リノベ予算の超過、業者との対話へ。 / 中古マンション フルリノベ実況中継 Vol.18
都心から少し離れた海のある街に住む、30代の会社員(夫)です。
内装の詳細を意思決定する妻と、プロジェクト全体を見渡す私。
これまで紆余曲折ありながらもリノベは「順調」だと思っていました。
しかし、ここでリノベ予算オーバーの危機が訪れます。
工務店の「得意」と「不得意」
私たちが依頼しているリノベ業者は、地元の工務店です。施工力には確かな実力があり、初期の見積もりも非常に誠実なものでした。
しかし、リノベ業者は他のお客さんの案件も並行して進めており、現場はフル稼働の様相を呈していました。
さらに、大掛かりな断熱工事という予定外の追加工事までお願いしてしまったのだから、手一杯になっていたのでしょう。
そのような状況は理解しつつも、私はある点について不満を抱えていました。 間取り変更や妻の要求追加による「追加費用の見積もり提示」が、1ヶ月以上も「保留」の状態になっていたのです。
大きな仕様変更があった場合、更新された見積もりとともに今後の対応方針を協議する場があってほしい。そう考えていました。
私も妻も、現場には何度も通い、コンセントの位置などの細部の確認は都度行っていました。しかし、プロジェクト全体のお金とスケジュールのすり合わせの機会は欠けていたように思います。
水回り設備や内装が確定した段階で、私から強く念押しをして、ようやく出てきた最新の見積もり。そこに書かれていた金額は、1350万円でした。
予算150万円超過の衝撃
1350万円。当初の予算であった1200万円を150万円もオーバーしています。
断熱工事の追加費用として、60〜80万円程度追加になることについては、事前に説明を受けていました。その追加出費は覚悟ができていました。
しかし、1350万円という数字は、それを差し引いたとしても、さらに約100万円近い増額が発生している計算になります。
予算管理を担当している私にとっては看過できない事態です。
妻も驚きを隠せませんでした。そして何より、「自分のこだわりが強すぎたせいでコストが増えてしまったのではないか」と自責してしまったのです。
一方で、妻も私も、お世話になっている業者と争いたくはなく「もうこのまま受け入れたほうがよいのでは」という考えと板挟みになってしまっていました。
悩んだ末、私は業者に対して、増額の説明を求めるメッセージを送りました。
これまで私は、「急ぎませんので見積もりをお願いします」など、できる限り穏やかなお願いを続けてきました。
しかし、1ヶ月以上見積もりの更新が滞り、後戻りできない段階まできてしまった今回、明確な主張をせざるを得ませんでした。
不動産屋からの助言と提案
「主張が強すぎたのではないか」
「職人さんとトラブルになるんじゃないか」
そうした不安もあり、私も頭を悩ませていました。
そんなとき、私に一本の着信がありました。それは、状況を気にかけてくれていた不動産屋の担当者さんからでした。
物件の引き渡しが終わった時点で、本来なら彼女の役目は終了していてもおかしくありません。しかし彼女は、私たちの入居まで「伴走者」であることを宣言してくれていました。
実際に今回も、中立的な立場からこう助言をくれたのです。
「出された見積もりが、そのまま請求になるわけではありません。ここから調整できる箇所もあるはずです」
「リノベ業者も誠意のある方々で、できる限りの対応をしようとしてくれています。だからこそ『要望がすべて実現した場合の最大値の見積もり』を作り、そこから不要なものを削減していく、という対応にしているのだと思います」
冷静な彼女の言葉を聞いて、私も、その通りなんだろうと思いました。
しかし、それなら「これは最大限増額した場合の見積もりです」という説明があってほしい、と施主の立場からは思いました。
それに、間取り変更が確定した時や、妻の要望が出揃った時など、各段階で最新の見積もりを提示し、私たちが取捨選択できる打ち合わせの場を設けてほしかった。
電話口で私がそのように伝えると、彼女も「それはおっしゃる通りですね」と理解を示してくれました。
そして、これ以上メッセージの文字だけでやり取りするのは危険だと判断し、すぐさま対面での打ち合わせの場をセッティングしてくれたのです。
打ち合わせと、見えてきた事実
打ち合わせの場では、リノベ業者も連絡や説明が不足していたことを素直に認めてくれました。
そして、増額となった理由の明細を一つひとつ丁寧に説明してくれたのです。
明細を一緒に読み解いていくと、少しずつ事実がわかってきました。
見積もりが1350万円に膨れ上がっていた最大の理由は、妻が心配した「こだわりの詰め込みすぎ」ではありませんでした。
実際は、間取り変更や断熱工事の追加という急な変更スピードに、書面上の更新が追いついていなかったことで生じた「見積もりのズレ」だったのです。
例えば、ひとつの工事としてまとめられるはずの工程が、変更のたびに新しい項目として追記された結果、重複して計算されてしまっているような状態でした。
不動産屋の担当者さんが言っていた通り、私たちの度重なる要望に応えようとしてくれた結果であり、急いで見積もりを作成してくれたゆえの、事務的なズレだったのです。
対面で図面と明細を突き合わせ、「この項目はこっちの工事に含まれますよね?」と一つひとつ丁寧に整理していくと、業者も「あ、本当ですね。ここは重複しています」と素直に認め、すぐに修正してくれました。
メッセージの返信や進行管理といった事務的な業務よりも、現場での施工や対面でのすり合わせに全力を注ぐ、職人肌のチームなのです。
打ち合わせの結果、妻の理想のプランをほとんど削ることなく、事前に業者が想定してくれていた値引きや自治体の補助金などを適用することで、なんとか総額を1250万円以内に抑えられる見込みが立ちました。
妻は自分の要望を諦めずに済んだこと、そして何より「自分のせいじゃなかった」ことに心底ホッとしたようでした。
今後は大きな想定外は起きにくいとは思うが、もし見積もりが変わる事態になれば必ず事前に相談してほしい。そう今後の運用ルールを双方で再確認し、打ち合わせは無事に終了しました。
大きな予算の壁を乗り越え、業者とのわだかまりも解けました。
工事のスケジュールについても再確認することができました。LDKの顔となる造作本棚などの大工工事について、現場でじっくり時間をかけて確認する場を設けることも決まりました。
理想の家が完成するまで、いよいよラストスパートです。
次回はこちら!
Kindle版で完結まで読めます!
コラムを挟まずに結末まで一気読みしたい!」という方向けに、最終話まで全話収録したKindle版を公開しています。お気軽に手に取っていただくため、価格は99円に設定しています。
中古マンション フルリノベ実況中継 Kindle版
「家づくり」という人生最大のプロジェクト、ぜひお付き合いください!
#中古マンションリノベ #家づくり #マイホーム記録 #予算オーバー #工務店 #プロジェクトマネジメント
