幸せの五つのかたち 「 福・禄・寿・官・印」
「幸せ」って、いったい何なのでしょう。
お金があること。
健康であること。
誰かに認められること。
人によって、思い浮かべるものは違うと思います。
算命学には、この「人の幸せ」を五つに分けて捉える考え方があります。
それが「福・禄・寿・官・印」。(ふくろくじゅかんいん)
五徳と呼ばれるものです。
今日はこの五つを、ひとつずつ見ていきます。
■ 福 ── 心の安定
まずは「福」。
これは精神の満足のことです。
お金でも地位でもなく、心が落ち着いていること。
「自分は満たされている」と感じられる状態です。
何で満たされるかは人それぞれ。
夢がかなうことだったり、静かな暮らしそのものだったり。
すべての土台になる幸せ、と言ってもいいと思います。
■ 禄 ── 食べていける力
次に「禄」。
これは食禄、つまり日々を食べていける力です。
面白いのは、これが財力とは別物とされている点なんです。
大きな財産を持っていても、体を壊して食べられない人はいます。
逆に、お金は多くなくても、毎朝おいしいものを口にできる人もいる。
「稼ぐこと」と「食べられること」は、算命学ではきちんと分けて考えます。
■ 寿 ── 健康
「寿」は健康です。
どれだけ運が良くても、体が弱ければ人生を味わいきれません。
当たり前のようでいて、案外いちばん大事なところなのだと思います。
昔から「福・禄・寿がそろえば十分」と言われてきました。
普通に暮らすなら、この三つで満ち足りている、という考え方です。
■ 官 ── 名誉や立場
ここからは、もう少し欲を言えば、というお話。
「官」は名誉や地位のことです。
社会の中での立場、と言い換えてもいいです。
認められたい。誰かの役に立ちたい。
そんな気持ちは、大なり小なり誰の中にもあります。
三つがそろったうえで、これが加わればなお良い。
そんな位置づけになっています。
■ 印 ── 知恵
最後が「印」。
知恵、頭の働きのことです。
ここまでそろえば、もう言うことはない。
人としては最高の状態だとされます。
■ 五行にあてはめると。
この五徳は、五行(木・火・土・金・水)とも結びついています。
木は福、火は寿、土は禄、金は官、水は印。
こうして並べてみると、五徳というのは五行のめぐりそのものなんだ、と見えてきます。
■ 全部は、そろわない。
さて、ここが算命学のいちばん深いところです。
五つが全部そろえば、人としては最高。
でも、そんな人はまずいません。
心は安定しているけれど体が弱い。
財はあるけれど名誉はない。
人はどこかが必ず欠けています。
その欠けたところに、悩みや苦労が生まれるわけです。
でも、逆に思うのです。
欠けているからこそ、人間なんだと。
■ 全部そろうと、危ない
もうひとつ、不思議なお話を。
もし五徳がぜんぶそろってしまったら。
算命学では、それを「危うい」と見ます。
幸せの分量は、一生をかけて少しずつ使っていくもの。
それを一時期に燃やしきってしまうと、その先が続かなくなる。
ろうそくが一気に燃え尽きるような、そんなイメージです。
だから、そろわないのは悪いことではありません。
少しずつ、ちょうどよく。
それが長く生きる、ということなんだと思います。
■ おわりに
福・禄・寿・官・印。
自分にはどれがあって、どれが欠けているか。
そんなふうに眺めてみると、人生の凸凹も、なんだか少し愛おしく感じられてきます。
欠けは、悪ではありません。
それが、その人らしさを作っているのですから。
次回は、この五徳を西洋の考え方と並べてみます。
マズローの欲求五段階説です。
どうぞお楽しみに。
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富士山麓より
ボンちゃん
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