内装打ち合わせ。現場で引く確定の形。 / 中古マンション フルリノベ実況中継 Vol.19
都心から少し離れた海のある街に住む、30代の会社員(夫)です。中古マンションを購入してフルリノベに邁進しています。
前回、予算150万円オーバーの危機を、対面でのすり合わせで乗り越えた私たち。
テキストでのやり取りの限界を知り、顔を合わせて話し合うことの重要性を痛感しました。
今回は、その教訓を活かした現場での最終確認のお話です。
見えてきた暮らしの解像度
解体後に発覚した躯体のトラブルと、それに伴う大掛かりな断熱工事。
その影響で工事は一時ストップし、スケジュールは月単位で後ろ倒しになっていました。
しかし、現場の職人さんたちの奮闘もあり、ここへきてようやく「あと1ヶ月ほどで完成できる見込み」という嬉しい報告を受けました。
現場へ足を運ぶと、空間の骨格だけでなく、徐々に生活の形が見えてきていました。
すでにシステムバスと、Vol.14でも紹介したIHキッチンが設置されていたのです。
妻のように内装への強いこだわりがない私ですが、真新しいお風呂を見た瞬間、少しだけテンションが上がってしまいました。
今の賃貸物件の狭いお風呂では、なかなか足を伸ばして湯船に浸かることができません。
新居に引っ越せば、毎日足を伸ばして一日の疲れを癒せます。暮らしの解像度がパッと上がった瞬間でした。
反省を活かした現場打ち合わせ
さて、ここからが本題です。
予算超過の危機を乗り越えた私たちは、内装や造作工事についての詳細な打ち合わせを行いました。
これまでは、妻がスプレッドシートにまとめた「やりたいことリスト」をベースに、メッセージアプリで要望を投げるという進め方が多かったです。
しかし前回の反省を活かし、今回は現場に全員が集まって図面とカタログを広げました。
建具や扉ひとつとっても、似たような品番がいくつも存在します。
カタログの小さなサンプル写真と、実際の現場の自然光の中で見るのとでは、印象が大きく異なることも多いのです。
だからこそ、「この扉の、この色で間違いないですね」と、一つひとつ現物やカタログを指差ししながら、業者と私たちの認識にズレがないかを確認していきます。
泥臭いですが、これが一番確実なのだと学びました。
業者側も抱えていた見えない不満と混乱
この対面での打ち合わせを進める中で、ハッとさせられた事実がありました。
前回、私たちは「全体のスケジュールやお金のすり合わせの場が少ない」と不満を抱えていました。
一方で、実は、リノベ業者側も同じようにコミュニケーションに困惑していたことがあったというのです。
現場に足しげく通う妻は、作業中の大工さんと直接話をする機会が多くありました。
「ここの棚、こういう風にできたらいいな」と、思いついたアイデアを気さくに大工さんに相談していたらしいのです。
しかし、現場の大工さんと、全体を管理するリノべ業者との間で、その情報がうまく共有されていないことがありました。
さらに厄介だったのが、ステータスの認識違いです。
妻としては「まだ検討中のアイデア」として話したつもりが、現場では「施主からの確定の指示」として受け取られていたり、逆に「確定事項」として伝えたつもりが「ただの相談」として処理されていたりしたのです。
打ち合わせの場がなかったことで、私たちだけでなく、業者側もまた、見えない伝言ゲームに苦しんでいたのでした。
アナログによる完全同期
この状態を解消するため、私たちは現場でアナログな解決策を実行しました。
それが、マスキングテープによる可視化です。
リビングの顔となる造作本棚。
図面だけでは伝わりきらない高さや奥行きを、大工さんが床や壁にマスキングテープを貼って実寸大で示してくれました。
「本棚の端はここまで来ます」
「棚板の高さはここにしましょうか」
テープの線を見ながら、妻の理想と、大工さんの技術的な納まりをすり合わせていきます。
「うん、このサイズ感でいきましょう」
妻がうなずき、大工さんが寸法をメモし、「確定」のステータスを共有します。
壁に貼られた何本ものテープの線を見つめながら、妻、私、大工さん、リノベ業者の全員で同時にうなずき合いました。
予算の壁を乗り越え、コミュニケーションのすれ違いを修正し、ようやく本当の意味で一つのチームになれた気がします。
今後の更新予定
Vol.20:壁紙と床材が張られる日。空間が一気に色づく瞬間
「家づくり」という人生最大のプロジェクト、ぜひお付き合いください!
