公務員を辞めても奴隷のままだった人生
厚労省で働いていた頃、
上司を見て、
「こうはなりたくないな」
と思ったことがある。
別に嫌いな人じゃなかった。
ただ、なんか疲れてた。
何かを目指している感じがなくて、
目の前の仕事を終わらせることだけを考えているように見えた。
その姿を見ながら、
「この人も20代の頃は、何かやりたいことがあったんじゃないか」
と思った。
今の自分みたいに、
「このままでいいのか・・」
って考えていた時期があったんじゃないか、と。
朝早く出勤して、
残業して、
家に帰って寝る。
また起きて、仕事に行く。
その繰り返し。
「これ、一生続けるのか?」
と思うことが何度もあった。
自分の人生なのに、
自分で決めている感じがしなかった。
それで国税に転職した。
税務という専門知識が身につく。
税理士として独立する道もある。
ここなら何か変わるかもしれないと思った。
実際、厚労省より仕事は面白かった。
税務調査も経験したし、
専門性も身についたと思う。
でも、2〜3年経った頃。
また同じ感覚が出てきた。
「このまま組織の中で終わっていくのか」
仕事がめちゃくちゃ嫌いなわけじゃない。
職場に大きな不満があるわけでもない。
それでも、
「俺はここで何をしているんやろ」
という問いが、
ずっと頭の隅にいた。
28歳の時、
一度、自分の人生を俯瞰して見てみた。
このままあと30年働く。
異動して、
昇進して、
定年を迎える。
その人生を想像した時、
「このまま終わったら絶対に後悔する」
という感覚だけは、
はっきりあった。
だから辞めることを決めた。
父親に話したら、
めちゃくちゃ反対された。
「せっかく安定してるのに、なんでわざわざ捨てるんだ」
気持ちはわかる。
でも自分の中では、
もう答えが出ていた。
公務員を辞めて、
公認会計士を目指すことにした。
28歳で無職になった。
公務員という安定を捨てた。
これでやっと、
「自分の人生を生きられる」
当時はどこかで、
そう思っていたんだと思う。
でも、
そこからがキツかった。
試験に2年連続で落ちた。
コロナ禍で試験が無期限延期になった。
貯金も底をついた。
失明寸前の怪我もした。
そのタイミングで、
父がガンになった。
一人っ子の自分が、
これから家族を支えないといけない。
なのに肝心の息子は、
30歳
無職
貯金ゼロ
「俺、マジで何やってるんやろ」
何度も思った。
試験のプレッシャーも重なって、
鬱病寸前までいった。
怖かった。
このまま挑戦を続けるのが、
めちゃくちゃ怖かった。
でも、
なぜか「やめる」という選択肢は出てこなかった。
ここまでやって、
最後までやり切らずに終わる方が嫌だった。
だから必死に勉強した。
そして30歳で、
公認会計士試験に合格した。
合格した日は、
家族で泣いた。
BIG4に入った。
「公認会計士」という肩書きも手に入った。
公務員も辞めた。
難関資格も取った。
大手にも入った。
これで変わると思っていた。
でも、
変わらなかった。
しばらくすると、
「会計士として恥ずかしくない自分でいないといけない」
という、
別のプレッシャーが出てきた。
周りから、
「すごいね」
と言われることも増えた。
でも、
思っていたほど何も感じなかった。
ずっと欲しかったはずの資格なのに、
今度はその資格に縛られているような感覚があった。
厚労省から国税へ。
公務員から会計士へ。
所属も変わった。
肩書きも変わった。
周りからの見え方も変わった。
なのに、
「なんか違う」
という感覚だけは消えなかった。
ここで、ようやく気づいた。
俺は公務員だったから、
奴隷だったわけじゃなかった。
公務員を辞めても、
奴隷のままだった。
父に認められたい。
周りからすごいと思われたい。
何者かになりたい。
ずっと、
他人からどう見られるかを基準に、
自分の人生を選んでいた。
公務員という肩書きを脱いで、
今度は、
「公認会計士」
という別の肩書きを着ただけだった。
奴隷だった原因は、
厚労省でも、
国税でも、
公務員という働き方でもなかった。
「自分はどう生きたいのか」を考えないまま、
周りの目を気にして、人生の正解を外に探し続けていたことだった。
これに気づくまで、
だいぶ遠回りした。
だから今、
公務員として働きながら、
「このままでいいのか?」
と悩んでいる人に、
「公務員なんて辞めた方がいい」
とは全く思わない。
公務員を辞めれば自由になれる、
なんてことはない。
僕自身がそうだったから。
逆に、
「安定してるんだから絶対に辞めない方がいい」
とも思わない。
辞めるか。
続けるか。
その二択を考える前に、
一回、
「自分は何を求めているんだろう」
と考えた方がいい。
もっと自由に働きたいのか。
自分で稼げるようになりたいのか。
家族との時間を増やしたいのか。
専門性を身につけたいのか。
それとも、
公務員という安定した土台を使って、
資産を作っていきたいのか。
どれでもいいと思う。
ただ、
「なんとなくこのままでいい」
と、
「考えた上で、このまま続ける」
は全然違う。
同じように、
「なんとなく辞めたい」
と、
「こう生きたいから辞める」
も全然違う。
僕はそこを考えないまま、
「ここじゃない」
と思ってもがき続けていた。
厚労省じゃない。
じゃあ国税だ。
国税じゃない。
じゃあ会計士だ。
会計士になった。
大手にも入った。
それでも違った。
場所を変え続けても、
自分が何を求めているかわからなければ、
たぶん次の
「ここじゃない」
が出てくる。
だから、
転職することが、
キャリアを考えることではないと思っている。
資格を取ることでもない。
独立することでもない。
まず、
自分が何を求めているのかを知る。
その上で、
今持っているものをどう使えば、
そこに近づけるのかを考える。
公務員という安定かもしれない。
信用力かもしれない。
これまでの経験かもしれない。
そこに、
・転職
・資格
・副業
・資産形成
・独立
いろんな選択肢を組み合わせていけばいい。
そうすれば、
「辞める」も、
「続ける」も、
全部、自分の人生の戦略になる。
今の僕は、
会社員として働きながら、
自分でやりたい仕事もしている。
満足のいく収入と自由を得ている。
家族との時間も取れている。
もちろん、
これが完成形だとは思っていない。
この先また、
働き方を変えるかもしれない。
でも昔みたいに、
「次は何になれば満たされるんだろう」
とは考えなくなった。
厚労省にいた頃は、
国税に行けば変わると思っていた。
国税にいた頃は、
会計士になれば変わると思っていた。
ずっと、
自分の外側に答えを探していた。
でも本当に欲しかったのは、
すごい肩書きでも、
公務員を辞めることでも、
誰かに認めてもらうことでもなかった。
自分の人生を、
自分で選んでいるという感覚だったんだと思う。
だから、
「このままでいいのか」
と思った時、
すぐに公務員を辞めなくていい。
転職先を探さなくてもいい。
資格の勉強を始めなくてもいい。
まず、
「自分は何を求めているんだろう」
と考えてみる。
公務員を辞めても、
自分の人生の基準を他人に渡したままなら、
たぶん奴隷のままだから。
影山
🔽『人生を自分で選びたい』公務員へ
■プロフィール
・大学卒業後、厚労省に国家公務員として勤務
・国税局に転職し様々な業種の税務調査を担当
・30歳で公認会計士試験に合格
・BIG4に転職し上場企業の監査
・パブリック領域のコンサルを経験
・400人超の自己管理コミュニティで経営者や医師のコーチを担当
・ベネッセが運営するUdemyで資産形成講座が「最高評価」を獲得
・30,000人以上の指導実績を持つ資産形成を指導する法人で活動
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