【長編連載】アンダーワールド~冥王VS人間~ 第五部ー178
《あらすじ》
架空の日本国を舞台にした現代ファンタジーです。
時はもうすぐ22世紀になろうとしている、災害大国である日本。
国のトップである首相は、神を殺し続け自分が神になり替わろうとした。
それをきっかけに国は暗闇に落ち、冥界からは死神と、人間でありながら死して冥王の部下として働く、特例と呼ばれる者達が降り立ち、闇から国を救うために動き出す。
特例・死神・妖怪・鬼が生きるために、国と戦う物語です。
これは以前に書いた古い作品で、他サイトにも投稿したものです。
noteでは少し改訂させていただきました。
新聞の連載をイメージして、一話を短くしています。
現在も続編を書き続けている一作なので、ゆるりと読んでいただけたら嬉しいです。
*この物語はフィクションです。実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。
八雲翔
「毘沙門天もお昼寝」
「なになに? 」
毘沙門天は楽しそうに立ち上がると、
三鬼に連れられキッズルームに入った。
「これ~」
「ほんとだ。写真付きだ」
二人は本を見ながら話し始めた。
「意外~オヤジは子供好き? 」
牧野が笑い、冥王も楽しそうに眺めていた。
「ほら、牛丼食べないの? 」
トリア達が牛丼を運んでくると、
こんと呉葉は膝から下りてテーブルの前に座った。
「ご飯だって。食べに行こう」
毘沙門天は三鬼を抱き上げるとテーブルに戻ってきた。
賑やかに食事をする光景を見て、
「私も冥界に越してこようかな」
「いつでもどうぞ。
ただしお賽銭が五円だから仕事しないというのでは、
すぐに追い出しますが」
「それは困った」
そんな話に大人たちは笑いながら食事をとった。
――――――――
食後は子供達とキッズルームで、
楽しそうに遊ぶ毘沙門天を見て、
「あとでトリアと一緒に毘沙門天を連れて、
水光姫の所に行ってもらえますか? 」
冥王が向井に言った。
「では天上界の方で静養できるのですか? 」
「毘沙門天預かりで弁財天の話し相手として、
置いてくれるそうです」
「よかった~あのままじゃ気の毒だから」
トリアも安堵のため息をついた。
その場にいたものは、
それぞれ食事を終えると仕事に戻り、
牧野と安達だけが残って対戦ゲームをしていた。
冥王は楽しそうな二人を暫く眺めていたが、
「そろそろディッセも戻ってきたかな?
シェデムには話があるから一緒に来てください」
と声をかけて立ち上がった。
「はい」
二人が出て行くと、
「私達も出かけようか」
とトリアが立ち上がりキッズルームを覗くと、
毘沙門天とチビが大の字で寝ている姿があった。
「道理で静かだと思った」
トリアは笑うと、
「もう少し寝かせておくか」
と戻ってきた。
向井とトリアは目の前で、
ゲームに夢中になっている牧野と安達の姿を笑いながら見ていた。
「牛丼あるって聞いたんだけどまだ残ってる? 」
妖鬼が入ってきた。
「ありますよ。早い者勝ちな数ですけど」
向井が振り返って笑った。
「よっしゃー! 」
妖鬼は嬉しそうに言うと、
牛丼とウーロン茶を手に戻ってきた。
向井達の近くに座ると蓋を開け、
「食欲そそるいい匂い~」
と食べ始めた。
「チビ達寝てるんだ…」
そこまで言ってキッズルームを覗き、
気持ちよさそうに寝ている男に驚いた。
「えっ? 毘沙門天来てるの? 」
そういってから向井達を見た。
「こんなところまで来るとは珍しいね」
「冥王が呼んだのよ」
「へえ~」
妖鬼は牛丼を口に運んだ。
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