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記事コメ:コロナワクチン接種後死亡を追う

ここ最近日刊ゲンダイでは【コロナワクチン接種後死亡を追う】というシリーズの記事が出ている

これ自体に特に目新しい情報がある訳ではないのだが、「接種後死亡に因果関係が認められない」という問題については常に考えるべき点があるように思う。私自身も、「個別の事例について、どうすれば因果関係を証明出来るのか?」という命題は考える事が多い。その点について、上記のシリーズから最近広島大学から接種後死亡とそのメカニズムに触れた症例報告が出ていたという記事を見たので紹介したい。

広島大が衝撃発表! “サイトカインストーム”発生で症例報告4例全員の体温が「異常高温」

というタイトルで紹介されていたが、件の論文は「Four cases of cytokine storm after COVID-19 vaccination: Case report」(Front Immunol. 2022 Aug 15;13:967226.)である。Frontier Immunologyというまあまあの雑誌に載っているのは興味深い。ある程度注目される内容ということだったのだろう。記事にある通り、論文の内容は以下の通りである。

2回目の接種後1~10日で死亡した20~50代の男性4人の遺体を解剖した。そこに前回詳述した岡本裕二さんの長男も含まれている。4人のうち3人がモデルナ製ワクチン、1人がファイザー製を接種していた。病理解剖の時点ではどの遺体からも死亡原因にかかわる情報を得られなかった。ただ、4人とも検視官が測った直腸温から死亡時の体温が、41~43度、42~46度、39~41度、43~44度と「異常高温」だったと推測される。そこで広大チームは、死亡後、それぞれ24時間以内に採血した血液サンプルを「RNAシーケーシング」という最先端技術を使って解析。「遺伝子発現(遺伝子の遺伝情報がさまざまな生体機能をもつタンパク質の合成を通じて具体的に現れること)」の変化を突きとめる。その結果、4人ともサイトカインが過剰に放出されて暴走し、自らを攻撃するサイトカインストームが発生。全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症して死に至ったと推認されたのだ。

この論文で重要な点は、血液中の免疫細胞についてRNAシーケンシング(RNA-seq)法による網羅的遺伝子発現解析を実施し、健常人と比較して何が起こっているのかを科学的に追求した点だ。少し補足するとRNA-seqとは細胞の中にある全てのRNAをそのまま全て配列を解読することで、どの遺伝子がどのくらい発現しているかを全て網羅的に把握する実験手法の事だ。一昔前はこの様な事はとんでもない話だったが、技術の進歩によって今では当たり前の手法となっている。これによってその細胞がどんな遺伝子をどのくら発現しているかが完全に把握できるのだ。また、この様な網羅的な遺伝子発現解析の結果はデータベースとして一般に公開されているので、興味と知識があれば自分でも解析してみる事が出来る。

さて、論文ではこのRNA-seqによって高発現した遺伝子のオントロジーを解析し、接種後死亡者に於いて、好中球の脱顆粒とサイトカインシグナルに関わる遺伝子が特段にアップレギュレートされていたことを明らかにしている。この結果は、核酸ワクチン接種後に免疫調節異常が発生したことを示唆している。以前から私の記事でも述べている様に、核酸ワクチンというのは特有の免疫活性化機序を有しており、明確な免疫活性化に伴うあらゆるリスクが存在する。それらを踏まえて考えればこの様な異常な免疫活性化、サイトカインシンドロームの発生、その分子生物学的機序を推定させる遺伝子発現解析の結果、これらは関連を示唆するに十分な知見に思える。

が、しかし、残念ながらこのレベルのデータを以てしても、行政は因果関係を認めない。接種後死亡の一覧は行政機関のWebサイトで見る事が出来るが、ご存知の通りほとんどは評価不能である。気になる方は一度は見てみる事を勧めるが、例の中には医師が強く因果関係を疑い、それなりの知見を併せて報告しているにも関わらず評価不能としているものが少なからずある。心筋炎など明らかに核酸ワクチンとの因果関係が証明されている疾患によって死亡し、病理学的にキラーT細胞の浸潤まで示していても、評価不能としている症例もある。これについても、以前から私は核酸ワクチン特有なリスクとして、自己のあらゆる組織や細胞がMHC-I抗原提示によるキラーT細胞活性化を引き起こす事は危険だと言っているが、その機序が想定される現象がそのまま示されても本質的なところを理解する気が無いのだ。つまり、行政やお抱えの評価委員は「科学的に想定される機序」と「それを関連付ける科学的な知見」程度では認める気が無いと言える。これはハッキリ言ってしまえばふざけた姿勢である。

(参考:新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要 コミナティ筋注、ファイザー株式会社)

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000816282.pdf

(参考:核酸ワクチンと自己免疫疾患)

例えば、もっと深堀りして、この浸潤細胞がSタンパク質特異的に反応するキラーT細胞であることや、標的組織に於いてMHC-I上にSタンパク質断片が提示されている事などを示せば因果関係が証明されるだろうか?リストにある評価委員のコメントを見た印象だと、恐らくそこまでしたとしてもNoだろう。その様な現象まで示しても、「それが死因に繋がったかどうかは証明できない」などと言って評価不能を続けるだろう。

という事で、現状「どうすれば因果関係を証明出来るか」というのは非常に難しい。なぜなら政府行政は「認めない」ことを前提にしているからだ。どうすれば証明出来るかではなく、どうすれば証明されないかを重視しているのだからどうしようもない。政治や経済と自然科学というのは本質的に相容れないという事がよく分かる。相互に利害関係が一致した部分だけで共存しているだけなのだ。政治や行政が民衆に納得感を与える為に都合の良い科学者や科学的理論を利用する、科学者が研究資金の為に政治や行政を利用する、それだけなのだ。「国家」というもののためにその様な政治的判断がある事は仕方ないだろうが、その時に国が人について考えるのは一人一人の状況ではなく数字としての国民という集団である。自分自身の事は自分が自分の力で考えなければならないし、それができるだけの能力を身に付けなければならない。誰かや何かに迎合して生きる事は楽で簡単かも知れないが、その場合にその誰かや何かにとって都合の良い状況に物事が推移することは当然であり、将来何かあってもそれに文句を言うのはお門違いである。

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