植物を、完全にコントロール出来ている事にどこか不気味さを感じてしまう。
ヨウゼン 「 なんや兄ちゃん。食材の仕入れやったら1Fの受付に行って貰えるかー? …って吹っ飛ばされてもうてるやん!!」
条 「 んあ? 誰だ 貴様。 おっさんにしては随分とスケールダウンしてんじゃねぇかよ。図書館から公衆便所ってところだな。 」
ヨウゼン 「 なんて? 図書館やら便所やったらここや無いでー。さっさと出て行きー しっし。 」
条 「 …お互いくだらねぇ おとぼけ合戦は止めにしようぜ。お前闇企業のTOPだろ? 用心棒って感じじゃねぇし。 」
ヨウゼン 「 せやな。 それにしても、お前も随分とこちらの世界に詳しそうやなぁ 一体何もんや! 」
条 「 ただの清掃員だよ。世の中の影に隠れて中々落ちない汚れを見つけ出し、掃除して回ってるところだ。んで、趙のおっさんはどこ行った? 」
ヨウゼン 「 なるほどー 清掃員ねぇ。ウチは綺麗やし、間に合うとるよ。で、なに? 趙のおっさん? そいつならヘルトマトちゃんの養分になっとるよ。 」
ヨウゼンが指した先に、数体のヘルトマトが1体に噛み付くように重なって横たわっている。 床に散乱するヘルトマトの破片と劇液、そしてかすかに混じる血痕。謎の植物が何なのかはおいておいて、激しい戦闘があった事は明らかだ。
条 「 !? まさか、あのおっさんが食われたってのか?? 貴様! 」
黒豹型拳銃“ブラックパンサー961”を構える。
ヨウゼン 「 おっと、清掃員にしては変わった掃除機もってるやないか! 食われた? はて、なんのことやら。 あの世でガーデニングでもしてるんちゃうか? 」
< ポワー > 突如、噛み付くように重なっているヘルトマトがかすかに赤黒く発光し出した。見る見るうちに増幅して行く赤黒い発光が、大爆発を引き起こす。
<ドバーーン!!> “内側”からの衝撃で粉々に飛び散るヘルトマト群。中から劇液まみれの趙が姿を現した。 パーカーコートの一部が溶けている。
趙 「 宝石弾(ルビー) …危うく消化されるところだったゾイ。あれ? 条? どうした、こんなところに。久しぶりだな! 」
条 「 おっ!いるじゃねぇか。そっちこそ、そんなとこで何してんだ? 趣味で山菜積みでも始めたのか? ニヤっ 」
ヨウゼン 「 なんやと!? ヘルトマトに丸のみされてケロッとしてる奴なんて聞いた事あらへんで… チッ 」ヘルトマトに向けて手を挙げ、指示をする。
< フシャーー! フシャーーー!! フシャーーーー!!!> 再び興奮したヘルトマト群が激しくうごめき出した。
趙 「 ん? こいつら、なぜに言う事を聞くんだゾイ? …条、話は後だ。まずはここを片付けるゾイ! 」
条 「 了解だ。 」
ヨウゼン 「 植物やのに、なんで言う事を聞くのか、不思議そうやな? 冥土の土産に教えたろか? 話は簡単や。何でも言う事を聞く人間の遺伝子を注入しとるだけや。 …遺伝子操作の可能性は無限大なんやで。カッカカ 」
人身売買企業との取引で、安値で売られている男児を買い取り、虐待を繰り返す。毎日決まった時間に体罰を行う事で男児への恐怖を植え付け、何でも言う事を聞く身体へと仕上げる。肉体的苦痛を利用した、強制的な支配だ。 この支配された男児から細胞を取り出し、植物への融合実験を繰り返し、成功したのが、植物兵器ヘルトマトである。 “手を挙げる”という体罰のサインを出すと大人しく従うという、闇の主従関係が確立している。
趙 「 !? 貴様! 研究所を楯に、色々と悪事を働かせていたようだな? …やはり真の外道! 絶対に許さんゾヨ!! 」
ヨウゼン 「 悪事? 商売や商売。植物兵器はお偉いさんが高う買うてくれるんやで。ほな、続きや! 頑張りや~ 」裏の部屋に移動する。
ガスを浴び、まるでトリップ状態に陥ったかのように、興奮して暴れ回るヘルトマト群の襲撃が、再び始まった。
趙 「 条! 少し下がっていろ。こいつらに生半可な弾丸では効かないゾナ。私に任せて貰おう。 」
条 「 は? 拳銃が効かない植物なんて、んなもん あるわけ無ぇだろー 食らえ! 牙(Fang)! 」 < バンバン! >
< バチン バチン バチン! > 肉厚のヘルトマトの茎が、黒豹の牙弾を弾き返した。 返す刀で、鞭をしならせるように猛スピードでガマグチが条に襲い掛かった。
条 「 マジか!?こいつは普通の拳銃じゃなくて、特殊拳銃だぞ… グッ 」 < ドガっ! > 床に叩き付けられる。
趙 「 !? 条! …言わんこっちゃ無い。大丈夫か! 」
条 「 痛ぇててっ なんだ こいつ、恐竜? いやっ新種のエイリアンじゃねぇか。 」全身を強く叩きつけられ、ダメージを負っている、条。
趙 「 さすが、タフだゾイ。分かったなら、ちょっと下がっていろ! 」
間髪入れずに、ヘルトマト群が襲い掛かって来る。 < フシャーー! フシャーーー!! フシャーーーー!!!> “スキャナーマガジン”を両親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 宝石弾(ルビー)】
趙 「 いつまでも調子に乗るなよ。さて、ルビーの硬度に耐えられるかな? 食らぇい! 角(カク)!! 」 < ドダダダダッ!>
赤黒く輝くクロサイの角弾が、ヘルトマト群へと発射された。< ボシュー!ボシュー!ボシュー!>前後に重なる数体の茎を、軽々と貫通して行くルビーの角弾。勢いそのままに、壁をも突き破って行った。 あまりの威力で弾痕がくっきりと円形に穴が開いている。
ヘルトマト 「 ピギャーー! プギューーー!! ボシャーーーー!!!!」 クロサイの角弾がヒットし、バタバタと倒れて行く。 次々と飛び散る劇液。
条 「 おっほー やるじゃねぇかー! 趙! なんとも気持ち良く撃ち抜きやがるぜ。 」
趙 「 いくらドーピングしようが、所詮植物だゾイ。 可愛いものだ。 ニタっ 」
条 「 …あれがか? ウゲェ キモっ 」
ムキムキの茎に、ギザギザの牙の隙間から劇液をダラダラと垂れ流しているハエジゴクの頭部。
ヨウゼン 「 こりゃあかんな… しゃあない、わしも出るか。 」
モニタールームから高みの見物をしていたヨウゼンが、いびつな特殊拳銃を携帯している。
特殊弾丸による攻撃が有効になり、次々とヘルトマトを撃破して行く、趙。 破裂して飛び散る劇液の異臭に、相変わらず嗚咽している、条。しばらくすると、ピンチを察したヨウゼンが、再び姿を現した。
ヨウゼン 「 お前ら、もうええわ。皆殺しじゃ!! 」
特殊拳銃を構えると同時に、手を挙げ、ヘルトマトへ合図をする。
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 宝石弾(サファイヤ)】 行けぃ! 噛(ゲツ)!< ガシュー!ガシュー!ガシュー! >ヨウゼンが放った弾丸と同時に攻撃を仕掛けて来る、ヘルトマト群。
趙 「 やっと出て来たか! 食らぇい! 角(カク)!! 」
< ドダダダダッ!>
次々と撃ち落とされる悪魔のガマグチ。しかしその群衆に紛れた青色に輝く悪魔のガマグチが、趙が放った弾丸をはじき返す。そのまま噛み付くように被弾した。
趙 「 グハッ! 」
サファイヤと化したハエジゴク弾に噛み付かれる、趙。 肩口から流血している。
ヨウゼンが持つ特殊拳銃が判明する。植物型拳銃 「ハエジゴク」
条 「 …紛らわしっ! どんだけこの草が好きなんだよ、テメー! …あっ! お前にはたくさんハエがたかって来るからかー 納得だ。ニヤっ 」
ヨウゼン 「 誰がう〇こや! やかましいわ!ほっとけ! …それにしても、ルビー弾とはな。 サファイヤ弾と硬度では互角。後は腕次第になりそうやな。 」
趙 「 はぁはぁはぁ 食虫植物好きはそう言う理由があったとはな。ダッハハ 条、ヘルトマトの方を任せて良いか? 私はあいつを仕留めるゾイ。 」
条 「 あのキモイのをか? …まぁどっちも気持ち悪ぃからいいか。 それにこれは、お前の復讐だもんな。 OKー! 引き受けた! 」
ヨウゼン 「 まさかこれで終わりやと思ってるのか? …まだ実験段階やが、植物兵器の本領を見せたるわ! 」 < ブチッ >
ヘルトマトの果実をもぎ取り、何やら怪しい液体を注射をする、ヨウゼン。 見る見るうちに金赤に発光したヘルトマトの果実を、真上に放り投げた。同時に拳銃で果実を撃ち込む。< グシャ! ピカーーーー!!! >まばゆいばかりの激しい発光が、部屋を包み込んだ。
条 「 まぶしっ! …ぁんだよ、いきなり。 ん!? 」
ヨウゼン 「 カッカカ!! すくすく育てよ! 極・光豪勢 < ゴク・コウゴウセイ >!! 」
万年便秘に悩む太陽が、トイレで踏ん張った時の発光量並みの強烈な光。 踏ん張る度に、ライオンのたてがみのようになびく輪郭の炎が一斉に燃え盛る。そのエゲツない熱量と明度は、魔界の日サロの如し。 趙と条はその眩しさに、一時視界を奪われた。 徐々に戻って来る視力。 瞼とゆっくり開けると… そこには特撮映画の撮影か?と思わんばかりの、異様な光景が広がっていた。
強烈な光を全身に浴び、さらに肉厚になって行くヘルトマトが、金色へと姿を変貌させた。 さらに、茎に付いているトマト果実は、ボワっと金赤に発光している。ゆ~っくりと点滅する果実を、ヘルトマト自らが食らい始めた。 < ブシャブシャブシャ …ゲェッ >ゲップをする悪魔のガマグチの口元から、光りが漏れている。
条 「 おいおいおい、これ ギングビィドラじゃねぇか! 話が違うぞ、趙! 」
趙 「 ………ま、任せたゾイ 」
裏部屋から屋上へと移動するヨウゼンを追い掛ける、趙。 < ダダダダ >
条 「 趙っ、待てよ! 」
ものまねの如く、口を尖らせて叫ぶ。
< グォフシャーー!!! > 全身ゴールドという、神々しくも不気味な姿となったヘルトマト群が、ワサワサと条の目の間に立ちはだかった。
条 「 チッ しゃあねぇな… 草に恨みはねぇが、はじめるか。 …位置について、 よーい ドンっ! 」
成敗開始の号砲が、ヘルトマトの森に鳴り響く。
次から次へと条に向かって噛み付いてくる、悪魔のガマグチ。 あまりのスピードに辛うじてかわしてはいるが、ところどころ軽傷を負っている。かすった箇所が強烈な劇液によって溶けている。< ジュワー >
条 「 こりゃ、まともに食らう訳にはいかねぇな… 短期決戦は望むところだ! 」
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 気流弾(Jet)】トリガーに力を込め、パワーチャージしている。目を見開き、こめかみの血管が浮いている。
条 「 バラバラに引き裂いてやるぜ!! おらぁーっ! 爪(Claw)→ MILLION-Jet! 」 < シュドッ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ!! >
後方にのけ反り、反動を活かしてクルンっと縦回転しながら、渾身のJet弾を放った。 ヘルトマト群に放たれた無数の黒豹の牙が、ジェットの勢いで加速し、ドーナッツのように円形状になって飛んで行く。縦型の高速回転に群れを成す爪弾が、怒涛の如く襲い掛かる。ヘルトマトの野太い茎の首部分に被弾、そのまま縦に下降し、地面を吹き飛ばした。< ドドドゴゴォーーーン!!! > 1体のヘルトマトが無数の爪に引き裂かれ、大爆発を起こした。
条 「 はぁ はぁ はぁ ふぃ~ 如何に固くとも弾丸は効くようだな。 だが、こんなん何発も撃てねぇぞ… 参ったな…。 」
1体の大爆発をきっかけに、さらに興奮するヘルトマト群。 力むようにガマグチをつむると、腹部分が発光し出した。 嗚咽を我慢しているように見える。次の瞬間、強烈な“汚光”が放たれた。 < グブォシャーー!!! > 猛毒と劇塩酸が混ぜられ濃縮された劇液がビームのような勢いで放たれた。
< ビシャーーーー!! ビシャーーーー!! ビシャーーーー!!>1体のヘルトマトが汚光を放った途端、残りのヘルトマトが呼応するように、汚光を放って行く。悪魔の忘年会で、アルコール度数7億℃のウォッカをしこたま飲んだ、禍武器町の裏路地のような凄惨な光景。 たまらず室外に飛び出て避難する、条。
条 「 …汚ねぇ あれ食らったら1撃で溶けちまうだろうな、夢も希望も。さぁて、どうすっか? 車は外だし… こりゃ カウンターしかねぇか。 」
< グォフシャーー!!! > 腹を光らせ、興奮状態のヘルトマト群が蠢<ウゴメ>いている。 部屋の入口部分に集まり、条が入って来るのを待っている。金色に輝く不気味な笑顔は、この世の地獄を簡単に想像させた。 やがて痺れを切らしたヘルトマト群が、一斉に腹を光らせ、力んでガマグチを閉じている。ちらっと室内を覗く、条。無数の悪魔のガマグチが、こちらに向かって一斉に汚光を放つ準備をしていた。 < ピカぁー >
条 「 !? ヤバッ! 爪(Claw)→ Jet !! 」
とっさにJet弾を反対方向に放ち、部屋に飛び込んだ。 < バシューン! >
< グブォシャーー!!!×30 > 一斉に放たれた汚光を間一髪のタイミングでかわした、条。 あまりの勢いに反対の壁に転がりながら激突している。
条 「 クッ 植物兵器ねぇ 下手な戦車より強ぇんじゃねぇか…? ってこっち来んな!! 牙(Fang)! 」 < バンバン! >
< グォフシャーー!!! > 汚光をかわされ、激高したヘルトマト群が、条目掛けて突進して来る。< カキッカキン!> 応戦するも、見事に弾かれる牙弾。いかに特殊拳銃と言えど、通常の弾丸では通じないようだ。 黄金に輝く、不気味でなめらかで、強靭な茎。お構いなしに条に噛み付いてくる。< バクッ バクッ バクッ!> 前後左右に飛び、必死にかわす、条。同時に後方のヘルトマト群が汚光を放ってくる。 < ビシャーー!! ビシャーー!! >
激しく床に放たれた勢いで、吹き飛ぶ、条。 飛んだ先にて、劇液を右足に浴びてしまい、履いていた靴が丸々溶けてしまう。
条 「 チッ 靴まで溶かしやがって… きっちり弁償してもらうぞ、テメェ!何なら右足のみ5足買わせんぞ、人間の嫌がらせ なめんなよ!! 」
溶けた靴を気にしている内に、すっかり周りを取り囲まれてしまった。 条に向け、一斉放射をするつもりだ。力むようにガマグチをつむり、徐々に光り出す腹部分。汚光がチャージされて行く。このタイミングを待っていたかのように、条も特殊拳銃にてパワーをチャージしている模様。
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 黒影弾(Shadow)】 両手にてトリガーをガッツリとグリップし、全身の力を一点両腕に集中させ、パワーをチャージしている。 目は血走り、食いしばった奥歯から流血が見受けられる。ヘルトマトはと言うと、汚光が口元へと昇って行き、いよいよ一斉放射のタイミングに差し掛かった。
条 「 ぐぬぬぬぬうぉう!! 今後、1㎜も動けると思うな!クソ植物めがぁ! 不動なる支配_絶・ブラックベルト!! 」< バシューー!! >
群がるヘルトマトに向けて放たれた弾丸が、途中から黒豹形の影に形を変え、地面の中を潜って進み、複数に分散する。 擬人化した黒豹の影が、空手着の黒帯を結ぶように、悪魔のガマグチの口を帯できつく縛り上げた。 < メキメキメキ >口を閉じられ、激しく暴れるヘルトマトだが、影黒帯の締め付けが強まるだけで、口を開く事が出来ない。徐々に口元に上って来る汚光。
条 「 ぜぇぜぇぜぇ …これで止めだ!! 押忍!! 牙(Fang)→ Jet !!! 」 < バンッ バンッ バンッ!! >
ジェット気流で加速した牙弾が、膨れ上がったヘルトマトの光る腹部に次々を直撃した。 < ボガァァン! ボガァァン! ボガァァン!! >
口を塞がれた事によって逃げ道を無くし、溜まりに溜まった汚光が、牙弾の衝撃をきっかけに大爆発を引き起こした。 黄金色に飛び散る劇液の花火。
映画に出て来るちょっと太めのマダムが、電子レンジを使って小悪魔をチンで撃退した時のような凄惨さ。 < コロ コロ コロ~ > 転がって来るヘルトマトの果実。< グシャっ > 右足で踏もうとして靴が無い事に瞬時に気付き、慌てて左足でヘルトマトを踏み潰す、条。噴き出る猛毒の果汁。
条 「 危なっ …決死の覚悟が必要だな、最近のガーデニングってのは。にしても臭ぇ ウゲッ 」
力を使い切り、バタリとその場に倒れ込む、条。
( 趙サイド/アジト屋上にて )
しばし互角の銃撃戦を経て、膠着状態になっている屋上にて、互いに特殊拳銃を構え、牽制しながら対峙している両者。 すると、下のフロアから漏れて来る黄金色の閃光と共に、大爆発の地響きが鳴り響く。 < ボガァァン! ボガァァン!! ボガァァアアーーンッ!!! > 衝撃で建物が揺れている。
ヨウゼン 「 ん? どうやら派手にやっとるようやなぁ。 アレは誰の手にも負えへんでぇ。カッカカ 」
趙 「 条!? 」
爆風に煽られ、破裂した、黄金色に輝く悪魔のガマグチの一片が、屋上まで飛んで来た。 < ボトッ >
ヨウゼン 「 …なんやて? んなことあるわけないやろ! 何かの間違いや!! 」
趙 「 焦っているようだな? フッ …条、そのトマトもどき、毒抜きして食材に使いたいから、少しは残しておいてくれゾヨ! ガッハハ 」
ヨウゼン 「 チッ 開発費にどんだけ掛かっとる思ってんねん!! …まぁええわ、草はまた育てればええ。 で、お前には実験体になってもらうで。 」
屋上のガレージに格納してある軍用のヘリコプターへと駆け寄る、ヨウゼン。 < ガチャン > 植物型拳銃 「ハエジゴク」をヘリにセットすると、そのまま乗り込んだ。< ウィン > 特殊拳銃とヘリコプターのシンクロが完了する。 1人乗りの軍用ヘリで、両脇に「 デス・レンクオンGt 」を搭載している。
趙 「 なんとも不気味なフォルムだが… 軍用ヘリか? 懐かしいゾナ。 久々に操縦したいゾヨ。 」
元軍人の血が騒いでいるようだ。
ヨウゼン 「 こうなってはお前に勝ち目は無いで。 研究所の実験用に生け捕りにしたいところだが… 路線変更や! 覚悟せぇ! 液(エキ)!!」
ハエジゴクのガマグチから、消化液をまき散らかす。< バラ バラ バラ > 劇塩酸の集中豪雨が趙に襲い掛かる。とっさに階段入口に避難する、趙。
屋上の床が、劇塩酸によって溶けている < ジュワ ジュワ ジュワー > ボコボコと開く穴と、立ち昇るコンクリートの粉塵。
趙 「 これ以上溶かされたら皮膚が無くなってしまうゾイ。 もう少し低く運転して来い!このヘタクソめが!! 角(カク)!! 」 < ドダダッ!>
< ピン ピン!> クロサイの角弾がヘリを捉えるも、簡単に弾き返されてしまう。 フロントガラスに、特殊強化ガラスを使用しているようだ。
( つづく )
