「フィジカルAI×学生 ― 未来をつくるアイデアソンセッション ―」を開催
2025年10月20日(月)、国際科学イノベーション棟1階linkhub@において、「フィジカルAI×学生 ― 未来をつくるアイデアソンセッション ―」を開催しました。
本イベントは、成長戦略本部が運営するアントレプレナーシップ教育プログラムである「京都大学技術イノベーション事業化コース」の一環として行いました。
テーマは、ロボットやセンサーを通じてAIが現実世界で活躍する、新しいテクノロジーである「フィジカルAI」。20名の学生たちが、未来社会に活かせる技術の可能性について、自由に発想を広げました。
オープニングでは、京都大学の学生が主催するフィジカルAIの社会実装をめざす団体「Kyoto University Physical AI Community(KUPAC)」がフィジカルAIとは何かを紹介したあと、片山梨沙先生(京都大学情報学研究科 助教)による導入講演が行われました。

学生たちはAI技術の最前線や社会実装のリアルな事例に触れながら理解を深め、さまざまなヒントを得たうえでブレインストームに臨み、ランチを取りながら、チームごとにグループワークを実施。その後、アイデア発表、メンターによるアドバイスを受けながらのブラッシュアップセッションを行いました。

「未来社会でフィジカルAIがどのように活用され、私たちの暮らしを豊かにするか?」。このテーマのもと、4つのチームが次のようなアイデアを披露しました。
①いじめ問題解決チーム:子どもに寄り添うフィジカルAIロボットの活用により、いじめを未然に防ぐ学校環境を実現する。
②アースエンジニアリングチーム:トンネル工事など危険なインフラ作業を担う小型ロボットの活用により、持続可能なインフラ整備を支える。
③「京都大学人工知能研究会 KaiRAチーム:人間とAIが「趣味の友」として共存する社会をめざし、人々が生きがいをもって暮らせる未来をつくる。
④機械研究会チーム:個人の嗜好や生活に応じた家電や家具のカスタム生産し、一人ひとりに最適化されたものづくり社会を実現する。
各チームの発表に他のチームの学生やメンターたちからも質問が飛び交い、それぞれが思い描く未来、実現可能性などを巡って議論が盛り上がりました。

ブラッシュアップセッションには、技術イノベーション事業化コースで指導を担当する木谷哲夫先生(京都大学成長戦略本部 特定教授)のほか、同コースOBの遠野宏季さん(株式会社Plasma 代表取締役)、古屋俊和さん(投資家)と八鳥孝志さん(株式会社XNOVA 代表取締役社長)に、メンターとして参加いただきました。
メンターからは、各チームの発想が具体的で社会的課題と結びついていることや、フィジカルAIが人間の代替ではなく、人間の拡張に向かっている点などが評価されました。さらに「技術的に可能でも、社会的・倫理的・経済的な壁をどう越えるかが次の課題」、「将来像を見据えたうえで今できること・事業化の可能性を考えるとよい」、「趣味や文化、教育など人間の豊かさをどう支えるかがフィジカルAIの本質」といったアドバイスもありました。

学生たちは、研究者・起業家・投資家というそれぞれの立場からのコメントに刺激を受け、起業や社会実装への関心をいっそう高めていました。

なお、チームの発表に対して審査が行われ、最優秀賞にアースエンジニアリングチーム、優秀賞にいじめ問題解決チームが選ばれ、成長戦略本部から賞品と賞状が贈られました。
本イベントを通して、AIを「技術」としてだけでなく、「共創の媒介」として捉える視点が広がり、参加した学生たちのまなざしの先には、AIが人間の幸福やつながりを育む存在として身近にある“次の未来”が見えていたようです。
※KUPACの立ち上げイベントについては別記事で紹介しています。
https://note.com/iac_kyotou/n/n13fd3f5271b6
