【行こ行こ#50】初めてのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)早朝5時のアラーム【万博再訪&USJ-5】
前回までのあらすじ
万博を訪れ、西成に泊まり、大阪を楽しんでいた我々。旅の三日目、今日はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)へ向かうことにした。
西成の宿を飛び出して
西成の宿で、スマホのアラームが鳴ったのは早朝5時。
なぜこんな時間に? もちろん今日は USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に行くからだ。
眠気を振り切って、私とニャウさんは、まだ夜の明けきらない道を歩き、5時30分の電車(始発から2本目?)に飛び乗った。
USJの最寄り駅に着いても、まだ5時台だ。

遠くにはハリー・ポッターの城(?)が朝日を受けて輝いている。まだ人影の少ないUSJに隣接する街並みを眺めながら、ゲートへ向かった。

正面の門は当然ながら閉まっている。



不思議な空間に辿り着く。ここは手荷物検査場の前のスペース。
開園の8時30分をここで待つようだ。

手荷物検査場の前で
ゲート前にはすでに待機列ができていた。とはいえ、私たちの前に並ぶのは十数人程度。
私とニャウさんは地面に腰掛け、日傘をかざしたり、手荷物をコインロッカーに入れるなどしていた。
日差しもまだ強くない。しばらくすると寝不足と連日の強行軍から少し眠気がやってくる。
すると、静かにかかっていたBGMの中に「この曲」があったのだ。
私の眠気は一気に覚めた。
そう、これは私が世界で一番好きな映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(以下、BTTF)のテーマである。
刹那、私の意識は大阪から抜け出す(抜け出してばっかだな)。そして遥かなる1985年のヒルバレー(主人公の住む街)に飛ばされた。
かつてUSJにも『バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド』があったが、2016年5月31日にクローズしている。
USJには最近、追加料金で優先的にライドに乗れる楽しみ方もあるそうだ。
もし、まだBTTFのライドが現役だったら、私は財布の金が尽きるまでリピートして乗車していたかもしれない。
そしてドク・ブラウンのグリーティングがまだ続いていたらな……と考えてしまうのだ。
これは、エメットブラウン博士(通称ドク)がUSJにやってくる設定の路上パフォーマンスなのだが、肉眼でデロリアンを見れたら感涙して卒倒すること間違い無いだろう。
勿論、この役者さんがクリストファー・ロイド(ドク役の俳優)はわかっているし、デロリアン号だって重力と日本の道路交通法に縛られている。
しかしながら、これは実寸法のデロリアンなのだ。
私の書斎には、精巧に作られた1/6スケールのデロリアン模型がある。

これを見ていただければ、私がいかにBTTFを愛しているかがお分かりかと思う。
そんな妄想の中に浸っていると、手荷物検査場が開いた。

ここで感心したのは、USJの合理的な仕組みだ。
7時を過ぎると手荷物検査場を開けてしまい、入場時間の8時半までの間は、検査を終えた人々を別の待機場所でスタンバイさせる。
これなら開園時の混乱が減り、入場もスムーズ。
万博の「9時入場なのに9時から検査スタート」とは大違いである。
実際この日は来場者が多く、予定より30分早い8時開園となった。私たちはほぼ先頭集団として園内に飛び込むことができた。
競歩で向かう任天堂エリア
目的はただひとつ……スーパー・ニンテンドー・ワールド
「予約がなければ入れない」と噂されていたが、ニャウさん曰く「朝一番に行けば大丈夫」とのこと。

全員が一斉に走り出す。
「走らないでください!」とスタッフが声をかけている。
それも一人や二人ではない。
数十人が転々と看板を持って声をかけている。
ここにいる皆んなはわかっている。
早く着いたほうが得だ。と。
だから、理性と欲望の葛藤の結果、早歩きになっているのだ。
我々も早歩きで進んだ。
遠い、とても遠い。
さっきまではよかった。座れたし、まだ朝で日光も鋭くない。
ところが8時ともなれば直射日光は、一丁前に正午と同じくらいの強度で肌を焼く。そこへ早歩きという運動。
若者たちが猛ダッシュですり抜けていく。『体力があっていいなぁ』と思いながら、我々も速度を上げる。
これは最早競歩である。
今日はこのまま帰る我々の背中には、大きなリュックもある。
これで汗が出ないわけはない。
任天堂エリアまでは約1キロメートル。
緩やかな上り坂を競歩で進む。
競技時間も13分を過ぎると、我々は服を着てシャワーを浴びたような汗に包まれていた。そして大きな土管の前に到着した。

『任天堂の世界に行くのに、入口が土管!さすが宮本茂』
マリオの生みの親で、デザイン監修を指揮したといわれる宮本氏の顔が脳裏をよぎる。

土管をくぐり抜けると出口はピーチ城だった。
脳内に流れるのは『マリオ64』で見たピーチ城の曲。実際は通常の音楽だったけど、Nintendo64で初めてマリオが立体になった時の感動が私を包む。
そして眼前に広がるのは…。

そこは、あのゲームの世界そのものだった。
はてなブロックが浮かび、ピーチ城が見え、マリオのBGMが流れている。
コインが回転して、パックンフラワーやドッスンも見える。そして小高い丘の上にはゴールの旗も見える。
「足を止めて写真を撮りたい。」しかし――立ち止まる暇はない。人気アトラクションを制覇するには、この足を止めてはいけないのだ。
(↑皆さんも思い出の曲があると思いますよ。公式のマリオメドレーです。)
ドンキーコングのクレイジー・トロッコ
最初に向かったのは、最新アトラクション『ドンキーコングのクレイジー・トロッコ』だ。
ジャングルに建つ神殿を模した廊下を抜け、ピクミンの壁画を眺めながら進む。


何より嬉しいのは空調も効いていて快適だということ。
汗がスーッと引いてく。

僅か10分ちょいで順番が来た。
トロッコに乗り込むと、疑似レールの仕掛けで車両が空中ジャンプする。
思った以上に怖い。絶叫マシンが苦手なニャウさんは「ぎゃー!」と叫び通しだった。
空調で引っ込んだ汗が、今度は冷や汗として吹き出す。
思ったより怖い。というか子供大丈夫かな?というくらいスリリングだった。
ライドの時間は2〜3分。
三半規管がグデングデンになった我々は、命からがらアトラクションを出た。
ふと見ると、入り口には長蛇の列。
待ち時間は『80分待ち』の表示。
「うわぁ…朝早く来てよかった。」
そんな余韻に浸る間もなく、我々は次のライドへ向かうのだった。
マリオカートの洗礼
次は『マリオカート ~クッパの挑戦状~』だ。ARヘッドセットを装着して、甲羅を投げながらコースを駆ける。
これも大人気アトラクションで、長く待つことが予想される。
しかし、まだ8時半前。早朝到着の恩恵はまだまだ続いている。

クッパ像がある階段を登るのだが、ここもみんな早足になっている。
本当だったら、ゆっくりその彫刻や調度品を見て回りたいのだが、そんな余裕はない。

きのこカップなど、各コースのトロフォーの前をそそくさと通り過ぎる。
そして、テレビ中継車の横で記念撮影に興じる人のちょいとした列もあるが、基本的にはガンガン進んでいく。


iPhoneの写真アプリを見返しても、基本的に斜めか、ブレた写真しかない。
とにかく中の作り込みは博物館のようで、どれもがフォトスポットだと思う。
そんなこんなで、待機列はやっと始まり、我々はやっと立ち止まることが許された。
しばらくすると、係の方がサンバイザーのようなものを配り始めた。

これは3Dメガネ用の器具らしい。
キテレツ大百科の主人公が着けていそうな色と形で、「M」とおそらくマリオという意味だろうアルファベットがあった。
これを被り、そこに3Dメガネをつけるそうだ。
メガネ型ではないので、メガネをしている人にもつけられる仕組みのようだ。
私とニャウさんは徐に装着する。
「いいっ痛い痛い痛いいい痛い!」
私の人間離れした頭のデカさでは、サンバイザーが脳天を締め付けて激痛が走る。
まるで『西遊記』の孫悟空。悪さをすると三蔵法師の念仏で金輪が締まる、あの感じだ。
特段、仏様の手のひらに落書きとかしていないにも関わらず、私の頭骨はキリキリと締め付けられた。
痛がる私に、ニャウさんの不思議そうな顔
「まるさんより頭の大きい人なんて山ほどいるでしょ??」
確かにそうだ。大柄な米国人が私より小顔とは思えない。
「『M』って書いてあるけど、これってサイズじゃないよな?マリオって意味だよな?」
念のために係の人に「大きいサイズはないですか?」と聞くも、「フリーサイズなので…」と困らせてしまった。
頭でっかちにとってフリーサイズほど不自由なものはないのである。涙を飲んで我慢することにした。
「M」じゃなくて「L」があるとしたら、それはルイージの緑になるだろうか?
「私は頭蓋骨がデカイです」と看板を掲げて歩いているようなもので、それはそれで恥ずかしい。
そんなくだらない考えが脳内を巡っていると、いよいよ我々がカートになる順番になった。

カートの中は撮影ができないので、感想だけお話ししよう。
結果的に楽しかった。
甲羅を投げて敵をやっつけつつ、カートを操縦する。
ライドも動くので、スーパーファミコンでやったあの世界に飛び込んだ感覚だ。
私は頭骨の痛みと興奮とで判断力が低下し、序盤で全ての甲羅を投げ切ってしまった。そのためコースの中をただただ疾走し、楽しさと痛みとを充分に味わって外に出た。
ヨッシーでひと休み
最後は『ヨッシー・アドベンチャー』。観覧車を横にしたような速度で、任天堂エリア全体を見晴らしながら進む、のんびり系のライドだ。
待つ時も、ゲーム「ヨッシーアイランド」の世界観で、私が大好きでやり込んだゲームだったので待っている時間も楽しかった(冷房もあるしね)


私とニャウさんは緑のヨッシーに乗り、風を受けながら景色を眺めた。

子どもの頃から慣れ親しんだヨッシーに、こうして“乗れる”日が来るとは。思わず写真を撮りまくる。
タイトルとは違い、全然アドベンチャー感はないが、これは相当楽しめた。
午前10時の時点で、任天堂エリアの人気三本柱をすべて制覇。
汗だくになりながらも、これ以上ない達成感があった。
「早起きは三文の得」
「スーパー・ニンテンドー・ワールド」や「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」など、人気エリアの入場確約券も含まれるパスは、35,200円~61,100円といった価格帯だそうなので、三文よりずっと得をしているなと実感していた。
ピーチ城を出るとき
ワールドの出口はピーチ城。
最初に述べたように、BGMはスーパーマリオ64の「ピーチ城のテーマ」……ではなく、別の曲が流れていた。私は脳内で勝手に差し替え再生。
外国からやってきた観光客の中には、Nintendo 64のロゴのTシャツを着ている人もいて、なんだか嬉しくなった。腕には『M』の文字の例のバンド。
「君もあのポリゴン感あるマリオを操った同志か」
マリオは日本のものだけど、同時に“世界の共通言語”でもあるのだと改めて認識した。
こうして、我々は「予約しなければ入ることも許されない」と噂だった任天堂の世界を堪能し、次なる冒険へ向かうのであった。

次回(第6話)予告:
「ウォーターワールド」――映画を舞台にした大迫力のショー。3,000人が一斉に水を浴びる、その瞬間を体験する。
つづく
次回↓
記事:まるのすけ
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