天胡星と天極星|病む人と、旅立つ人
【はじめに】
改めてのご説明になりますが、人体星図には3個の従星が確認できると思います。
これは、あなたが12大従星のうち3個だけを持っている、という意味ではありません。
例外なくすべての従星を持ち合わせて、あなたはこの世に生まれ、今を生きています。
ここまで12大従星を読み進めてこられて、その内容がすべて腑に落ちたのではないでしょうか。
そうです。
すべて持ち合わせているからこそ、理解できるのです。
星図に現れた3個の従星は、とりわけあなたの人生に深く関わる星。
そう受け取っていただけたらと思います。
そして12大従星は、年でも月でも一日単位でも巡ってきています。
いまご説明している従星のステージも、誰のもとにも等しく訪れます。
その流れに合わせて日々を生きていくことが、開運にもつながっていきます。
【同じ星でも、場所で変わる】
十二大従星は、どこに出るかで働きが変わります。
若年期に天将星が来ると、子どもの体には荷が重すぎて力を持て余す。
同じ天将星が壮年期に来れば、仕事の場でまっすぐ生きてきます。
点数の小さい星も同じで、晩年に出れば納得のいく静けさになりますが、働き盛りに出ると現実の場で息苦しさを感じたりする。
星そのものに良し悪しはなく、時期との相性があるだけです。
ここが従星のいちばん面白いところだと思います。
今日は九番目と十番目。
現実から少しずつ離れていく場所です。

【天胡星】(てんこせい)
病人のとき/4点
1 肉体は弱り、心だけが飛び回る星
2 夢と現実の谷間・空想
3 感受性と直感の鋭さ(霊感ではない)
4 芸術と宗教へ向かう、孤独の中の楽しみ
5 追い込まれたときに最大の力が出る
天胡星は、体が弱ってくる時間です。
けれど、心は年を取りません。ここがこの星のすべてだと思ってください。
体の衰えに合わせて心も静まってくれるなら、老いの日々もそれなりに穏やかなのでしょう。
ところが心のほうは、過去を振り返ったり、先の夢へ飛んでいったりと、忙しく動き回っています。
天堂星のような現実に足をつけた精神向上でもなく、天報星のような無でもなく、天禄星のような現実主義でもない。
夢と現実のあいだをさまよう、というのがこの星の居場所です。
そして天胡星は、自分で自分を追い込むことで力を出します。
精神が肉体を追い立てる、という形。
ここは注意が要るところです。
追い込み方が極まると、本人も周りも危うくなります。
繰り返しますが、「肉体が精神を支えきれない状況を作る」ということです。
この星を持つ人には、休ませてくれる相手がいたほうが良いです。
力の出し方が独特なぶん、支えも必要なのだと思います。
考え方や心の動きは、十二の中でいちばん複雑です。
それなのに、行動そのものは驚くほどまっすぐで単純。
ロマンチストで、美意識が強い。
世界のすべてを美しいもので包みたいと思っています。
だから人を疑わず、損得の世界を嫌い、芸術や宗教のほうへ向かいます。
神経と肉体が釣り合っていないぶん、感受性が鋭くなります。
直感の強さは現実の場でも役に立ちます。
ただし、これは霊感とは違います。
起こることを早めに察して言い当てられるのに、それがいつなのかは分からない。
そういう種類の鋭さです。
遊びごとや芸を好むのに、大勢では楽しめません。
楽しみはたいてい、ひとりの中で見つけます。
完全を望み、夢のために力を使い切ってしまう。
その根っこにあるのは、無への憧れと、美しいものへの憧れです。
少女趣味に流れることもあります。
自意識が強く、人に見てもらえないと物足りない。
けれど目的を持って力を出したときの説得力は見事なもので、舞台の上の人のような役割を果たします。
追い込まれた場面での強さは、他の星が及びません。天将星の比ではないのです。
いちばん苦しいところで、いちばん大きな力が出る星です。

【天極星】(てんきょくせい)
死人のとき/2点
1 すべての差が消える「無」の星
2 初心を貫く(最初の心を、ずっと持ち続ける)
3 ありのまま、水のように環境へ合わせる
4 未来を読む感性(時に霊感のような働き)
5 霊感・哲学・宗教性・技術的な学問
6 損得で人を分けない純粋さ
天極星は、死の世界です。
楽しいことも悲しいこともあった人生の、最後の場面。
この瞬間、人はすべての役割から解放されます。
そこで与えられるのが、無という形の自由です。
天極星の世界は、肉体も精神もまるごと無になります。
だから天胡星のような、体と心のせめぎ合いが起きません。
この世には善と悪、男と女、いろいろな区別があります。
天極星はその差を全部消してしまう。
悪いことをした人でも、亡くなれば善人として扱われる。
あの感じに近いです。
天極星に生まれた人は、発想も考え方も一次元です。
段差がないので、どこへでも自由に転回できます。
人付き合いでも同じで、得をさせてくれる相手にも、損をさせる相手にも、同じだけの力を注ぎます。
お人好しに見られたり、信念がないと言われたりします。
でも決してそういうことではありません。
そしてこの星には、もうひとつ「初心を貫く」という顔があります。
最初にこうしたいと思った気持ちを、いつまでも手放しません。
たとえば貯めたお金を、時代が変わって使えなくなっても、じっと持ったまま。
早い話が、いちど決めた発想を、なかなか切り換えられないのです。
悪く言えば、頭が固い。
融通がきかない。
その代わりに残るのが、他の星には出せない純粋さなんだと思います。
好かれ方にも、この星らしい静けさがあります。
天印星が「動き」のある明るい好かれ方なら、天極星は「静」のほう。
派手さはないけれど、そばにいるうちに、そっと信頼されていく。
しかもその評価は、たいてい後からやってきます。
その場ではなく、時間が経ってから。
「ああ、あの人は良い人だったね」と、過去のこととして語られる。
天極星は、そんなふうに遅れて届く評価を受け取る星なのです。
環境に合わせて、行動も考えも変えられます。
悪の世界に入れば見事な悪を演じ、善の世界では見事な善人になる。
しかも本人に、いま自分がどちら側にいるかという自覚がほとんどないのです。
二重スパイが適職だと思いますが、なかなか就職先がないのが残念なところです。
水の流れのように生きて、自分から逆らうことがない。
柔らかく見えて、実は何にも変えられない強さがそこにあります。
ありのまま、という言葉がそのまま当てはまる星です。
だから、生まれつき悟りの境地を持っているとも言えます。
天南星や天将星のような激しい人と一緒にいても、ぶつかりません。
そしてもうひとつ、面白い特色があります。
宗教とは関係のないところで、「無の感性が未来を読む」のです。
現実を超えたところまで研ぎ澄まされていて、時には霊感のような働きになります。
この星の意味に、霊感、哲学、宗教性、技術的な学問が並ぶのはそのためです。
それは一つの分野だけを潤すものではなく、老いも若きも関係なく恩恵が届く種類のもの。
ただし、人のためにという気持ちから出ているわけではありません。
教養を積み重ねていくと、時代を問わず学術や技術の世界で特別な場所を作ります。
偉大な宗教家にこの星が多いのは、肩を張らずに知識を重ねてきた結果なのだと思います。
天極星が医学のために毒を作り、それが悪く使われたとしても、本人に罪の意識は湧きません。
あるのは、完成したという喜びだけ。
無の世界から出てきた夢を、形にすること自体が悦びなのです。
善悪の外側にいる、というのはそういうことなのだと思います。
4点と2点。数字はいちばん小さいところに来ました。
けれど前に書いたとおり、点数は現実を動かす力の量です。
この二つは、現実の外側で働きます。
感じ取る力、包み込む力。
それは点数では測れません。
次回で最終回。天庫星と天馳星、墓と宇宙です。
自分の図にどの従星が入っているかは、こちらで確かめられます。忘れていた自分が、ぽろっと出てくる。そんなツールです。
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富士山麓の祭壇の前より、あなたへ
ボンちゃん
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