ホリエモンと予防医療の専門家たち ペニシリン注射・天然痘・麻疹ワクチンなど~ミニYOBO万博in大阪④
ホリエモンこと堀江貴文氏が理事を務める予防医療普及協会が主催した「ミニYOBO万博 in大阪 2025」では、私が、堀江氏、たむらようこ氏とイベントの最後に鼎談をしました。今回は、イベントに登壇された専門家の皆様のトークを紹介させていただきます。
ミニYOBO万博は11:50〜17:00の予定で以下のトークがされました。
11:50-12:00 開会挨拶
12:00-12:55 佐藤昭裕・忽那賢志「性感染症予防の最前線」
13:00-13:55 田中大祐・谷口達典・上戸賢「しくじり先生!? 先に知っておきたい医療機器・ヘルスケアビジネスの勘所」
14:00-14:50 ヘルスケアプロジェクトピッチ(デンタルフィットネス・NPO AYA・あっと株式会社・ソイナース・オーガニックサイエンス株式会社)
15:00-15:55 堀江貴文・宮脇大・田中太郎・山田憲嗣「運動を生活に取り入れるスマートシティ戦略とPHR活用」
16:00-16:55 堀江貴文・角田郁生・たむらようこ「子宮頸がんを「正しく」怖がるために HPVワクチン薬害訴訟 エビデンスに基づく“真実”」
「開会挨拶」は大会長/Doctor’s Fitness 診療所の宮脇大代表医師。

「性感染症予防の最前線」では、カラダ内科クリニック佐藤昭裕総院長と一般社団法人予防医療普及協会顧問で大阪大学の忽那賢志教授によるプレゼント討論。忽那教授は梅毒が増加していること、神経梅毒の治療にペニシリンの注射が使用されていること、Mpoxと天然痘ワクチンなどについて解説。角田は、ペニシリン注射は、日本だけで長らく禁止されており、それまで飲み薬であったことに関して、忽那教授にコメントを求めた。忽那教授は飲み薬のころは血中の薬剤濃度の維持に苦労した話などを披露。
梅毒の治療はペニシリンの注射が世界の標準治療であるが、日本では1956年に東大教授が歯科治療時にペニシリン注射で死亡した事件を契機に使用できなくなり、2021年にようやく承認された経緯がある。日本の薬物に対する副反応の過剰な対応の愚かな一例。アレルギーでのショック死は、卵のアレルギーでも起こります。ペニシリン注射ができなかった半世紀にも及ぶ間に、どれだけの人が梅毒で亡くなったのか! 現在、HPVワクチンの積極的推奨が中止になったことによって、今後、子宮頸がんで死亡する人が増えるという疫学研究があるが(https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/202408_70_01-08.pdf)、日本だけが犯した医学上の過ちが、繰り返されたと言える。天然痘ワクチン(=種痘)は、天然痘ウイルスの感染を防ぐものであるが、同ウイルスはヒトにしか感染しないため、ワクチンの普及により、1980年に地上から根絶された。HPVもヒトにしか感染しないウイルスである。つまり、幅広いHPVワクチンの集団接種により、HPVも地上から根絶可能なウイルスである。角田は、上記について、本イベントの堀江氏との鼎談で話題にしようと、この時点でプランしていたが、時間がなくできなかったのは残念であったため、この場で解説した。
佐藤医師は、HIV PrEP(プレップ、曝露前予防内服)とは、性交渉する前からHIVの薬を内服し、HIV感染のリスクを減らすというHIVの予防方法であることを解説。さらには、Doxy-PrEP(ドキシプレップ)、すなわち、毎日ドキシサイクリンを内服しておくことで前もってクラミジア、梅毒、淋菌の予防を試みるというものについても紹介。角田は、いずれの薬剤も濫用すれば、薬剤耐性菌(ウイルス)が出現するので、どのような状況で、使用が正当化されるのかについて質問をした。

「しくじり先生!? 先に知っておきたい医療機器・ヘルスケアビジネスの勘所」では、まず大阪大学の上戸賢特任講師が、医療機器と医療法、保険収載、薬事承認について解説。大阪公立大学の田中大祐教授が、厚労省での経験などを紹介。大阪大学の谷口達典医師が自宅でできる遠隔心臓リハビリを使った株式会社リモハブRemohabでの成功体験を披露した。


「ヘルスケアプロジェクトピッチ」では、デンタルフィットネスの高橋翔太代表が予防歯科についてプレゼン。

NPO AYAの代表理事である中川悠樹医師は、病気などによる子供たちの体験格差を解消するための映画上映会活動などを紹介。「AYA」の名前の由来は、中川医師の幼馴染からとったもので、AYAさんは幼少時に麻疹に罹患し、数年も経ってからSSPE(亜急性硬化性全脳炎)で亡くなった。SSPEは麻疹ウイルスの持続感染によって起こる治療法のない100%致死性の疾患。中川医師が医師を志した契機となった。麻疹ウイルスも、ヒトにしか感染しないウイルスであり、ワクチンで地上から根絶が可能である。実際、麻疹ウイルスに近縁の牛疫ウイルスは、牛類へのワクチン接種により、地上から根絶された二番目のウイルスとなった。麻疹ウイルスはワクチン接種によって死者が減少傾向にあるが、全世界で年間10万人が死亡している。麻疹ウイルスが根絶できないことの理由の一つは、麻疹ウイルスワクチンが自閉症を起こすという誤った論文を医師WakefieldがLancet誌に掲載したため。後にLancet誌は掲載論文を撤回し、Wakefieldは医師免許を剥奪されたが、誤った情報は現在も拡散し続け、悲劇は続いている。HPVワクチンも状況は極めて似ており、こうした悲劇は、今すぐにでも止めるべきものである。アメリカでは麻疹が一時期、根絶されたが、現在は、また流行している。反ワクチン派の運動が、守れる命を守れない状況にしている状況を、角田は本イベントの堀江氏との鼎談で語るプランであったが、時間切で果たせなかったのは残念であったため、この場で解説した。
あっと株式会社の武野 團(だん)代表は、リアルタイムで爪床の毛細血管の観察できる装置である毛細血管スコープ「血管美人」を紹介。
株式会社Medi Blancaの横山佳野(かの)代表は、看護師によるケアリングサービスSoi Nurseを紹介。小児専門の看護ケアリングサービスで、東京都内(23区、三鷹周辺)と群馬県前橋市を中心に対応し、働く看護師も健やかであることを大切にし、看護のプロが子どもの成長とご家族の生活や就労環境をサポート。

Organic Scienceの鎌田貴俊代表は、マグネシウムのサプリである「マグリポ」「マグバーム」を紹介。オリンピック選手にも使われていることなどが印象的であった。女子レスリングでは、パリ五輪で金メダル獲得した藤浪朱理選手や鏡優翔選手などが愛用!

「運動を生活に取り入れるスマートシティ戦略とPHR活用」では、Doctor’s Fitness 診療所の宮脇大(ひろし)代表医師が、フィットネスジムに通う人口は4.5%。20-30%の人に運動習慣(70代は40%)。余暇で身体を動かすことは心血管イベントも死亡率も下げるが、生活活動として仕事で身体を動かす場合は、逆に心血管イベントも死亡率も上昇する(ストレスのためか)ことを紹介。運動療法の保険適応は150日であるため、運動処方箋を出し、認定を受けた提携ジムで運動することが継続になることなどを紹介。

イベント終了後には、登壇者の専門家の方々、堀江氏、らの参加するレセプションがおこなわれ、情報交換がされました。

