FIREという消極的な生き方
先日、27歳の公務員の方からキャリア相談を受けた。
ざっくり言うと、
「30歳までに資産3,000万円を作って、仕事を辞めたいです」
みたいな話だった。
細かい金額は少し変えてるけど、
だいたいそんな内容。
もちろん、
「3年で3,000万円ってどう作るの?」
とか、
「辞めた後の生活費どうするの?」
とか、
ツッコミどころはいろいろある笑
でも僕が一番気になったのは、
そこじゃなかった。
そもそも、なんでFIREしたいんだろう。
話を聞いていくと、
仕事がめちゃくちゃ嫌いなわけでもない。
公務員を今すぐ辞めないと精神的に限界、
というわけでもない。
ただ、
「早く資産を作って、働かなくてもいい状態になりたい」
という。
これ、FIREという価値観が広まってからよく相談されるようになった。
・FIRE
・サイドFIRE
・経済的自由
・働かなくても生きていける状態
なんとなく、
そこに到達した人が「人生の勝者」みたいになっている。
でも僕は話を聞きながら、
FIREって、そんなにいいものか?
と思っていた。
というか、
もっと正直に言うと、
「働かなくていい人生」を20代から目指すって、
かなり消極的な生き方じゃないか?
と思ってる。
FIREして、そのあと何するの?
僕は仕事柄、
資産を数億円持っている人とか、
もう十分稼ぎ切った人と話す機会がある。
そういう人達との接点が増えると、
面白いことが起きる。
「もう働かなくてもいい」
という状態になったのに、
結局また働き始める人がかなりいる。
知り合いにも、
稼ぎきって、
「もう仕事しなくていいわ」
となった人がいる。
それで南国に行った。
海を見ながら、
好きな時間に起きて、
何もしない。
最高ですよね。
でも、
1ヶ月も耐えられなかった。
暇すぎて。
結局日本に帰ってきて、
また仕事を始めた。
本人も、
「思ってたのと違った」
みたいなことを言っていた。
そりゃそうだと思う。
人間って、
「嫌なことがない」
だけでは、
そんなに幸せになれない。
上司がいない。
満員電車に乗らなくていい。
朝起きなくていい。
働かなくていい。
全部、
マイナスを消しているだけ。
じゃあ、
その空いた人生で何をするの?
という話が残る。
ここがなかったら、
普通に虚無る。
僕は20代の頃、この感覚がわからなかった。
「稼ぎきってお金もあるとか遊び放題で最高やん!!」
と思っていた。
ただ最近は、稼ぎきって虚無った経営者からの相談をリアルに受けて、人間はそうなるんだな、
と腑に落ちた感覚がある。
FIREと生活保護って、何が違うのか
あえて極端に言う。
「働かなくても生活できること」だけをゴールにするなら、FIREと生活保護ってたいして変わらない。
もちろん制度も、
そこに至るまでの過程も、
自分で作った資産なのか公的扶助なのかも、
全然違う。
そこを同じだと言っているわけじゃない。
ただ、
最終的な人生の目的が、
「働かなくても毎月生活費が入ってきます」
だけなら、
目指している生活の形はそんなに変わらなくないか?
と思ってしまう。
僕は、
何千万円、何億円と資産を作って、
人生の最終目標が
「もう働かなくていいぞ!」
だったら、
ちょっと寂しい。
せっかくそこまで頑張ったなら、
そのお金を使って、
もっと面白いことやろうよと思う。
僕も「働かなくていい」は作れる
僕自身も資産形成はやっているし、
資産形成に関する仕事もしてきた。
別に、
「お金なんて必要ない」
という話をしたいわけじゃない。
むしろ真逆。
金はあった方がいい。
圧倒的に。
ある程度資産を作れば、
生活費をかなり抑えて、
働く量を減らして、
いわゆるサイドFIREみたいな生活を選ぶこともできる。
僕もやろうと思えばできるが、
今のところやりたいとは思わない。
だって、
まだやりたいことがあるから。
仕事もしたい。
会いたい人もいる。
行きたい場所もある。
人生色んな経験をしたい。
自分がどこまでいけるのか試してみたい。
そんな自分の姿を子どもにみせたい。
そのために、
お金が必要。
働かなくなるためじゃなくて、
もっと好き勝手に動くために資産が欲しい。
僕にとっては、
こっちの方が圧倒的に人生として面白い。
「自由=何もしなくていい」になってないか
たぶん、
FIREという言葉がここまで流行ったのって、
みんな仕事に疲れているからだと思う。
上司が嫌。
通勤が嫌。
人事異動が嫌。
評価されるのが嫌。
毎朝起きるのが嫌。
だから、
そこから全部解放された状態を「自由」と呼ぶ。
気持ちはめちゃくちゃわかる。
僕も公務員だった頃、
自由になりたかった。
でも、
公務員を辞めて、
無職もやって、
BIG4もベンチャーもやって、
独立も経験して、
いろんな働き方をしてきて思う。
自由って「何もしなくていいこと」じゃない。
自分が、
「これやりたい」
と思った時に、
そっちへ行けることだと思う。
嫌なら辞める。
面白そうならやる。
収入が下がっても挑戦する。
失敗してもまたやる。
住みたい場所に住む。
一緒にいたい人といる。
そのために金がある。
だから、
資産形成をする。
この順番だと思っている。
公務員なら、なおさらFIREをゴールにしなくていい
そして公務員って、
これを作るにはかなり強い。
毎月安定して給料が入る。
数年後の収入もある程度読める。
失業リスクも低い。
信用力もある。
これだけ強い土台がある。
だったら、
その土台を使って、
30歳で人生から逃げ切る方法を考えるんじゃなくて、
30歳からもっと面白いことをする準備をした方がよくない?
と思う。
資産を作る。
資格を取る。
スキルを身につける。
外の人と会う。
小さく何かを始める。
そうやって、
「公務員しかできない」
から、
「何でもできるけど、今は公務員をやっている」
に変えていく。
これが、
僕の言う「公務員を使い倒す」ということでもある。
FIREするために公務員を使うんじゃない。
人生をもっと面白くするために、公務員を使う。
どうせなら「絶対積極」で生きたい
僕は中村天風が好きで、
『運命を拓く』という本を何度も読んでいる。

大谷翔平もメジャーリーグに挑戦する時に、この本を持っていったと聞いて、めちゃくちゃ嬉しくなっていました笑
中村天風の思想の中に、
「絶対積極」
という考え方がある。
僕はこの言葉が好きで
今回の文脈で理解するなら、
人生で起きることから逃げて、
マイナスをゼロにすることばかり考えるんじゃなくて、
もっと積極的に人生を謳歌しようぜ
ということ。
そう考えると、
「できるだけ早く働かなくていい状態を作って、あとは逃げ切る」
というFIRE的な生き方は、
僕にはどうしても消極的に感じてしまう。
せっかく30歳で3,000万円作ったなら、
最高やん。
で、その3,000万円を使って何する?
40歳で1億円作ったなら、
最高やん。
で、その1億円があるから何に挑戦する?
会社を辞めても生きていけるようになったなら、
最高やん。
じゃあ、何をやったら人生がもっと面白くなる?
僕が資産形成で考えたいのは、
こっち。
お金を作って、
嫌な仕事から逃げて、
何もしなくていい場所まで逃げ切る。
それが本当に自分のやりたい人生なら、
もちろんそれでいい。
でも僕は、
せっかく生きるなら、
もうちょっと盛大に生きたい。
働かなくてもいいくらい資産があるのに、
面白いから働いている。
失敗しても生活には困らないのに、
それでも新しいことに挑戦している。
別にこれ以上稼がなくてもいいのに、
自分がどこまでいけるのか見たくてまた勝負している。
そっちの方が、圧倒的に人生面白い。
資産形成は、
人生から逃げ切るための準備じゃない。
人生をもっと盛大にするための準備。
公務員には、
それを作れる安定した土台がある。
だったら、
その土台を使い倒して、
資産も作って、
選択肢も増やして、
その先でもっと面白いことをやればいい。
FIREして、
「もう何もしなくていい」
で終わるんじゃなくて、
「何でもできる。じゃあ次、何やろうか」
と言えるところまで行く。
どうせなら、
絶対積極で生きていこう。
影山
🔽『人生を自分で選びたい』公務員へ
■プロフィール
・大学卒業後、厚労省に国家公務員として勤務
・国税局に転職し様々な業種の税務調査を担当
・30歳で公認会計士試験に合格
・BIG4に転職し上場企業の監査
・パブリック領域のコンサルを経験
・400人超の自己管理コミュニティで経営者や医師のコーチを担当
・ベネッセが運営するUdemyで資産形成講座が「最高評価」を獲得
・30,000人以上の指導実績を持つ資産形成を指導する法人で活動
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