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【連載小説】『お喋りな宝石たち』~竹から生まれし王子様~第一部  第六話「祖母の思い」



第六話「祖母の思い」

「おばあ様の事を知りたいのでしたら、
伍代さんの方が詳しいと思いますよ。
お母様のような存在でしたから。
伍代さんのご両親が生きていらしたときには、
よく四人でご旅行もされていましたし。
何か分からないことがありましたら、
いつでもご連絡ください」

それから少しして米倉は帰っていった。

「瑠璃さん、まだお時間大丈夫ですか」

米倉を見送った後、伍代が瑠璃を振り返った。

「はい」

「だったら家の方を少しご覧になりますか? 
ここから近いですよ」

「ではお願いできますか」

「はい」

瑠璃は車に乗せられ、祖母の家に向かった。

確かに車で二、三分の場所だが、
田舎の近いと都心の近いには違いがあることを知った。

祖母の家は住宅が立ち並ぶ場所から、
少し奥に入った所にひっそりと建っていた。

山があるわけでも川が流れているわけでもない。

住宅密集地から少し離れただけなのに、
そこだけ異空間のように見えた。

恐らく小さな家の裏庭にある、
これまたこじんまりとした竹林のせいなのだろう。

車から降り、
瑠璃が立ち止まってじっと見ていたからか、
伍代が声をかけた。

「ちょっとここだけ空気が違うというか、
どこか異質な感じがするでしょう。
エリスさんはそこが気に入っていたみたいで、
ここから離れることはなかったです。
まぁ、体は丈夫でしたし、
大病も患ったことがなかったので、
不便でも困ることはなかったんだと思いますよ」

伍代は鍵を取り出すと玄関を開けた。

平屋にはオープンカフェの様なテラスがあり、
小さなお店にようだ。

瑠璃はドールハウスを思い起こし笑顔になった。

「和風のお家だと思っていたので、
ちょっと驚きました」

「前は古民家風な感じだったんですよ。
それを突然、今瑠璃さんが言ったような、
ミニチュアハウスの様にしたいと言い出して、
バリアフリーも兼ねてリフォームしたんです。
中どうぞ」

伍代が入るように言った。

「きちんと空気の入れ替えと掃除はしてあります。
畳みも取り替えたので気持ちいいですよ。
今の所電気もガスも水道もそのままなので、
ここに住むのであれば、
名義変更されるだけでいつでも住めます。
一時間くらいはかかりますけど通勤通学圏内です。
車ならもっと近いですし通うのも楽だと思いますが、
東京は駐車場が高いですからね」

「あの、祖母から父の事を何か聞いていませんか? 」

瑠璃は渡り廊下の前のテラスを見ながら聞いた。

「さぁ、詳しいことは。
エリスさんは私の両親と、
先程お会いした米倉さんの祖父母のお知り合いで、
なんでも学生の頃からと話していました。
私も瑠璃さんの事を聞いて、
一度連絡をと思ったんですけど、
何か深い御事情があるようだったので、
結局連絡を取らずにこんなことになってしまってごめんなさいね。
一目会いたかったですよね」



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